残雪が凍って愛車が立ち往生! 進退両難、身動き取れず…
寒かった冬が終わろうとしている3月上旬の夕方のこと、青森県にお勤めの北山佳子さんは、帰宅するために職場の駐車場から愛車を発進させようとした。ところが、タイヤは滑ってズルズルと後退! 慌てて前に進もうとしても前輪が空回りして、にっちもさっちもいかない状態に……。車の後ろは柵(さく)のない用水路! このままでは用水路に転落してしまうと思った北山さんは、JAFに救援要請をおこなった。
作=花くまゆうさく
4コマ漫画は青森県・北山佳子さんのエピソードを基に作成しました。
救援に向かう前に北山様に状況をうかがい、到着までのおおよその時間をお伝えしました。現場に到着して駐車場の路面状態と周囲の状況や車の下回りなどを確認すると、後方の用水路側に向かって傾斜がついている坂道であることが分かりました。万が一後退してしまうと用水路に転落してしまうおそれもありましたので、安全かつ確実に脱出させるためにロードサービスカーのウインチで車を前方に引っ張り、安全な場所まで移動させて事なきを得ました。
冬季のこの地域では、昼間は雪がないように見えても、気温が低下する夕方には溶けかけていた雪が再び凍りつき路面がツルツルになるということがよくあるので、車種や駆動方式にかかわらず「雪で立ち往生した」という救援要請が多くあります。意外に思われるかもしれませんが、四輪駆動車も例外ではありません。凍った路面が原因で立ち往生してしまったときは、砂をまくと滑り止め効果を発揮することがあります。
冬季は、いざというときのために鉄のスコップと、タイヤと路面の間に挟む板などの脱出用具も常備しておくと安心です。ただし、使用時には十分な注意が必要です。雪道の運転に慣れていても、過信することなく、車間距離をとり、速度は抑え、「急」な運転操作は避けて、安全運転を心掛けましょう。(髙木隊員)
JAF RESCUE TRIVIA
JAFの隊員が使用する長靴は特殊なものなの?
JAF隊員が使用する長靴の中には、オレンジ色のものがあります。この長靴は万が一の感電時に備えて、耐電仕様になっており、先端には樹脂製の芯が入っている安全靴でもあります。靴底には踏み抜き防止インナーソールを装備し、安全性を確保した優れた雨靴です。
冬季の路面状態は気温の低下とともに大きく変わりますのでご注意を!
髙木文則隊員〇青森支部
雪道でも四輪駆動車ならノーマルタイヤで大丈夫?
積雪路面での走破性を駆動方式で比べると、当然、四輪駆動車が最も高くなります。しかし四輪駆動車だからノーマルタイヤでも大丈夫ということではありません。ブレーキの利き具合や操舵(そうだ)に駆動方式はあまり関係なく、タイヤのグリップ力が重要になります。ノーマルタイヤで坂道や峠を上れたとしても、下りや傾斜のついたカーブは危険です。事故につながる可能性も非常に高くなりますので、冬用タイヤへ履き替え、タイヤチェーンも必ず用意しておきましょう。
JAFのレッカー車は後輪駆動です。「ダブルタイヤ」といって後輪の左右に各2本、計4本のタイヤがあるのですが、地域によって2本のうち1本のみにチェーンを装着する場合と、ダブルタイヤ専用のものを装着する場合があります。当然、ダブルタイヤ専用のほうが強く路面を捉えますが、着脱は非常に大変です。少しでも迅速にお客様の元へ向かうため、JAFの隊員はレッカー車へのチェーン着脱訓練もおこなっています。
●JAFは雪や凍結に関するさまざまな実験検証をおこなっています。詳しくは下記をご確認ください。
雪/凍結(JAFユーザーテスト)
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