お気に入りのHVでお出かけも交差点で追突の憂き目に……
休暇を取り、友人とお出かけ予定だった永井裕子さん。友人を迎えに朝早く出発し、地元ドライバー御用達の抜け道へ購入間もないHV(ハイブリッド車)を走らせた。信号のない交差点で右折待ちの車の後ろに停止。ふとルームミラーに目をやると後続車が迫る。「止まる……よね? 止まって!!」 だが、永井さんの願いは届かず、後続車が追突。幸い永井さんは無傷だったが、愛車はその場で動けなくなってしまった……。
4コマ漫画は、長野県・永井裕子さんのエピソードを基に作成しました。
救援現場に到着すると、すでに警察が実況見分を行っていました。HVやEV(電気自動車)の事故現場では、必ず絶縁グローブを装着します。これは万一の漏電に備えるためですが、この事故では電気が遮断されていることが確認できたため、通常の作業用グローブでの救援に切り替えました。
まずは永井様の体調を確認。車が動かせず、不安で一杯の永井様に安心していただくことを第一に考えました。
現場の警察官に車両移動許可を得た後、レッカー車で車両を吊り上げて交通量の少ない脇道に移動させ、車体を確認しました。後部のダメージがひどかったものの、足回りの損傷は少なく、押して動かせる状態に見えました。
しかし車内を確認すると、システムエラーで安全装置が働いており、車輪が動きません。電子制御が多い最新モデルでは、事故で安全装置が働くと、シフトがPに入ったまま前後の車輪が動かせなくなるケースがあるのです。
搬送はレッカー車で前後輪を持ち上げる「四輪吊り上げ牽引」で行いました。事故後とはいえ、お客様にとって思い入れのある車ですので、これ以上傷が付かないよう、入庫先に到着するまで、丁寧な作業を心掛けました。(小宮隊員)
JAF Mate 2021年2・3月号掲載
JAF RESCUE TRIVIA
200V以上の電気を使うHV・EV事故の危険とは?
HVやEVの事故の際は感電対策をして作業を行います!
小宮一樹隊員・長野支部
HVやEVは、事故で車体に強い衝撃を受けた際に自動で高電圧回路を遮断するため、感電の可能性は限りなくゼロに近いといえます。しかし破損した車体からオレンジ色の配線が出ていた場合は要注意。高電圧の配線は各メーカー、オレンジで統一されているのです。危険なので絶対に触れてはいけません。
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