アウトドアショーに並んだクルマの画像
文=小林章(ダズ)

EVの車中泊・キャンプがこれからのトレンド!? オフロード×スポーツのミックス系カスタムにも注目【東京アウトドアショー2024】

車中泊&キャンプの専門家が気になったクルマは?

アウトドア関連の最新ギアやファッション、モビリティなどを体験できる国内最大級の屋内アウトドアイベント「東京アウトドアショー2024」が、6月28日(金)から30日(日)までの3日間にわたり千葉県の幕張メッセで開催された。 今回、カスタム&カーライフマガジン「スタイルワゴン」で、連載企画「キャンプ&車中泊に最適なクルマ選び」を担当する小林 章氏が、アウトドア×クルマをテーマに、イベントの様子をお届けします。

目次

EVの車中泊・キャンプが実は最強!? 手軽にアウトドアをはじめたい人にも最適

東京アウトドアショーでは、多くの自動車メーカーがEV(電気自動車)によるアウトドア遊びを提案していた。実は先日、EVで車中泊をしたところ、思いのほか快適で便利だった。特に猛暑が予想されるこれからの季節、車内で寝るのはかなり寝苦しそうだが、EVであればエアコンをつけたまま寝られるのが大きな利点(ガソリン車のようにエンジンを付けっ放しによる一酸化炭素中毒の心配や、うるさいエンジン音がほとんどない)。

実際一晩車中泊してみたが、エアコンをフル稼働したことによるバッテリー残量の減少は10%程度。搭載されるバッテリーによっても変わってくるが、残電量をそれほど気にせず使うことができそう。

またEVキャンプが注目される理由は、外部給電を利用すれば普段使っている電気製品が使えるということ(一部の車両は未搭載)。ホットプレートでバーベキューをしたり、コーヒーメーカーで美味しいコーヒーを淹れたりということが気軽にできる。苦労して火をおこしたり、焚き火をするのがキャンプの醍醐味! というベテランキャンパーもいると思うが、気軽にアウトドア気分を楽しんでみたい、という人にはピッタリ。

ホンダ「N VAN e:」の画像

フロントグリル左側にある、普通充電用リッドにAC外部給電を挿せば、最大1500Wの給電ができるホンダ「N VAN e:」。2024年9月に発売が予定される注目モデルで、軽EVトップクラスの一充電走行距離245kmを達成

ボルボ史上最小SUVの電気自動車「EX30」

ボルボ史上最小SUVの電気自動車「EX30」。ルーフレールにMTBを積載しての外遊びを提案

レクサスブランド初のEV「RZ450e」をベースにした「LEXUS RZ OUTDOOR CONCEPT」

アウトドアブランド「スノーピーク」とコラボしたレクサス。同ブランド初のEV「RZ450e」をベースにした「LEXUS RZ OUTDOOR CONCEPT」は、オフロード系タイヤの装着やフォグライトの装備で精悍なスタイルに

フォルクワーゲン初のフル電動SUVとなる「ID.4」

フォルクワーゲン初のフル電動SUVとなる「ID.4」。スマートで洗練されたスタイルはアウトドドアシーンで映えそう

BYDの日本市場参入第1弾モデルとなる「ATTO 3」

BYDの日本市場参入第1弾モデルとなる「ATTO 3」。輸入車では数少ない外部給電機能が搭載されている

THULEのルーフラックを装備したスバル・ソルテラ

THULEのルーフラックを装備したスバル・ソルテラ。THULEのシステムキャリアはスバルのディーラーで購入できるなど、自動車メーカーもアウトドア遊びを支援するカスタムパーツを積極的に提案している

カスタムの未来が見えた!? 生成AIを使ったボディラッピング

クルマの色を塗り替える「オールペン」は一度施工すると元に戻せないが、専用フィルムを貼り付ける「ボディラッピング」は剥がせば元通りになるカスタムメニュー。さらにボディ表面を保護するというメリットもある。そんなボディラッピング用のフィルムには様々な色や柄モノが存在するが、ちょっとユニークな仕上がりに目を奪われたのが「生成AIラッピング」で施工されたというボルボ240。

