立ちゴケで折れたのはシフトペダルと私の心
大型二輪免許が教習所で取れるようになり、多くの方がビッグバイクを楽しんでいる。身長150cmと小柄ながら、バイク好きなご主人の影響で免許取得に至った清水友美子さんもそんな一人。夫とともにライディングスクールでスキルを磨く中、スクール主催のツーリングに初めて一人で参加することになったのだが……。
今回のトラブルは停車時にバイクで転倒してしまう、いわゆる"立ちゴケ"ですが、これはビギナーだけでなく、ベテランの方でもやっちゃいますよね。私も32年前に買った国産車に乗り続けていますが、以前、ロングツーリングへ出かけたとき、不意に立ちゴケをして、オイルが漏れたりペダルが折れたりと苦労しました(笑)。当時は自力で修理するのが当たり前の時代でしたが、今はバイクもJAFに救援要請できるようになりました。
清水さまにけがはなく、バイクの傷も少なかったのですが、ご主人にプレゼントされた大事なバイクを倒してしまった心のダメージは大きかったことでしょう。大型連休中で最寄りの修理工場が休みということもあり、「なんとか自走で帰りたい」というご希望でしたので、折れたシフトペダルの応急処置を考えました。いろいろと試して、なんとかギアチェンジができるようにしましたが、この応急処置は耐久性が低いので、発進でも2、3速を使ってなるべくギアチェンジの回数を少なくしてくださいとお伝えしました。帰路は大変苦労されたと思いますが、お礼のお便りをいただき、恐縮です。
バイクで走ると気持ちのいい季節ですが、運行前点検で多くのトラブルを回避できます。タイヤやバッテリーなど、はやる気持ちを抑えて出発前に愛車と向き合うと、安心できますよ。(安藤隊長)
JAF Mate 2019年6月号掲載
JAF RESCUE TRIVIA
バイクのエンジンがかからない! その原因は?
多くのバイクは、エンジンを停止できる「キルスイッチ」をハンドルに備えています。ロードサービスの救援要請では、このスイッチが入ったままでエンジンが始動できなかったケースも見られます。エンジンがかからない場合はあわてずに、まずはキルスイッチが入っていないか、チェックしてください。