EV車のバッテリー上がりで寒風に凍える子供たち……
唐澤守さん親子が買い物を終え、駐車場に戻ったときのこと。愛車のイグニッションスイッチをONにしても、バッテリー上がりで無反応……。季節は真冬、車の暖房は使えず、さらに夜も更けて気温は下がる一方。寒がる子供たちを気にしながら、唐澤さんはJAFに救援要請を行った。 ほどなくJAFロードサービス隊員が現場へ到着。星野隊員は暖かいロードサービスカーの車内に、子供たちを迎え入れた。
今回はEV(電気自動車)のバッテリー上がりによる救援要請で、当初はジャンピングスタートで対応できる見込みでした。しかし車両を確認すると、駆動用バッテリーに問題はなかったものの、12V補機バッテリーの劣化が進んでいたため、交換が必要な状態でした。
夜間でバッテリーを交換できる店は開いておらず、ジャンピングスタートでシステムを起動して帰宅できたとしても、ご自宅で再びバッテリーが上がる可能性が高い。そこで唐澤様には現場でのバッテリー交換をお勧めしました。
バッテリーの交換作業の間、ロードサービスカーの暖房を強めにして、唐澤様のお子様たちには、暖かい車内で待っていただくことにしました。
救援現場でバッテリー交換を行う際は、カラーコーンの配置など周囲の安全対策に加え、電力のバックアップも行います。バッテリー交換時にそのままターミナルを外してしまうと、電力が完全にオフになり、システムやカーナビにエラーが出る可能性があるため、専用機を用いて通電を保持しながらバッテリー交換を行うのです。また、車のグリルやバンパーを傷つけないように布製プロテクターを用いるなど、常に万全を期して作業しています。(星野隊員)
JAF Mate 2020年6月号掲載
JAF RESCUE TRIVIA
EVやHVでバッテリーが上がったガソリン車などの救援は厳禁!
EVやHVとガソリン・ディーゼル車の間で、ブースターケーブルを用いた救援を行う際は要注意。EVやHVの補機バッテリーが上がり、ガソリン車などに救援してもらうのはOKですが、EVやHVがガソリン車などを救援するのはNG。始動時に過大な電流が流れ、EVやHVの回路を破損することがあります。