マフラーがBBQグリルに⁉ 車中泊・キャンプなどアウトドア好き編集者の物欲を刺激したアイテム一挙紹介
車中泊&キャンプの専門家が気になったギアとは?アウトドア関連の最新ギアやファッション、モビリティなどを体験できる国内最大級の屋内アウトドアイベント「東京アウトドアショー2024」が、6月28日(金)から30日(日)までの3日間にわたり千葉県の幕張メッセで開催された。 今回、カスタム&カーライフマガジン「スタイルワゴン」で、連載企画「キャンプ&車中泊に最適なクルマ選び」を担当する小林 章氏が、車中泊や夏キャンプで使ってみたいとリアルに感じたアイテムを、イベント会場からお届けします。
- ただのBBQグリルじゃなかった! 実はマフラーの部品から製作したアウトドアギア
- SUPボードにもなるってホント!? 画期的すぎる車中泊マットは折りたたみも超簡単
- ソーラー充電で最大120時間点灯! 専用マウントでLEDライトとしても使える新感覚のグラスランタン
- 子供たちが楽しく食事の準備! 地球環境にも配慮した「折り紙食器」が秀逸
- 工具なしで脱着できるルーフキャリアが画期的すぎる!
- これ欲しかった! メッシュと目隠しカバー付きの2Way式サンシェード
- セパレート式のキャンプマットは超軽量!
- ラゲッジのデッドスペースを利用したクールなラックシステム
- 軽トラックでの移動販売やアウトドアでも活躍しそうな屋根付きテント
ただのBBQグリルじゃなかった! 実はマフラーの部品から製作したアウトドアギア
スポーツマフラーの名門「FUJITSUBO」が開発した新発想のアウトドアギア。マフラーの素材として使われるSUS304ステンレスと、本社がある裾野市を組み合わせたブランド名「SMITH SUSono」から様々なギアを展開し、写真のBBQグリルはマフラーのサイレンサーやブラケットを組み合わせて製作されている。チタン製のトングは釣り好きの同社社長がデザインしたものとか
BBQグリルやマグカップなど、定番のアウトドアギアかと思いきや、実はコレ、クルマのマフラーを製作する部品で製作されたアイデア品。マフラーの排気音を消音するサイレンサーと呼ばれる部品を半分にカットし製作したBBQグリルは、両サイドの持ち手部分にマフラーのパイプを繋ぐ際に使うブラケットを利用したり、グリル内部の受け皿もマフラー用のパンチングメッシュを使ったりと、クルマ好きが見たら思わず唸ってしまいそうなほどよくできている。
他にも砲弾型マフラーを利用した「ファイヤーストーブ」やマフラーのサイレンサーを使った「バーベキュースチーマー」も。クルマ好きだけでなく、定番のアウトドアギアに飽きたベテランキャンパーたちにも刺さりそう!
こちらもマフラーのサイレンサーを使って製作した「バーベキュースチーマー」。蓋(!?)を開けると、きちんとした蒸し器になっているのがわかる
グラデーションカラーがオシャレなマグカップ。チタン素材で、マフラーのテールエンドの仕上げと同じくリアルな焼き付けによって鮮やかな色を表現している
SUPボードにもなるってホント!? 画期的すぎる車中泊マットは折りたたみも超簡単
アウトドアギアブランド「SHINOBI」が開発した車種専用の車中泊キット「AIRMAT」。写真はデリカD:5用で、2列目シートを倒した上にマットを敷くだけ。凸凹が一切ない、フラットなスペースが簡単に作れる
車中泊で重要なのは、いかに快適な就寝スペースを作れるか。シートを倒すと凸凹があったり、車種によってはフラットになるけど床面が固すぎるなど、そのまま寝るのは難しい場合がほとんど。そこで活躍するのがキャンプマットやマットレス。会場で見つけた車中泊用のエアマットは、とにかく使い勝手が抜群にいい。
付属の専用ポンプで空気を入れる設計で、非力な女性でも簡単に使用できる状態に膨らませられる。車種専用設計なので、シートを倒した後席へピッタリはまり、広々としたベッド空間があっという間に完成するのだ。
さらに驚きなのがSUPボードとしても使えるということ。水や汚れに強い素材を使い、内部に数十万のポリエステル繊維を重ねることで空気層を逃さないよう設計。結果、驚くほどの耐久性を実現している。そのため水に浮かせることも可能で、SUPボードとしても使えるというわけ。これ1枚あれば、アウトドア遊びが最高に楽しくなりそう!
