モータースポーツコラム

2024年のF1日本GPは初の春開催! シーズン序盤の拮抗したレース展開が楽しめる!?

鈴鹿サーキットで開催されるF1日本GP(グランプリ)の観戦ポイント

2024.03.21

文=柴田久仁夫/写真=Red Bull Media House

2024.03.21

文=柴田久仁夫/写真=Red Bull Media House

1976年の初開催以来、最高峰のモータースポーツイベントとして多くのファンを楽しませてきたF1日本GP。2024年は初めての4月開催。例年のようなチャンピオンシップのかかった白熱のバトルは見られないが、序盤戦ならではの拮抗(きっこう)した展開が予想される。唯一の日本人ドライバー、角田裕毅(つのだ・ゆうき)選手が表彰台に立つ可能性も……!?

過去最多となる全24戦、2024年は僅差の争いが続く!?

2024年のF1世界選手権は、全22戦だった昨年から中国とエミリア・ロマーニャの2戦が増え、史上最多となる全24戦が開催される。3月2日のバーレーン開幕戦から12月8日のアブダビ最終戦まで、実に9か月間の長丁場だ。

一方で、全20人の出場ドライバーの顔ぶれは去年の最終戦と同じ。チーム間の移籍もなく、新人のデビューもない。これまた70年以上続くF1で、初めての出来事だ。さらにF1マシンやレース運営に関する規約もほぼ現状維持。そのためチーム間、ドライバー同士の戦闘力は、より拮抗することが予想されている。

実際、初戦バーレーンGPの予選Q1では、タイム差1秒の中に20人がひしめいた。さらに決勝レースではあちこちで激しいバトルを繰り広げつつ、誰一人リタイアを喫することなく全20台が完走を遂げた。2024年はそんな僅差の戦いが、今後も展開されることになりそうだ。

 2024年の開幕戦バーレーンのレースシーン

2024年の開幕戦は、誰もリタイアせず全20台が完走。日本GPを含めた序盤戦は各チームのレベルが拮抗していて激しいバトルが予想される

2024年の開幕戦を制したマックス・フェルスタッペン選手

2024年の開幕戦となったバーレーンでの一戦を制したのは、昨年からの好調をキープしているマックス・フェルスタッペン選手。2024年もチャンピオン候補筆頭の注目選手

序盤の混戦から誰が抜け出すか? 2024年の展開を占う一戦に!?

1976年の初開催以来、日本GPは毎年秋に行われてきた。F1シーズンが後半〜終盤を迎えるタイミングだ。そのため日本GPがタイトル決定の舞台となることも、過去には何度もあった。特にアイルトン・セナとアラン・プロストがライバル争いを繰り広げた1980年代後半〜90年代前半には、1987年から1991年まで5年連続して鈴鹿でチャンピオンが決まっている。最近でも2019年と2023年はコンストラクターズタイトルが決まり、2022年はマックス・フェルスタッペン選手がドライバーズタイトルを獲得した。


それが今季の日本GPは序盤の第4戦、4月上旬の開催となる。当然、タイトル争いとは無縁のレースとなる。では退屈な週末になってしまうかといえば、そんな心配は無用だろう。シーズン序盤には、まだ各チームの力関係は定まっていない。まして今季は開幕戦こそフェルスタッペンだけは頭ひとつ抜けた強さを見せていたものの、2位以下はほぼ団子状態。開幕3戦は市街地や特殊なレイアウトのコースで、マシンの本来の戦闘力をはっきり見極めにくい。一方で鈴鹿サーキットでの戦いは、マシン性能とドライバーの運転技術ともに、非常に高いレベルが求められる。ここで結果を出した選手やチームが、今季の活躍も期待できる。そこが日本GP最大の見どころと言えるだろう。

2023年F1日本GPのスタート風景

F1日本GPは1976年の初開催からずっとシーズン終盤の秋開催だったが、2024年からはシーズン序盤の春開催に。タイトル争いこそ見られないが、序盤の拮抗した争いで何が起こるかわからない展開が予想される(写真は2023年の日本GP決勝スタート)

4年目となる角田選手が表彰台に立つ可能性は十分にある!?

日本人唯一のF1ドライバー角田裕毅選手が、デビュー4年目を迎えた。開幕戦バーレーンGPでは予選11番手から入賞圏内を好走したが、最終的に14位。ノーポイントに終わった。角田の所属するビザ・キャッシュアップ・RBは、王者レッドブルの姉妹チームの位置付けだ。最強のホンダ製パワーユニットを搭載し、前後サスペンションや空力デザインなどをレッドブルから受け継ぎ、2024年はかなりの戦闘力アップが期待されていた。

しかし、開幕戦ではポイント獲得ならず。タイヤ交換のタイミングの悪さや角田本人の運転ミスもあった。だがそれ以上にウィリアムズやハースなど直近のライバルチームとの戦闘力が予想以上に拮抗しているため、わずかな遅れが結果に大きく響いた形だ。

一方で予選では、チームメイトのダニエル・リカルドをしのぐ速さを見せた。リカルドはかつてのレッドブル時代にはフェルスタッペンと互角に渡り合い、2024年の成績次第ではレッドブル復帰も噂されるトップドライバーだ。つまり一発の速さに限れば、角田は上位のレベルにあると言っていい。それでも今のマシン戦闘力では、レースでの入賞は簡単ではない。とはいえ、去年のこのチームはシーズン序盤の低迷から立ち直り、後半にはほぼ毎戦ポイントを獲ってきた。2012年の小林可夢偉以来となる日本人による表彰台獲得の可能性は、十分にあるはずだ。

 2024年開幕戦での角田選手

2024年開幕戦のバーレーンでは、11番手スタートから健闘するも最終的には14位でフィニッシュ。シーズン序盤の乱戦という展開になれば表彰台の可能性も大いにある

イベント盛りだくさんのJAFブースも出展!

JAFブースのイメージ画像

4月4日(木)~7日(日)まで、鈴鹿サーキットのGPスクエアにJAFブースを出展。本格的なレーシングシミュレーターによるeスポーツ体験のほか、スロットカーレースや子ども安全免許証の発行などイベントが盛りだくさん。恒例の会員特典イベント「JAF会員限定抽選会」も予定している。2024年の日本GPは春開催で、レジャーにはちょうど良い季節。レース観戦のついでにぜひ立ち寄ってみよう。

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