いま様々な業界で利用されている生成AI。文字入力に対し、画像などによってその答えを生成する人工知能システムの一種で、そのシステムをボディラッピングのデザインに活用している。入力したのは“スウェーデンのヘラシカ”“雪山”“ボルボ240”の3単語。すると数秒で出来上がってきたのが写真の画像。そこからディテールを詰め、ラッピングフィルムにプリントしてクルマへ施工したという。これまでもオリジナルのデザインを作って欲しいという依頼があったそうだが、どうしても時間がかかるうえ、中々納得いくものに仕上がらない。それが文字入力だけで色々な提案ができるようになる。AIがもたらす未来のデザインは、カスタムの新しい可能性も秘めていそうだ。

“スウェーデンのヘラシカ”“雪山”“ボルボ240”と入力して生成された画像

“スウェーデンのヘラシカ”“雪山”“ボルボ240”と入力して生成された画像がこちら

ボルボ専門の車両販売&カスタマイズショップ「ドクターV」が展開するカスタムブランド「VOLTS」

ボルボ専門の車両販売&カスタマイズショップ「ドクターV」が展開するカスタムブランド「VOLTS」。ボルボ社のマスコットにもなっているというエルクをイメージした生成AIによるボディラッピングで、懐かしの240を大胆にモディファイ

ボルボ専門の車両販売&カスタマイズショップ「ドクターV」が展開するカスタムブランド「VOLTS」

ボルボ240シリーズは、1974年から1993年まで約20年間販売されたモデル。VOLTSでは、北米仕様となる丸目2灯ヘッドライトを再現したオリジナルアイテムも用意している

こちらのボルボ240も生成AIによるボディラッピングが施工されている

こちらのボルボ240も生成AIによるボディラッピングが施工されており、防災、緊急車両をイメージした迷彩柄でデザインされている。車両は震災時の車中泊を快適にする防災仕様のクルマとして提案されており、荷室に設置される2段式の収納ボックスは、展開することでベッドキットにもなる

収納ボックスになっている荷室のサバイバルキット

収納ボックスになっている荷室のサバイバルキットは、ボックスを展開すると長さ約180cm程度のベッドに変身する。大人ふたりが快適に車中泊できる

ジムニーで行くのは山だけじゃない! 街や高速道路を快適に走るカスタムチューンが熱い!

ジムニーといえば、山や川をガンガン走る本格オフローダーのイメージだが、最近は街中でオシャレに乗りこなすといった需要も高まっている。今回のアウトドアショーでも、カスタマイズされたジムニーを数多く見かけたが、そのスタイルは多種多様。王道のリフトアップスタイルはもちろん、見た目と走行性能をアップデートするマフラーやインテーク系といったチューニングパーツを纏ったジムニーなど、様々な仕様でギャラリーを楽しませてくれた。そのなかから気になったジムニーをピックアップ!

大胆なサイド出しマフラー! 本格派スポーツホイールも新鮮

老舗チューニングブランド「HKS」のジムニー

老舗チューニングブランド「HKS」のジムニー。ボディ左サイドへ設置されるオリジナルマフラー「リーガマックス・トレイルマスター」の存在感が抜群で、車両側面から見えるサイレンサー部分には遮熱・遮音機能を備えたヒートインシュレーターを装備し、よりアグレッシブなスタイルに仕立てられている

ホイールはジムニー専用サイズのADVANレーシングRJ-02

ホイールはジムニー専用サイズのADVANレーシングRJ-02。オフロードスタイルに本格スポーツホイールという組み合わせが新鮮

”赤キノコ”のルックスは、エンジンルーム内を華やかに彩る

吸気効率を向上させることで、パワー感をアップさせる「レーシングサクション」。通称赤キノコのルックスは、エンジンルーム内を華やかに彩る

心地良い低音サウンドを響かせる「リーガマックス・トレイルマスター」

心地良い低音サウンドを響かせる「リーガマックス・トレイルマスター」。ヒートインシュレーターにはHKSのブランドロゴが刻印される

約30馬力向上のボルトオンターボキットの威力がすごい!

