自動車整備技術で日本一に挑む! 自動車整備技能競技大会の舞台裏
広告:一般社団法人日本自動車整備振興会連合会

自動車整備技術で日本一に挑む! 自動車整備技能競技大会の舞台裏

安心・安全を支える自動車整備士たち【第1回】

今日も安心してクルマで出掛けられる!そんないつもどおりのカーライフを支えてくれているのが自動車整備士たちだ。その整備士たちが日頃より培ってきた技能・技術を競い合う「第24回 全日本自動車整備技能競技大会」(主催/一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会)が2024年11月30日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された。

目次

自動車整備士たちのオリンピック

この競技大会は1977年より、2年に一度、定期的に開催されてきたもので、第24回大会には全国から47チーム・94人が参加。その中で優勝を果たしたのは、北海道北見地方の代表として参加した廣井晃彦さん(湧別町農業協同組合 車輌整備工場)と、佐々木昭弘さん(清里町農業協同組合 農業機械センター)のチーム。実は北見地方の代表が優勝するのは今回で3回目。1977年の第1回だけでなく、2011年の第18回大会にも優勝を果たしているのだ。

求められる総合的なちから

アドバイザー競技、点検箇所や故障箇所などの整備結果をお客様に説明

アドバイザー競技では、点検箇所や故障箇所などの整備結果をお客様に説明する。制限時間が迫る中、焦らないことが重要だという

この競技大会が開催される目的は、自動車整備の重要性と教育訓練、技能錬磨の姿勢を広く社会に披露する役割を担う。基本的に各都道府県(北海道は7地域)単位で予選などを通して選ばれた整備士等が2人一組となって参加する。競技は、90分の制限時間内で「実車競技」「基礎競技」「アドバイザー競技」の3つについて採点される。

このうち最も実践的な自動車整備の技術力が試されるのが「実車競技」で、1年定期点検(日常点検を含む)を行いながら、設定された故障箇所を見つけ出し、それらをいかに正確に対処できるかを競う。
「基礎競技」では自動車の点検整備に必要な一般的な技能について審査される。
また、「アドバイザー競技」では、顧客から不具合箇所等を聞き出す問診と納車時の整備内容に関する説明を行い、顧客対応についても審査の対象としている。

つまり、競技大会では単に整備技能や技術の高さだけを競うのではなく、顧客とのコミュニケーション能力までも整備サービスの一環として評価の対象としているのが、「全日本自動車整備技能競技大会」ならではの特長となっていると言えるだろう。

緊張とプレッシャーの間で

故障設定箇所を見つけ出す

制限時間内に全ての故障設定箇所を見つけ出し、どう対処できるかが競技では試される。二人で役割を分け、息の合った対応が競技に活かされた

今回の大会で競技車両として用意されたのは日産「ノート」。ハイブリッド車が新車販売台数の半数を占めるようになるなど、電動化への流れが加速している状況を踏まえ、今回はe-POWERを搭載する「ノート」が選ばれたようだ。会場となった東京ビッグサイトのホールには計25台(予備車両含む)が並べられ、出場した47チームがAブロックとBブロックの2つに分かれて競い合った。

自動車整備の競技大会というと、何となく地味なイメージを抱きがちだが、会場には各地域の自動車整備振興会関係者や、出場者の家族・同僚など“応援団”が駆けつけ、横断幕や幟で想像以上に華やいだ雰囲気。しかし、ひとたび競技が始まれば場内は静まりかえり、整備する作業音だけが響き渡る。それだけに競技参加者にとっては、終了の合図が鳴るまでは緊張の連続だったに違いない。

優勝者の舞台裏

優勝が決まった瞬間

優勝が決まった瞬間。二人は立ち上がって喜びを分かち合った

表彰式で優勝旗を受け取る佐々木昭弘さん

表彰式で優勝旗を受け取る佐々木昭弘さん。初めての出場で優勝という偉業を成し遂げた喜びをかみしめていたはずだ

さて、ここからは、北見地方に10数年ぶりに優勝という錦を飾ったお二人に、まずはその感想から伺っていきたい。

清里町農業協同組合 農業機械センターの佐々木昭弘さん

清里町農業協同組合 農業機械センターの佐々木昭弘さん

初めての競技大会出場となったのが佐々木さんだ。それだけに競技中は緊張の連続だったそうで、「優勝の結果を聞いてもなんかフワフワとした感じですぐには実感が湧いてこなかった」そうだ。「実感が湧いてきたのは翌日になってからのこと。一晩寝て目が覚め、ようやく緊張が解けて優勝をかみしめることができた」と振り返る。

湧別町農業協同組合車輌整備工場で作業する廣井晃彦さん

湧別町農業協同組合車輌整備工場で作業する廣井晃彦さん

一方の廣井さんは23回大会に続いて2回目の出場。少しは余裕が出て臨めたかと思いきや、実際はその逆だったようだ。「(競技大会の)空気はわかっていたけれども、前回の振るわなかった記憶が蘇り、再びうまくいかなかったらどうしようという負のオーラが先行してしまった」という。しかし、結果は「まさかの優勝。これにはビックリして(最初は)信じられなかった」と話す。

廣井さんが23回大会に出場したのは、1級小型自動車整備士の資格を取得したタイミングだったという。その際にペアを組んだのが同じ職場の方で、しかも2回続けて競技大会に出場した経験者だったそうだ。つまり、競技大会未体験だった廣井さんにとっては最高の条件下での出場だったはずだが、残念ながら結果は振るわず。そんな中での2回目の挑戦となったわけだ。

さらなる高みを目指して

では、優勝に結びついたことについて、その勝因はどこにあったのだろうか。廣井さんは「前回での経験から反省点はあり、それを踏まえた上での整備作業に取り組んだのが良かったのかもしれない」と話す。一方、佐々木さんもそんな廣井さんの様子に、「練習初日から担当分けをして、どう作業を進めればいいのか、不要な作業をカットしたり手順を進めるのがとにかく早かった」と、経験者ならではの頼もしさを感じていたようだ。

北見へ戻って優勝の喜びを語ってくれた廣井晃彦さん(左)と、佐々木昭弘さん(右)

北見へ戻って優勝の喜びを語ってくれた廣井晃彦さん(左)と、佐々木昭弘さん(右)

そうして勝ち取った北見チームとして3回目の優勝という栄誉。佐々木さんによれば、次回の競技大会へ参加を希望する後輩がすでにいるということで、二人はこれまでの経験を後輩に託し、4回目となる優勝を北見にもたらすことを目論んでいる。優秀な自動車整備士が巣立つ地として、北見の名が全国に知られるようになる日も近いのかもしれない。

次世代の若手へ、培ったノウハウを伝授していくと佐々木昭弘さん(左)

次世代の若手へ、培ったノウハウを伝授していくと佐々木昭弘さん(左)

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