専用ポンプは軽くて持ち運びも楽々。付属する収納バッグにポンプと本体がまとめられるようになっている
空気を抜くと一瞬でペシャンコに。見た目よりかなり柔らかな素材のため、あっという間に小さくたためた
ソーラー充電で最大120時間点灯! 専用マウントでLEDライトとしても使える新感覚のグラスランタン
瓶型ソーラーランタン ソネングラスは1000mlと250mlの大小2サイズ展開、グラス内部に観葉植物を入れてライトアップするなど、使い方はオーナーのアイデア次第。推しのフィギュアやアクリルスタンドを入れるのもありかも
キャンプサイトや車中泊の車内を照らすランタンは、いくつあっても困らない。自分もキャンプに行く時は、常に4つほどコンテナボックスに忍ばせているが、会場内を歩いていて完全に足が止まってしまったのがこのグラスランタン。まずグランランタンという形がオシャレでユニークなうえ、光源であるLEDが太陽光を使ったソーラー充電式ということ。グラストップ部分がソーラー充電器となっており、日中太陽の当たる場所に置いておくだけで充電される。
さらにオプションの専用マウントを使うことで蓋部分のLEDユニットを、グラスと別離させて使うことができる。首からぶら下げてLEDライトとして使ったり、マグネット付きなので様々な場所へ貼り付けたりと使い方は無限大だ。思わず衝動買いしてしまいました……。
蓋の内側に設置されるLEDがグラス内部を照らすことで、柔らかな間接照明のような光を放つ。明るさの調整機能が付いているのもうれしい
天面部分がソーラー充電器となっている。またUSB(Type-c)での充電も可能
グラストップのLEDユニットだけを取り出すことも可能。別売の専用マウントを使えば、LEDライトとして使うこともできる
子供たちが楽しく食事の準備! 地球環境にも配慮した「折り紙食器」が秀逸
防災備蓄用紙製食器として開発された「beak(ビーク)」。現在ラインアップされているのは丼(どんぶり)、カップ、皿(スプーンとフォーク付き)の3種類。容量280ccのカップは、暖かいスープを入れても問題なく利用できた
防災備蓄用品として注目されている紙製食器。便利な一方で、大量保管が難しいという問題を抱えていたが、そんな悩みを解消したのが「折り紙食器」。組み立て前は厚さ数ミリのA4シートで、使う時に折り紙のように組み立てる仕組み。
糊やハサミなどを使わず簡単に組み立てられるので、キャンプでの食器準備は、子どもたちにも任せられそう。食器としての機能性も高く、プラスチック製品と同等の剛性があり、FDA(アメリカ食品医薬品局)認可のコーティング剤により耐水、耐油性にも優れている。素材はバージンパルプ100%で、燃えるゴミとして捨てることができるので、キャンプ後に面倒な食器洗いも不要。会場では4時間前に盛り付けたというカレーライスを並べていたが、普通の食器と同じような感覚で手に取ることができた。
組み立て前のシート状食器。A4サイズのシートだから持ち運びや保管も楽々
工具なしで脱着できるルーフキャリアが画期的すぎる!
荷物の積載性を高めるだけでなく、ちょっとワイルドな雰囲気を打ち出すルーフキャリアは、いまどきのアウトドア系カスタムに欠かせない存在。ルーフレールを標準装備しているクルマであれば、その上にキャリアを設置できるが、そうでなければ車種専用の取り付けブラケットなどが必要になる。またルーフキャリア本体の重量もかなりのもので、DIYで取り付けるのは少々難しい。そんな従来のルーフキャリアとは異なり、軽くて様々な車種にも取り付け可能なのがソフトキャリアだ。
取り付けは超簡単。クッション性に優れた本体をルーフにセットし、付属のベルトを車内を通す形で固定。あとはクッションの上に荷物を置いて、ベルトで荷物を締め付けるだけ。クッションの耐荷重は約10kgなので、コンテナボックスをはじめサーフボードやスノーボードなども積むことができる。ソフトキャリアは必要な時だけ設置すればいいので、普段はラゲッジなどに収納しておける。取り付けが簡単なので、セカンドカーへ設置することも楽々。
一般的なルーフキャリア(写真左)の場合、ルーフへ固定するための専用ブラケットなどが必要だが、ソフトキャリア(写真右)であれば、どんなクルマでも簡単に取り付けられる
DIY応援カンパニーの「エーモン工業」が、アウトドアギア専門ブランドとして展開している「OGC」。工具不要で取り付けられるソフトキャリアは、使いたい時にすぐ使える手軽なルーフキャリア。軽くてクッション性に優れた素材で、底面は滑り止め加工が施され、キズ防止の効果も高めている
これ欲しかった! メッシュと目隠しカバー付きの2Way式サンシェード
風通しをよくするだけでなく、虫の侵入も防いでくれるメッシュ仕様
数時間駐車するだけで、まるで蒸し風呂のように温度が上昇する真夏の車内。その際に温度上昇を抑える効果が期待できるのがサンシェードだ。フロントウインドウだけでなく、運転席&助手席や後席のウインドウもカバーできればより高い効果が得られる。
そんな運転席&助手席、後席用のサンシェードとして利用してみたいのが車種専用の2Way式サンシェード。ウインドウのフレーム部分へピッタリ設置できるうえ、風通しをよくしたい時はメッシュ仕様、車内のプライバシーを守るために目隠しするならフルカバー仕様へと、1枚で二役をこなしてくれる。唯一残念だったのは、サンシェードを設置すると窓の開け閉めができなくなるということ。もし車中泊で利用する場合、就寝時はシェードを外して窓を閉める防犯対策をお忘れなく。
カバーを閉じれば車内が見えない目隠し仕様に。日差しを遮る効果も高い
窓枠に隙間なくフィットするので、隙間から虫が車内へ侵入してくる心配もない
CX-5専用のウインドウシェードは、マツダディーラーで購入できる
セパレート式のキャンプマットは超軽量!
