イラスト=花くまゆうさく

順風満帆と思いきや、タイヤの異変に気づいて…

城跡巡りを計画し、連休を利用して愛車で出かけた群馬県の園田さん。初日に新潟県まで移動して登山を楽しみ、翌日の日程にワクワクしながら眠りについた。起床後、後輪の空気が抜けていることに気づき、朝早く申し訳ない気持ちでJAFに救援を要請。計画を断念せざるを得ないかと心配したが、無事、城跡のほかに神社も巡ることができて大満足だった。

投稿エピソードを基にした4コマ漫画

作=花くまゆうさく
4コマ漫画は群馬県・園田さんのエピソードを基に制作しました。

「タイヤがパンクし、スペアタイヤは持っていない」とのことでしたので、搬送することを考えて、クルマを積載できるキャリアカーに乗り換えて向かいました。救援現場の駐車場は広く、早朝ということもあって他のクルマは数台しかいなかったので、作業スペースは十分に確保できました。

タイヤの状態は、空気が半分しか入っていないぐらい凹(へこ)んでいて、パンクであることは一目瞭然でした。園田様にこの後の予定などを伺いながら、損傷箇所や程度を確認するためにタイヤを外し、くまなく点検してみると、直径1mm×長さ1cm程度の針金のような細い釘(くぎ)が刺さっていました。タイヤの内部やサイドウォール(側面部)への影響はなく、損傷が最小限で済んでいたため、応急処置が可能だと判断しました。そのことをお伝えすると、園田様も希望されましたので、タイヤの外側から修理剤を埋め込み、穴を塞(ふさ)ぐ応急処置を行いました。

今回は、タイヤの異変を早期に発見し、異物が刺さったまま走行しなかったので、損傷が広がることなく応急処置で対応できました。定期的な空気圧チェックはもちろんですが、走行前にタイヤの状態を目視することも大切です。乗車する際、運転席側は気づきやすいとは思いますが、助手席側も忘れずに確認しましょう。
(野澤飛雄隊員○新潟支部)

JAF RESCUE TRIVIA

パンクしたら自分で応急修理は簡単にできる?

最近はスペアタイヤではなく、パンク応急修理キットが搭載されているクルマが増えています。このキットは、使い方にコツが必要です。いざというときに慌てないように、事前に取扱説明書を読んでおくといいでしょう。JAFユーザーテストでも実験を行っています。参考にしてみてください。
パンク応急修理キットでどこまで修理できる?(JAFユーザーテスト) | JAF

新潟支部野澤隊員の画像

走行前には、タイヤに傷がないか、異物が刺さっていないかをチェックするようにしましょう。
野澤飛雄隊員〇新潟支部

自分で空気圧チェックをする際のポイント

パンクを防止するために、定期的な空気圧の点検は必要です。ご自身で行う際には、いくつかのポイントがあります。まずは、ご自身のクルマの規定空気圧を知りましょう。運転席ドアの内側やピラー(支柱)周辺にシールが貼ってあり、指定値が記載されています。また、正常なタイヤの状態や接地面のたわみ具合を覚えておきましょう。

そして、月に1回程度はガソリンスタンドなどに置いてある空気圧チェッカーで点検しましょう。指定値に合わせるコツは、少し多めに空気を入れ、減らしながら調節することです。

測定した際に、数値が大きく低下している場合は、空気漏れを起こしているかもしれません。また、タイヤのたわみが大きかったり潰(つぶ)れていたりする場合は、パンクしている可能性があります。無理にそのまま走行するとタイヤ側面を傷め、修理ができなくなります。安全な場所にクルマを止めて救援を要請してください。

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