日本初となる東名・新東名高速でのレベル4自動運転テストに成功したトラックの未来
モビリティショー2023で見た自動運転トラックの最新事情アメリカに拠点を置くTuSimple(トゥーシンプル)が、東名・新東名での大型トラックによる自動運転レベル4相当の実証実験に日本で初めて成功。ジャパンモビリティショー2023でテスト映像を展示した。2024年には完全無人での実証実験も予定。国内外で加熱する自動運転トラックの最新事情を覗いてみた。
東京~名古屋間の自動運転実験をモビリティショーで公開
11月5日まで東京ビッグサイトで一般公開されている「ジャパンモビリティショー2023」に、トラックの自動運転技術開発を手がけるTuSimple JAPAN(トゥーシンプルジャパン)が初出展した。同社はカリフォルニア州サンディエゴに拠点を置くTuSimple Holdings(トゥーシンプルホールディングス)の日本支社。展示ブースではアメリカで実施された世界初の完全無人走行テストの様子や、自動運転トラックビジネスに向けた応用例などの実績を動画で案内した。
また、今年1月にスタートした東名・新東名高速道路での自動運転トラックによる走行テストの最新情報を公開するとともに、東京・名古屋間のレベル4相当の自動運転トラックの実証実験に成功したことを紹介。いすゞ自動車グループのUDトラックスなど国内の自動車メーカーでも大型トラックを使ったレベル4の自動運転に成功しているが、東名・新東名での実験は日本初となる。走行テストは厚木南IC~豊田JCTまで、累計4万1605㎞で実施。同区間の約270㎞の自動運転走行の映像もYouTubeで公開している。
東名・新東名高速道路(厚木南IC~豊田JCT)での走行テスト動画
夜間や天候に左右されない独自のセンシング技術を持つ
TuSimpleの持ち味のひとつは、独自開発のセンシング技術にある。例えば「マルチセンサフュージョンシステム」は、対象までの距離を測定するLiDAR(ライダー)やカメラセンサーなどを組み合わせることで周囲360°の車両認識が可能。明かりの少ない夜間やトンネル、風雨などの天候にも左右されない。前方はカメラとAI技術の融合によって最大1000m先まで認識でき、余裕のある走行経路と確実な制御を実現する。
物流業界の「2024年問題」に向け開発が加速している
2024年からは、完全無人自動運転トラックの走行テストを実施予定。東京と名古屋にある物流センター間の自動運転トラックの実証実験にも着手する。実際のオペレーションに近い状況での実験を繰り返したうえで自動運転トラックの台数を増やし、本格的な運用を目指すという。経路や速度など、特定の条件のもとでドライバーが不要になるレベル4相当の自動運転トラックは、国内自動車メーカーだけでなく、AI関連のベンチャー企業も多く参入して技術を競っている。高速道路の自動運転をめぐっては、政府が2024年度にも新東名の静岡県内の一部区間に自動運転の専用レーンを設け、レベル4に対応する自動運転トラックの実証運行を開始する方針を示している。
物流業界では2024年以降にドライバー不足が懸念されているだけに、幹線輸送向けの自動運転トラックの開発や交通インフラの整備が急ピッチで進むことが期待されている。
昼間の交通渋滞時での自動運転テスト走行のモニター画面。複数のカメラやセンサーを駆使して交通状況を把握し、常に安定したレベル4相当の自動運転に成功。
2024年からは東京の物流センターから名古屋の物流センターまでの自動運転の実証実験のほか、東京・大阪間での自動運転走行実証実験に着手する予定とのこと。
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