新時代eモータースポーツUNIZONEを総括|モータースポーツコラム

初代チャンピオンに輝いたのは名古屋OJA! Eモータースポーツ「UNIZONE 2025」シーズン総括

武藤壮汰選手がドライバーズチャンピオンに! ルール変更で激戦となった初年度リーグの全貌

JAF公認Eモータースポーツリーグ『UNIZONE(ユニゾーン)』の最終戦が9月23日に行われ、年間5戦の総合結果からチームチャンピオンは名古屋を拠点とする「名古屋OJA」が獲得し、プレイヤー個人のポイントで競うドライバーズチャンピオンには武藤壮汰選手が輝いた。初の正式リーグ戦となった2025年の結果と今後の展望をレポートしよう。

目次

名古屋OJAのチームチャンピオンが確定!

リーグ初年度となったUNIZONEは、ラウンドごとにレース内容やルールに変更を加え進行していったが、第4戦からは「セミ耐久レース」が廃止され、短期決戦の「スプリントレース」を複数回行って勝敗を決める方式となり、最終戦も同様の形式で行われた。

最終戦を前にして、すでにチームチャンピオンの座を手中に収めていた名古屋OJA(おうじゃ)だったが、最終戦では他チームの選手が奮闘を見せ、予選で最速タイムを記録し、第1レースの勝者となったのは群馬ダイヤモンドペガサスの小此木裕貴選手。

続く第2レースではSaishunkan Sol熊本の黒沢和真選手、第3レースでは遠州ハママツモータースの百瀬翔選手と、レースごとに異なるチームが勝利を挙げる接戦状態となった。名古屋OJAがこの最終戦でトップチェッカーを受けたのは、第4レースの小出峻選手の1勝のみ。第5レースでは東京ヴェルディの佐々木光選手が初優勝を遂げた。

しかしながら、年間チームチャンピオンの座は名古屋OJAで揺るがず決定。ドライバーズチャンピオンも、常にトップ3に食い込んでいた武藤壮汰選手が輝く結果となった。

初代チャンピオンに輝いた武藤選手と名古屋OJAのメンバー

初代チームチャンピオンに輝いたのは開幕から圧倒的な強さを見せた名古屋OJA。ドライバーズチャンピオンはその中心となる武藤壮汰選手(写真右から2人目)

チーム2位に輝いたのはSaishunkan Sol熊本。最終戦の第2レースでは黒沢和真選手(写真中央)が見事な走りでシリーズ初優勝を飾った

チーム2位に輝いたのはSaishunkan Sol熊本。最終戦の第2レースでは黒沢和真選手(写真中央)が見事な走りでシリーズ初優勝を飾った

最終戦が行われた東京ヴェルディの東京会場。レース実況のほかトークショーなども行われファンと選手やチームが一体となって盛り上がりを見せていた

最終戦が行われた東京ヴェルディの東京会場。レース実況のほかトークショーなども行われファンと選手やチームが一体となって盛り上がりを見せていた

リバースグリッド制などの導入で面白さが格段にアップ!

東京ヴェルディレーシングの木村偉織選手のレーシングシーン

初年度ということもあり、さまざまなルール変更も行われた。リバースグリッド制もそのひとつ。導入により一段と白熱したバトル展開が見られるようになり盛り上がりに貢献。写真は東京ヴェルディレーシングの木村偉織選手

リーグ初年度のUNIZONEは、もとより国内最強のiRacingプレイヤーとされてきた武藤選手と、実車でトップカテゴリーのレースに参戦しながらもiRacingでのプレイ能力にも長けている小出選手のタッグを実現した名古屋OJAを、どのチームが止めるのか? というのが最大の見どころとなっていた。

開幕から第3戦まで名古屋OJAの連勝でシーズンが進み、実質的に対抗できたチームはいなかったと言わざるを得ない圧倒的な強さを見せた。そんな中で流れが変わったのは、第4戦以降の「セミ耐久レース」の廃止と「リバースグリッド制」(予選の順位とスタート位置を逆にする方式)や「SNSでのグリッド投票」などの導入だろう。

最終戦を除き、名古屋OJAのエース武藤選手がすべてのラウンドで予選ポールポジションを獲得しており、第3戦までは小出選手との先行逃げ切り作戦で盤石なレース運びをしていたが、第4戦以降は後方のグリッドからのスタートを余儀なくされ、さらに周回数の少ないスプリントレースでは追い上げが間に合わず、時として接触によるペナルティを受ける場面もあった。

名古屋OJA勢が後半戦で苦戦を強いられる一方、前半戦は後塵を拝していたチームから勝者が生まれ、HOME&HOME形式のUNIZONEでは特に各地域拠点での盛り上がりに貢献したルール変更となった。その一方で、トップリーグとしてエンタメ要素に振ったこの変更が正しいのかという疑問も浮上したUNIZONEの初年度だった。

2026年は参加チームの増加による盛り上がりに期待!?

名古屋会場で行われた最終戦の様子

HOME&HOME形式での開催が主となったUNIZONE初年度。本戦のレース以外にも各拠点で独自の企画が行われるなど、ファンを盛り上げる施策が毎ラウンド試されていた

年間5戦のシーズン初年度を終えたUNIZONEだが、各ラウンドでルールやレースフォーマットに変更があったように、まだまだ競技大会として固まり切っていないことは否めない。この経験を基に、選手や観戦者にもわかりやすい「UNIZONEフォーマット」の確立が、来季に向けての急務と言えるだろう。

参戦チームについてはまだ情報がないが、実はUNIZONEに参戦可能ながらチームに所属できていない「UNIZONEライセンスホルダー」が、現時点で17名もいる状態となっている。5チーム・16名が参戦していたUNIZONE初年度だが、同じ数のチームが追加参戦できるだけのドライバーが控えているため、チーム増加による大会の盛り上がりに期待したいところだ。

また、各チームの拠点をオンラインでつないでレースを行う「HOME&HOME形式」は、Eスポーツならではの利点。選手とファンの距離の近さや全力で推しを推せる環境作りという点で、UNIZONEが生んだユニークなモータースポーツの楽しみ方と言える。来季以降の参戦チーム増加による「HOME&HOME形式」の浸透にも大いに期待したい。まだ成長段階と言えるUNIZONE。課題が見えた分、2026年の動向が楽しみだ。

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