より快適な走りを追求したトラストのジムニーシエラ。約30馬力アップが望めるボルトオンターボキットは、高速道路はもちろん街中での日常使いでもその違いを体感できるそう。トラストではターボキットを搭載した新車コンプリートカー販売も行っており、カスタムされた状態のジムニーシエラをそのまま購入することができる。

より快適な走りを追求したトラストのジムニーシエラ

より快適な走りを追求したというトラストのジムニーシエラ

オリジナルマフラー「グレッディ・クロスエキゾーストG-STYLE」がリアビューで存在感を主張

ロゴ入りアンダーカバーが装備される左右出しのオリジナルマフラー「グレッディ・クロスエキゾーストG-STYLE」がリアビューで存在感を主張。チタン風ヒートグラデーションテールが印象的だ

明確な走りの違いを体感できるボルトオンターボキット

明確な走りの違いを体感できるボルトオンターボキット。MT車、AT車、それぞれに専用モデルを用意する

走りを追求したシエラに相応しいホイール

走りを追求したシエラに相応しいホイールは、軽量・高剛性に優れたボルクレーシングTE37XT

愛犬家にはお馴染みのdonpacとコラボしたペットのうんち入れケース

愛犬家にはお馴染みのdonpacとコラボしたペットのうんち入れケース。マグネットでボデイに貼れる便利アイテムだ

ルーフラックがトランスフォーム!? ジムニの積載性向上に最適な新感覚ギア

「ロトパックス」のコンテナを載せたジムニー

「ロトパックス」のコンテナを載せたジムニー

海外製のカスタムパーツやアウトドアギアを取り扱う「プロト」。携行性に優れた「ロトパックス」のコンテナは、水を常備できる実用性だけでなくワイルドな見た目も無骨でかっこいい。タイヤに載せてラダー的な使い方ができる脚立も魅力的なアイテム。

「ロトパックス」のコンテナにチェンジすることで、アウトドアイメージを促進

通常はスペアタイヤが設置されているリアゲート。「ロトパックス」のコンテナにチェンジすることで、アウトドアイメージを促進

バスケットフレームが可動式となっており、荷物を乗せない時はバスケットがフラットになる

3D社製の「トランスフォーミングルーフバスケット」は用途に合わせて形状が変化。バスケットフレームが可動式となっており、荷物を乗せない時はバスケットがフラットになる。ありそうでなかった新感覚のアイテムだ

デカすぎでしょ! カーゴバンの「スプリンター」をキャンピングカーにしたら面白そう

「スプリンターライフ」が展示した、メルセデスベンツのスプリンター

今回展示された車両はL2H2サイズ(全長約6m、高さ約2.4m)。全長は5.2mから7.4mまでの4サイズ、高さが2.365mから2.825mまでの3サイズ、全9タイプのボディサイズをラインアップしている

日本国内には正規輸入されていないが、ヨーロッパやアメリカで人気の高いメルセデスベンツのスプリンター。バンライフ仕様のベース車としても人気が高く、海外では多くのカスタムコンバージョンメーカーもある。

そんなスプリンター専門の輸入販売店が神奈川県にある「スプリンターライフ」。今回のイベントで初めて実車を目の当たりにしたがとにかくデカい! 全長が約6m、高さ約2.4mのサイズ感は、日本の街中で普通に走れるのか気になるところだが、同社社長の大塚さん曰く「意外と小回りが効くので、街中でも走りやすいんですよ」とのこと。

また外観のデカさにも驚いたが、車内も広々! 荷室の室内高は約1.9mあり、大人が余裕で立ち上がれるほど。「スプリンターライフ」では、車両を輸入後にオーナーのリクエストに沿ったカスタマイズを提案してくれるそう。ちなみにお値段は2WDの左ハンドル仕様で1,000万円ほど。こちらも半端ないです。

カーゴバンの後席

カーゴバンの後席は、鉄板剥き出しで何もない状態が通常。床面、壁、天井を張り替えると広々とした部屋のよう。まずはここからスタートしながら、自分仕様にアップデートしていくのも面白そう

展示されたのは左ハンドルのAT・2WD車

今回展示されていた車両は左ハンドルのAT・2WD車。右ハンドルやMT、4WD車などをオーダーすることも可能だ

この記事はいかがでしたか?
この記事のキーワード
あなたのSNSでこの記事をシェア!