JAFロードサービスストーリー

オートマ車を運転中に異音!? アクセル踏んでも進まない!? 原因はトランスミッションの故障

2023.10.07

イラスト=花くまゆうさく

2023.10.07

イラスト=花くまゆうさく

クルマのトラブルがきっかけで生まれる、お客様とJAFロードサービス隊員との間の「ストーリー」。
JAF Mate Online編集部に寄せられたエピソードを毎月ご紹介しています。今月は、オートマチック車運転中に異常を感じ、その後アクセルが反応しなくなったケース。

異常なしと思った矢先に…

ドライブ日和のある日のこと、山口県の福永さんは走行距離約23万㎞の愛車で人気店での昼食や、道の駅、観光スポット巡りを楽しんだ。上機嫌での帰り道、山越えの途中で愛車からの異音に気づき、停車してタイヤ等を見てみたが、どこにも異常はない。「気のせいか」と再び出発したが、トンネルを抜けたところで、アクセルペダルを踏んでも滑るような感覚になり反応しなくなった……。 なんとか​​​​​​​愛車を制御しながら近くの退避スペースまで移動して、JAFに救援を要請した。

投稿エピソードを基にした4コマ漫画

作=花くまゆうさく 
4コマ漫画は山口県・福永さんのエピソードを基に制作しました。

救援要請は「クルマが進まなくなった」という内容でした。事前に状況を伺うとともに、安心してお待ちいただけるようコミュニケーションをとりながら、到着予想時刻などをお伝えしてレッカー車で向かいました。

現場は峠道で、福永様はトンネルを抜けたところでアクセルが利かなくなったものの、近くに退避スペースがあったので無事にクルマを停車させることができたようです。作業は、ボンネットを開けてエンジンルームをひと通り点検し、続いてタイヤなどの外回りも点検しましたが、異常はありませんでした。

そこで、エンジンを始動しシフトをDレンジに入れてサイドブレーキを解除しました。オートマ車の場合、通常はこの状態にするとアクセルペダルを踏まなくても前に進もうとするのですが、その反応はなく、アクセルを踏んでもエンジンの回転数は上がるものの前に進む気配すらなかったので、オートマチックトランスミッション部分が内部破損または故障していることがわかりました。

この場合、整備工場などで詳しく点検してもらう必要があります。このことを福永様にお伝えすると「帰宅してから今後どうするか、知り合いとも相談してから決めたいので、自宅まで運んでほしい」とのことでしたので、レッカー車でけん引してご自宅まで運びました。道中でも、たくさん楽しくお話をさせていただいたことが印象に残っています。(大田良隊員●山口支部)

JAF RESCUE TRIVIA

オートマチックトランスミッション(AT)とは?

エンジンの回転やパワーをタイヤへ伝える大切な役割を担っています。壊れてしまうと走行不能になります。シフトレバーをD(ドライブ)レンジに入れたときや変速時の振動が大きくなったと感じたら要注意です。また、燃費が悪くなった場合も不具合を抱えている可能性があります。

山口支部大田隊員の画像

大田良隊員●山口支部
クルマに関する技術だけではなく、お客様とのコミュニケーションも大切にしています。

故障の予兆や原因とその対策方法は?

シフトレバーをDに入れたときや変速時の振動が大きくなったと感じる場合は、オートマチックフルードが劣化していたり、ギアが摩耗していたりするかもしれません。整備工場で点検をしてもらいましょう。
また、オートマチックトランスミッションの不具合により燃費が悪くなるのは、変速のタイミングが悪くなったり(変速不良)、エンジン出力の伝達効率が悪くなったり(滑りが発生)、と必要以上に燃料を消費してしまうからです。普段から自分のクルマのある程度の燃費を把握しておくと故障の早期発見につながります。最近のクルマは燃費計が標準装備されていますので、給油ごとにリセットをして確認しましょう。夏場と冬場での違い、高速道路を走行したときと市街地走行との違い、アクセルワークによる違いなどを知ることができます。燃料価格が高騰している昨今です。ふんわりアクセルや一定速度を保持するなど、燃費向上のためのエコ運転を心掛けましょう。

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