クルマの大きさにより真夏の車内温度に差はあるのか? JAFユーザーテストで公開!
送迎用バスとミニバンで真夏の車内温度を測定2022年9月に送迎用バスに置き去りになった園児が死亡する事故が起き、大きな社会問題となったことで、送迎用バスへの安全装置の取り付けが義務化された。真夏の車内では熱中症に注意が必要で、特に子どもや高齢者は要注意。JAFはミニバンと大送迎用バスの車内温度の違いや、熱中症の危険性について検証し公開した。
車両の大きさによって真夏の車内温度に差はあるのか?
真夏の屋外に停めた送迎用バスとミニバンの車内温度を25℃に調整し、エアコンを切って車内温度と熱中症の危険度を示す「暑さ指数(気温・湿度・輻射熱(ふくしゃねつ)※から算出」が、どのように上昇していくのかを検証した。テストは2023年8月28日の正午から行い、開始時の天候は曇り、気温は31.4℃だった。約2時間後には天候が晴れに変わり、気温も34℃まで上昇した。
- ※輻射熱=太陽など高温の物体から伝わる熱などのこと
暑さ指数はわずか10分で「警戒レベル」に
車内温度の比較結果はグラフの通り。熱中症の危険度を示す暑さ指数は、送迎用バスで21分後に厳重警戒レベル、41分後には熱中症患者が著しく増加する危険レベルとなった。車内温度を見ると送迎用バスとミニバンは同じように上昇し、一般的にイメージされるような車内の広さや窓の大きさによる車内温度の違いは見られなかった。熱中症に詳しい帝京大学の三宅教授によると、「暑さ指数は大人にも適用される指標で、今回は21分で厳重警戒レベルとなったが、体温調節が苦手な子どもや高齢者の場合は危険度がさらに高まる」とのこと。また車内に人がいれば体温や呼気で暑さ指数はより早く上昇するため、外気温を基準に車内の熱中症リスクを判断することは避けたほうがいい。
送迎用バスとミニバンの暑さ指数推移
曇りでもわずか1時間で車内温度は40℃以上に
今回のテストでは、車両の大きさによって車内温度や熱中症の危険性に大きな差はなかったが、曇りであってもわずか1時間後には車内温度は40℃を超え、暑さ指数は危険レベルに達した。短時間でも熱中症の危険性になる可能性が高いため、天候や気温に関わらず、短時間でも車内に子どもを置き去りにしないことが重要だ。ユーザーテストの詳細結果は下記サイトで公開しているので、ぜひチェックしてほしい。
テストの様子や詳しい結果は、こちらをチェック!