イラスト=花くまゆうさく

楽しかったツーリングの帰り道、エンスト後に再始動できず……

社会人1年目に二輪免許を取得し、バイク歴3年となる大江咲さん。一人で走るときは取り回しのよい250ccバイクに乗り、複数でのツーリングや遠出のときには大型をレンタルするなど使い分け、バイクライフを謳歌しているとか。 250ccバイクでツーリングを楽しんだある日の帰り道。前方の車が急ブレーキを踏んだので、ギアを落として減速したところエンジンが停止。その後、なぜか再始動できなくなってしまった……。

楽しかったツーリングの帰り道、エンスト後に再始動できず……

4コマ漫画は、岡山県・大江咲さんのエピソードを基に作成しました。

救援現場へ向かう前に、お客様に連絡する「安心コール」を行います。状況確認のほか、バイクで交通量の多い場所などに停止していると特に危険ですので、路肩への避難など、安全確保をお願いしてから現場へ向かいました。

大江様のバイクはお父様と共用されているというちょっと旧めの250cc。低年式のバイクですとトラブルの原因は多く考えられます。私が一度セルを回したところ、すぐにエンジンを始動できましたが、しばらくすると再びエンストしてしまいました。

キルスイッチの不良ではなく、セルも回ってエンジンがかかったことから電気系や点火系でもなく、経験上で判断すると、燃料系のトラブルのようでした。現場での応急処置が難しく、始動できたとしても再び止まる可能性が高いので、大江様に販売店への搬送を提案させていただきました(後日、燃料ホースのトラブルと判明)。

新旧にかかわらず、ガス欠やバッテリー上がりなど、日常点検や走行前点検で多くのトラブルは防げます。今回の救援は機械式のパーツが多いバイクでしたが、最近のモデルは電子制御が多く、出先でのトラブルに対応できない場合もありますので、販売店での定期点検もお忘れなく。(高田隊員)

JAF Mate 2021年5月号掲載

JAF RESCUE TRIVIA

バイクを倒した後にエンジンがかからないときの対応は?

高田泰宏隊員・岡山支部

バイクは自動車以上に日常点検がトラブル防止につながります。
高田泰宏隊員・岡山支部

転倒や立ちごけの後、電子制御の燃料噴射装置(インジェクション)では、安全のためエンジン始動ができないよう制御されることがあり、この状態でセルを回し続けるとバッテリーが上がる可能性もあります。一度イグニッションスイッチをOFF→ONにしてみると再始動できることが多いので、お試しを。

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