日が暮れる山間のゴルフ練習場で鍵が見当たらずに途方に暮れる……
東京都の北澤仁さんは、70年代のノスタルジックカーを愛好し、約50年間乗り続けている。その走行距離は、なんと約40万km! 全国各地を共に巡った相棒だ。その日も、愛車でドライブがてら山間のゴルフ練習場に出掛けた。一汗流してゴルフバッグなどの道具をトランクルームにしまい、帰り支度を整えて、車に乗り込もうとすると……鍵がない。道具のそばに鍵の束を置いたままトランクを閉めてしまったことに気づいた。
北澤様から救援要請を受けて、基地から現場へ向かいました。現場のゴルフ練習場は山間にあり、基地からの距離もあったので、少し時間はかかりましたが、夕方4時頃に到着しました。
トランクルームにゴルフバッグをしまう際、鍵をそばに置き忘れたまま閉めてしまったことをお聞きした後に、専用の工具で鍵開け作業を行いました。
普段から、救援時には車体を傷つけないように注意していますが、北澤様のお話をうかがうなかで、お車に対しての愛着や長年とても大切にされている様子が伝わってきましたので、いつも以上に慎重に作業を行いました。
その日は天候も良く、安全を確保できる駐車場での作業でしたので、周辺はうす暗くなってきていましたが、比較的スムーズに進められたと思います。
リモコンキーやスマートキーなど、どのようなタイプの鍵であっても、上着や荷物などに入れたまま、うっかり車のドアをロックしてしまった……というお客様も少なくはありません。常日頃から鍵は手元に置いて、ドアやトランクを閉める前には、鍵を持っていることを確認する癖をつけておくことが、キー閉じ込みの防止策として有効です。(松本隊員)
JAF Mate 2022年2・3月号掲載
JAF RESCUE TRIVIA
キー閉じ込みの救援に備え、JAFがしていることは?
キー閉じ込みの救援要請件数は減少傾向にありますが、新しい車ほど解錠の難易度は高くなる傾向にあります。そのため、JAFでは新旧を問わず国内外のメーカーのさまざまな車のキー閉じ込みに対応できるように、日頃から隊員は解錠の訓練を行って、技術の向上に努めています。