テーマトーク：私の好きなこと【1】

私が高校2年生のときは、グループサウンズ全盛期。｢俺たちも一旗揚げよう！」と仲間を集め、バンドを結成。しかし、楽器は簡単に手に入れられましたが、練習場所を見つけられず途方に暮れていました。

そんなある日、名案が浮かびました。父親が工場を経営している同級生がいたのです。その同級生に「リードボーカルにするから」と、承諾してもらいやすい誘いを持ち掛け、バンドに引き入れることに成功。練習場所の確保もできました。それからというもの毎日、暇さえあればその工場の倉庫で練習に明け暮れていました。

ところが、いつしかグループサウンズの時代は去り、それと同時に私たちのバンドも自然消滅……。とはいえ、今振り返ってみると、好きなことに没頭していた、そんなあの頃が一番楽しくて輝いていたな、と思う今日この頃です。

私は、子供たちに自筆の手紙を書くことが何より好きです。まだ海外出張が珍しかった頃、父は行く先々から幼い私に手紙を送ってくれたのですが、私も父親になり、父と同じく出張先から3人の子供たちにご当地のポストカードを送るようになりました。

出張先の名所や歴史・グルメを記した「旅行記」でもあり、そのときに感じた子供へのさまざまな思いも記した、いわば20年以上にわたる、我が家の子供たちの「成長記」とも言える内容です。

実は、当時の私の興味が異国情緒漂う各国の切手収集だったために、父からの手紙はどこかにやってしまって、もう手元にないのが残念ですが、私が送ったポストカードは、ファイルに入れて保管しています。将来は孫たちにも読んでもらえるとうれしいと思っています。

30年以上前のことですが、私は休日に家族を連れて、さまざまな場所へよく出かけていました。高速道路ではなく国道を走り続け、信号で止まったり走ったり、砂利道だったり……マニュアル運転を楽しんでいました。そんな私が好きだったのは、国道沿いの商店前に設置してある自動販売機です。飲み物を購入し、ひと休み。まさにドライブ途中のオアシスでした。

ただ、その頃はちょうど商品の値上げがあり、100円で買えていたモノが110円になり、私にとっては10円の差でも高く感じてしまい、自動販売機での飲み物の購入を諦めることもありました。

ところが、国道を進んでいるとコーヒーのみ100円の自動販売機を発見！　そのコーヒーは格別においしく、安いので予備にもう1本買っちゃいました。気分爽快、儲（もう）かった気分。さあ、レッツゴー！　50km程走った頃……アレ？　1,000円入れておつり取ったっけ？　という笑い話も、今となってはよい思い出です。

子供の頃、あまり運動が得意ではなかった私にとって、テレビは最高の友達でした。以来、私にとっては、テレビを見ることがずっと楽しみです。

小学生の頃、カラー放送が始まり、画面には“カラー”とテロップが出るようになりました。ところが、我が家は白黒テレビのままでしたので、テレビに青いプラスチックの板をかぶせてカラーテレビを見ている気分になっていました。その後、家に本物のカラーテレビが来たときには「なんてキレイなんだ！」と子供心に感動しました。
時代は移り変わり、ステレオ放送が始まると、音楽番組の臨場感が満載で、とても華やかに聞こえました。そしてトリノオリンピックが開催された頃だったでしょうか、地デジ対応の液晶テレビを購入したときには、「迫力満点で鮮やか！」とテレビの進化に感動しました。

昨今、若者のテレビ離れが進んでいると聞きます。また、スマホの画面で動画視聴を楽しめる時代にもなりました。私は、進化していくテレビの大画面で、ドラマやスポーツを楽しみたいなと思います。

退職して9年、囲碁にはまっています。新聞で囲碁教室の記事を見つけたことがきっかけです。始めてからは、家でパソコン相手に毎晩勝負。負けず嫌いなので、夜遅くまで格闘してしまい、妻から「早（はよ）う寝んさい！」と何回も怒られても、なかなかやめられないほど。

教室に通い続けていると講師の先生からは、「何回も同じミスをするねえ」とよく言われ、私が教員のとき、生徒に言っていたフレーズだなぁ……とあの頃を思い返して苦笑してしまいました。
囲碁という共通の趣味を通じ、世代を問わず人とのつながりが広がって、教員時代とは違った刺激を受けています。今は生徒として、仲間と交流しながら対戦し、第二の人生を楽しんでいます。