日本で唯一。日の出町のトレーラーバスが2023年3月で運行終了へ
全国で唯一運行されているトレーラーバス、西東京バスの「青春号」が2023年3月31日で運行を終了することになった。
営業運転にはレアなけん引第二種免許が必要
トレーラーバスとは、運転席を備える牽引車(トレーラーヘッド)が連結した客車(トレーラー)を引いて走る大型バスのこと。戦後復興を担う通勤通学客の大量輸送を主な目的に、昭和20年代から30年代に普及した。牽引車と客車を連結器でつなげる「セミトレーラー式」は、長い車体の割に小回りが利くなどの利点があり、都市部の公共交通として多くの鉄道系バス会社が採用したが、通常の路線バスの大型化によって運行台数は徐々に減少している。
全国で最後の1台のトレーラーバスとなっていたのが、JR武蔵五日市駅(東京都あきる野市)と「つるつる温泉」(東京都日の出町)を約20分で結ぶ路線バス「青春号」。1996年の開始以来、観光客や登山者に長く親しまれてきた。名称の青春号はつるつる温泉の「生涯青春の湯」という施設名に由来し、蒸気機関車を連想させる外観から「機関車バス」とも呼ばれる。
3月で運行を終える「青春号」。牽引車は全長6070×全幅2320×全高2590mm、客車は全長7960×全幅2490×全高3180mm。排気量6,403ccの直列5気筒ディーゼルエンジン(J07E型)を搭載する。
現行の青春号はセミトレーラー式で、約16年前に導入された2代目だが、近年は車両の老朽化にともなって故障が頻発。交換部品の確保も難しくなり、運休日数が増えたことで終了が決まった。
ただし、同路線は中型路線バスで運行を継続。つるつる温泉までは「緑がまぶしい山々と平井川の豊かな自然を満喫できる道のり。ぜひ訪れていただきたい」と、西東京バスでは引き続きの利用を呼び掛ける。
運行終了後の青春号は、西東京バスから所有者である日の出町へ返却される。車体の保存や展示など、今後は未定だ。3月26日には、ラストランを前にお別れイベントが開催される予定で、臨時ダイヤでの運行や記念グッズの販売などが行われる。
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