周囲が暗くなってきた時間帯に、よもやのバッテリー上がりで大慌て!
師走のある日、平田三枝子さんは娘さんの用事のため愛車を走らせた。娘さんを降ろした後、エンジンを停止し、ハザードランプを点けて待っていたが、用事が思いのほか長引くので、時折、エンジンをかけたり、車を移動させたりしていた。娘さんが戻ってきたので、エンジンを再始動させようとしたが、セルモーターが弱々しく回るのみ……。周囲はだんだん暗くなり、不安な気持ちでいっぱいになりながらJAFへ救援要請を行った。
現場で平田様にお話を伺うと、慌てて何回もセルモーターを回してしまったことに加え、その前にもエンジンの始動・停止を繰り返していたとのこと。バッテリーをチェックすると、電圧が極端に低下していました。バッテリー本体が劣化し、どうやら寿命を迎えていたようです。
ジャンプスタートでエンジンを再始動させ、なんとか帰宅していただくことも可能でしたが、平田様は翌日の早朝から車を使用したいと希望されていたので、バッテリー交換を提案しました。
バッテリー交換は電装品を保護するため電源のバックアップを取り、バッテリーのターミナルを外しても通電状態が保たれるようにして作業を行います。その際の注意点はショートの防止です。プラスターミナルが他の金属に触れると、ヒューズが飛んだり、電装品に悪影響を与えたり、車両のECUが破損し走行できなくなる場合もあることから、絶縁対策をしっかり行いました。
今回、平田様から「現在地をうまく説明できなかった」と伺ったので、便利なJAFアプリのインストールをお手伝いさせていただきました。救援要請と一緒にGPSで現在地の通知ができるので、ご活用ください。(松本隊員)
JAF Mate 2021年12月号掲載
JAF RESCUE TRIVIA
寿命を左右するバッテリーに負担がかかる使用方法とは?
車の使用方法によってバッテリー交換時期が早くなる場合があります。主な原因は、「頻繁な近距離使用」。エンジン始動時に使用した多くの電力を充電しきる前にエンジンを止めることを繰り返すと、慢性的な充電不足に。鉛バッテリーは充電不足の状態が続くと内部劣化が早まり、寿命が縮んでしまいます。