写真=長谷川工業

ドライバ―の立場からみた、特定小型原付電動キックボード解禁で変わること4選

2023年6月30日までは主に原動機付自転車(原付)として登録されている電動キックボード。改正道路交通法の施行により、2023年7月1日からはこれに加えて特定小型原動機付自転車(特定小型原付)という新規格がお目見えする。特定小型原付の電動キックボードの登場は、ドライバーの立場からみると、どのように変わるのか。4つのポイントを解説する。

目次

ポイント1 免許なしで乗車可能

特定小型原付は、「原付」という位置づけではあるものの、16歳以上であれば原付免許を所持していなくても運転できるようになる。そのため、運転免許を持っている人と比べ、自動車の立場を理解しない状態で運転している可能性があることを覚えておこう。
なお、特定小型原付を示す緑色の最高速度表示灯やベル、ライトといった装備を付け、自賠責保険への加入やナンバー登録が必須だ。

特定小型原付のナンバー

特定小型原付のナンバーの大きさは、縦横10cm。上部には自賠責のシールを貼るスペースがある(写真=長谷川工業)。

ポイント2 最高速度は時速20km。車道通行が原則だが最高時速6kmであれば歩道通行可

一般的な原付バイクは最高速度30kmのところ、特定小型原付は時速20kmまで。自転車に近い速度と思っておくといい。自転車と同様に車道通行が原則になるが、「特例特定小型原動機付自転車」として最高時速6kmに設定し、最高速度表示灯を点滅させた場合には歩道通行ができる。ただし、通行できるのは自転車歩行者道の標識がある歩道に限られ、車道寄りを通行しなければならない。歩行者の通行を妨げる場合は停止する必要もある。

普通自転車専用通行帯がある道路

特定小型原付は、普通自転車専用通行帯がある場合、この部分を通行することになる。

自転車歩行者道の標識がある歩道

写真のように、自転車歩行者道の標識がある歩道は、特例特定小型原付であれば例外的に歩道を通行できる。

ポイント3 交差点の右折は必ず2段階右折

従来の原付バイクは、3車線以上ある道路から右折する場合(標識で禁止されている場合を除く)2段階右折をするルールになっているが、特定小型原付は自転車と同様にすべての交差点で2段階右折を行うことになる。右のウインカーをつけている特定小型原付がいたら、2段階右折をするかもしれないということを念頭に置いて運転すること。

ポイント4 「自転車可」の補助標識があれば、一方通行の逆走も可

一方通行の道路で、標識の下に「自転車を除く」の補助標識がある場合、自転車は一方通行を逆走できる。7月以降、補助標識にある「自転車を除く」「自転車通行可」は特定小型原付にも適用されるため、車で一方通行の道路を走行中、電動キックボードが向かってくるということも7月以降は起こることを想定しておきたい。

「自転車を除く」という補助標識がある、進入禁止の標識。特定小型原付の進入も可能になる。

「自転車を除く」という補助標識がある、進入禁止の標識。特定小型原付の進入も可能になる。

特定小型原付は実際どうなの? 試乗してみた

特定小型原付のキックボードが解禁になる直前の6月27日、YADEA社の電動キックボードの新モデル「KS5 PRO」の発表会で、試乗する機会に恵まれた。特例特定小型原付にあたる時速6kmと、車道を通行する場合の時速20kmのどちらでも試乗を行ったところ、屋内の整った路面環境下ではあったが6km以下の速度でも気になるようなぐらつきはなく、安定して走行できた。20kmも同様に安定性は高い。自動車と同様ルールを守り、「急」のつく行為は避け、先を読んだ運転をすることが安全運転のカギになりそうだ。

KS5 PROの外観。

緑色の最高速度表示灯は、時速20kmで走行時は点灯し、時速6kmで歩道を走る場合は点滅して速度を抑えていることを周囲に伝える。KS5 PROは専用サイトや自転車専門店、ホームセンターなどで販売予定。

特定小型原付であることを示す速度表示灯がハンドルの両端に付き、ウインカーのランプを兼ねている。

特定小型原付であることを示す緑色のランプがハンドルの両端に付き、ウインカーのランプを兼ねている。バックミラーの装着も任意となっているため、駐車車両を側方通過するような際は、事前に振り返ってしっかり後方確認を(写真=長谷川工業)。

実際の公道では路面が荒れていたり、歩道と車道との段差に車輪が取られたりと、ヒヤリとする場面も出てくるであろう。特定小型原付の電動キックボードに乗る際は、思わぬ事故やトラブルから身を守るためヘルメットは必ず着用すべきだ。一時停止や左側通行など、車両のルールも守らなければならない。自動車側は、上記の4つのポイントを頭に置き、新しい乗り物の動きに注意して運転する必要がありそうだ。

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