テーマトーク：成長しました【3】

最近の若者がよく使っている二次元コードの読み取りに、私も挑戦してみたいとずっと思っていました。

そのためには、スマートフォンが必要ということで、81歳の誕生日に携帯電話をスマートフォンに変更。その後は、何回もスマホ教室に通い、最低限の操作ができるようになりました。

スマートフォンを使い始めて常々思うのは、この年になっても新しいことを覚えられるし、いろいろなことができるんだということです。少し自分に自信がついたように思います。

まだまだ知らない操作がありますので、少しずつ覚えていきたいですし、新しいことを学ぶのは実に楽しいです。今日もスマホと格闘しています。

大きくなるまで本当に手を焼いた、現在38歳の息子の話です。

レンタルビデオ店に行ったときのこと。息子は、入り口の自動ドアが開く前に入ろうとして、自動ドアに激突してガラスが割れて、口の中にけがをしてしまいました。またある日は、息子と言い争いになり、ご近所さんに恥ずかしいほどの大声で叱ることも。とにかく、息子に対して気力・体力を使いきり、毎日ヘトヘトでした。あの頃は我が息子ながら、その行動の一つひとつを理解することが難しく感じるほどでした。

そんな息子も今では結婚し、息子の世話はすべてお嫁さんにお任せしていることもあり、私は穏やかな日々を送っています。先日、息子がポツリと「そう言えば母ちゃん、怒らなくなったね、成長したね！｣ですって。怒らなくなったのは「あなたが成長したからよ」と、言いかけましたがやめておきました。

結婚当初、我が家の年賀状はお店で売っている物を使っていました。子供が産まれてからは、撮影した写真をカメラ店に持参し、その写真を使った年賀状を制作してもらっていました。

その後、自宅で手軽に年賀状を制作できる機器が一世を風靡（ふうび）。その頃は、子供が少し大きくなっていたので、一緒に手作りを楽しみました。

パソコンを買ってからは、CD付きの素材本を使って、年賀状ソフトで制作。現在では年賀状ソフトは宛名書きのみに使用して、裏面はスマホやデジカメで撮った写真をパソコンに取り込んで、自分でデザインしています。

振り返ると、自分もさまざまな方法で年賀状を制作してきましたし、世の中の流れに乗って、機械やパソコンを使っていることに成長を感じます。とはいえ、今後、年齢を重ねて自分で年賀状を制作することが難しくなってきたら、また原点回帰でお店のお世話になってもいいなとも思っています。ただし、私は相手の顔を思い浮かべながら、思いを込めて、自筆で一言書き添えることをずっと続けてきたので、これはずっと継続していこうと思っています。

子供の頃、両親がたまの週末に洋食屋へ連れて行ってくれました。私はいつもカレーライスを注文していたのですが、実はある具材のために、素直においしいと思えないときがありました。

それはカレーに入っているレーズンです。いつも、カレーの中にレーズンが隠れていないかスプーンで探して、あれば取り出し、なければホッと安堵して食べるのが習慣になってしまっていました。

大人になり、多国籍の味を覚えてからは、レーズンだけでなく日本のカレーにはない食材を使ったどんなカレーも、おいしく食べられるようになりました。酢豚に入ってるパイナップルは、あり派・なし派と好みが分かれると聞きますが、私は断然あり派です。入っていないと物足りなく感じるほどです。味覚ってこんなにも変化するものなのですね。

私が成長したなと思うのは、我が子2人でしょうか。

息子は中3となり、髭（ひげ）がうっすらと生え、声も太くなりました。もう小学生の頃とは違うなと感じています。娘は小6になりました。私から見ても大人びてきたなと感じますし、私と一緒に出かけるのを嫌がるようになってきました。子供のころは「パパ、パパ」と何かと近寄ってきてくれていたのに……。

かつて車のチャイルドシートに乗っていた幼い頃の2人を思い出してみると、本当にかわいくて、目に入れても痛くないほどでした。

子供たちの成長はもちろんうれしいのですが、一方でこれからもっと成長したらどうなるのだろうか、どんなことがあるのだろうかと不安な気持ちにもなることもあります。子供の成長に、寂しさや悲しさも感じてしまうのは、親ならではの感情なのでしょうね、きっと。