デイトナ「neGla」シリーズのホシゾラハイブリットマット。上下で異なる内部構造とした多機能マットで、背中や腰部分にあたる上側は、肉抜き加工したウレタン素材を採用。下側はコンパクト化のためエアクッションに。本体サイズは幅530×長さ183×厚み35mm
様々なアウトドギアを体感できるイベントだけあって、キャンプマットが並ぶメーカーブースも多く見られた。なかでも気になったのが、2枚に切り離しても使えるという多機能型のキャンプマット。寝心地に重要な背中や腰まわり部分にはウレタンクッションを入れ、足元部分はエアクッションに。切り離したエアクッション部分は、チェアのマットや座布団としても使用することもできる。
そしてこのキャンプマットのトピックが収納時のコンパクトさ。厚みのあるキャンプマットはたたんでも嵩張って荷物になるが、収納ケースにしまうと驚くほど小さくなるということ。しかも重量はわずか680g! 車中泊派だけでなく、荷物を最小限に抑えたいバイクキャンパーにもおすすめ。
上側のウレタンマットと下側のエアクッション部分で切り離せる設計に
切り離したエアクッションは、チェアのマットに使ったり座布団としても利用できる
収納ケースに入れた時のサイズは約145×270mm。重量は約680g
ラゲッジのデッドスペースを利用したクールなラックシステム
車中泊やキャンプシーンにおいて、アウトドアギアの置き場所問題は悩みどころ。特に小さなギアほど、どこに置いたか忘れてしまう。そんな悩みを解消し、魅せるレイアウトにもこだわれるのがこのラックシステム。ラゲッジスペース両サイドの壁を利用するシステムで、カーボン素材のジョイントパイプを車種専用のブラケットを使い固定し、スパルタンなモールパネルを設置。S字フックなどを利用すれば、様々なギアをオシャレにディスプレイすることができる。モールパネルを追加し拡張することも可能で、テーブルのような使い方も。写真はスバル・クロストレックに装着された車種専用モデルだが、フォレスターやエクストレイル、RAV4用も開発予定。
軽量で高強度のカーボン素材を使ったパイプと、モールパネルを組み合わせたA-TRASの拡張ラックシステム。モールパネルを追加することで、様々なスタイルにシステムアップできる
まるで純正装備のように設置できる取り付けブラケット
軽トラックでの移動販売やアウトドアでも活躍しそうな屋根付きテント
軽トラックを使った「軽トラ市」を支援しているスズキ。屋根付きのテントがあると便利という声に応え、スズキ純正部品として「軽テン」と呼ばれる屋根付きテントを開発。オプションの固定キットを組み合わせることで、車両と一体感のあるスタイルになるのも魅力
利便性の高さや、様々な用途で使えるクルマとして注目されている軽トラック。アウトドアの相棒として選ぶ人も増え、キャンピングカーのように荷台をカスタムする人も。そんな軽トラックにぜひ導入したいのが、荷台への設置を考えられた屋根付きの小型テント。イベントなどでよく見かける、ワンタッチ式のテントとは少々違い、荷台+周辺の日除けになる跳ね上げ式のウイング=屋根を搭載。軽トラックでの移動販売を目的に開発されたそうだが、アウトドアシーンでも利用できそう。また会場で展示していたスーパーキャリイの場合、たたんだテントを荷台前方にある窪み部分へピッタリ収めることができる。
跳ね上げ式のウイングが屋根の役割を果たす。テントの本体色は、オレンジの他にネイビーとベージュもある