イラスト=花くまゆうさく

タイヤ交換中にジャッキが外れて大パニック‼

クルマのトラブルがきっかけで生まれる、お客様とJAFロードサービス隊員との間の「ストーリー」。 JAF Mate Online編集部に寄せられたエピソードを毎月ご紹介しています。今月は、タイヤ交換中にジャッキが外れてしまって……。

ジャッキが外れてサスペンションが地面に接触…

左前輪のタイヤ交換をしていた滋賀県の森さん。不安定な場所でジャッキアップをしたため、タイヤを外した際にジャッキが倒れてサスペンションが地面に接触。クルマの下からジャッキを取り除くことはできたものの、これ以上作業できない状態に。どうしたらいいのかわからなくなり、頭の中は真っ白に……。自分ではどうにもできず、JAFへ救援要請した。

投稿エピソードを基にした4コマ漫画

作=花くまゆうさく
4コマ漫画は滋賀県・森さんのエピソードを基に制作しました。

現場周辺は、少し狭い道だったため、レッカー車が他のクルマの通行の妨げにならないよう注意しながら作業を開始しました。まずは、クルマにサイドブレーキがかかっていることを確認し、タイヤに輪止めを設置して動かないように固定しました。

クルマは、ジャッキを設置する隙間がない状態だったので、空気を入れて膨らますタイプのエアジャッキを使用しました。このエアジャッキをクルマの下に置いた後に、レッカー車からホースをつないで空気を送り込み、膨らませて車体を持ち上げ、できた隙間に油圧式パンタジャッキを挿入して設置しました。幸い、地面に接触したサスペンション部分に損傷はありませんでした。

タイヤ交換をする際は、必ずサイドブレーキをかけて、各タイヤを輪止めでしっかり固定してから行いましょう。「輪止めがタイヤの本数分ない」という場合は、クルマの種類にもよりますが、ジャッキアップする箇所の対角線上に設置すると安定します。たとえば右前輪をジャッキアップする場合は、左後輪に設置しましょう。

また、安定した平らな場所で行うことも重要です。「自宅の駐車場はコンクリートだから大丈夫」と思っていても、雨水がたまらないように緩やかな傾斜がついていることも多いため、ジャッキアップした際にバランスが崩れてしまうこともありますので注意しましょう。(伊藤基行隊員●滋賀支部)

JAF RESCUE TRIVIA

ジャッキのタイプはクルマの重さに合わせてさまざま

ジャッキには、車載工具として多くのクルマに搭載されているクルクル回すタイプの「パンタジャッキ」や大型車の整備工場で使用する大きな「油圧式ジャッキ」など、さまざまな種類があり、クルマの重さに合わせて使用します。どのタイプも水平で平らな場所で使用することが重要です。

滋賀支部伊藤隊員の画像

伊藤基行隊員●滋賀支部
お客様とは一期一会。慣れた作業であっても丁寧に行っています。

油圧式ジャッキはメンテナンスが必要

ご自身でスタッドレスタイヤに交換する人の中には、油圧式のジャッキを持っている方も多いと思いますが、油圧式ジャッキは定期的なメンテナンスが必要です。オイル漏れを起こしている場合はジャッキアップ中に下がってしまう危険がありますので、使用を中止しましょう。また、半年近く保管してあったタイヤは空気圧が下がっている可能性があります。普段と見た目が変わらなくても、必ず空気圧をチェックするようにしましょう。さらに、ナットの締めすぎも良くありません。ボルトを痛める危険があります。JAFでは、トルクレンチを使用して、適正な力で締め付けをしています。タイヤ交換は、無理をせずプロに依頼することをおすすめします。

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