漫画=いぢちひろゆき/図版=宮原雄太

○○が溶けた! あわや火災!? 実録「駐車中の灼熱車内トラブル」

交通事情から日常の小さなことまで。JAF会員のアンケートから、世の中の潜在意識をちょっとだけ明らかにする「JAF Mate 総研」。今回のテーマは「駐車中の車内温度」です。JAFユーザーテストで行った実験では、夏のダッシュボードの最高温度がなんと79℃(!)を記録したことも。高温の車内で起こったトラブルから、少しでも早く車内温度を下げる方法まで。JAF会員の「夏の車内温度対策」について調査しました。

目次

車内温度まんが前半

炎天下の車内はトラブル続出!
JAF会員の高温車内事件簿

真夏には予想以上の高温となる車内。JAF会員から「駐車中、高温になった車内で起きたこと」を募集すると、トラブルに見舞われた方から大小さまざまな体験談が寄せられました。なかでも多かった「○○が溶けた!」エピソードの中には、

  • 買い物した袋を車内に置いて5分くらいトイレで離れただけで買ったチョコレートがドロドロに溶けて駄目になった。(広島県・40歳代・男性)

という体験談をはじめ、

  • 40年くらい前、アナログレコードを買って車から降ろすのを忘れてしまい、気づいたらフニャフニャになっていてまったく聴けない状態になってしまったことがありました。(福島県・60歳代・男性)
  • うっかり化粧ポーチを置き忘れてしまい、口紅がドロドロに溶けていた。(鳥取県・40歳代・女性)
  • ダッシュボードにメガネを置きっぱなしにして、レンズのコーティングが溶けた。(東京都・60歳代・男性)
  • 登山のお土産として、プラスチックの立体ジオラマを車内に置いていたら、溶けて平面の等高線地図みたいになってしまった!(石川県・50歳代・男性)
  • フィルムカメラを使用していた頃。夏の海水浴に出かけ、写真を撮ったカメラを車内に置きっぱなしにしていました。しばらくしてから現像したら、フィルムが傷んだせいか、すっかり変色して溶けたような絵が写っていました。せっかくの記念写真が台無しになってしまいました。(長野県・70歳代・男性)

と、トホホ……なエピソードが続々。
また、予想外の事件として、

  • ウインドーに吸盤式の小さなマスコットをぶら下げていたら、その吸盤がレンズの役割のようになっていたようで、ダッシュボードに点々と小さな溶けた穴が開いていた。下手したら火災になっていたかも……。それ以降、レンズになりそうなものは車内には置かないようにしている。(大阪府・60歳代・男性)
  • 摩擦熱で文字が消えるボールペンで書いた大事な仕事のメモが全部消えた。(福岡県・30歳代・男性)
  • 夏の炎天下に駐車していた車に乗り込み、ステアリングをつかんだ瞬間、あまりに熱くてやけどに近い状態となり、手に水膨れができた。以来、ステアリングにはマットを置いて直射日光が当たらないようにしている。(埼玉県・60歳代・男性)

という経験談も。
気象庁によると、今年の夏も平年並みかそれ以上に暑くなる予想だとか……。みなさま、くれぐれも車内に置くものにはご注意ください!

駐車中の車内温度対策、
JAF会員はサンシェード使用が36.2%とトップ

「夏季、駐車中の車内の暑さを防ぐためどのような対策をしていますか?」の質問に、一番多かった回答は「サンシェードを使う」。36.2%の方が夏の暑さ対策にサンシェードを使用しており、男女別では、実に女性ドライバーの42.5%が「サンシェード派」であることが明らかに。次いで「なるべく日陰に駐車する(33.4%)」「窓を少しだけ開ける(21.4%)」までがトップ3の暑さ対策となり、以下「断熱フィルムを貼る(7.9%)」「特に対策はしていない(1.0%)」「瞬間冷却スプレーを使う(0.1%)」という結果となりました。

駐車中の車内温度対策グラフ

特筆すべきは、車内温度対策について、全国平均の意見と大きく異なった北海道地方。「なるべく日陰に駐車する」が40.8%と大きな割合を占めており、木陰の多い北海道の雄大な自然が目に浮かびます。次いで「窓を少しだけ開ける(34.5%)」「断熱フィルムを使う(12.0%)」という順で、全国平均1位の「サンシェードを使用する」は11.8%の4位という結果となりました。
北海道の方からは、

  • 何も対策はしない。窓を開けてちょっと走れば十分涼しくなります。(北海道・60歳代・男性)
  • 夏に暖房のスイッチが入っていたが気づかず、走行中「何か今日は暑いな」と思ったが2時間程度走行し、目的地についてから気づいた。(北海道・70歳代・男性)

という、気温の高い地域の方は驚いてしまうような声も。とはいえ、近年では北海道も真夏日が増えていますので、くれぐれもご注意くださいね。


アンケート項目以外の駐車中の対策として、

  • 自宅の屋内駐車場のように問題のない場所では、車の上から敷物のような布をかけて車全体を覆っています。中にサンシェードを設置するより温度が下がるように思います。(福岡県・40歳代・女性)
  • 白かメタリックの車を選択する。(新潟県・50歳代・女性)
  • 全窓に放水しながら、熱を持っているダッシュボードや内装部分を濡れタオルで数回拭く。(京都府・70歳代・男性)

といった方法が寄せられました。


真夏の車内温度の上昇は、熱中症や思わぬ事故につながる危険もはらんでいます。具体的な対策についてJAFのユーザーテスト「真夏の車内温度」 でも、さまざまな実験を重ねてきました。サンシェードを使ったり窓をわずかに開ける、などの対策で得られる効果は大きくなく、エアコン停止直後から車内温度は急上昇するという結果に。どんなに短時間でも、人や動物が車内にいる状態でドライバーが車を離れるのは絶対にやめましょう。

1秒でも早く快適に!
車内を涼しくする最適解は?

高温になった車内を、少しでも早く涼しくしたい! 会員の方からは「窓を全開にする」「ドアを開閉して空気を入れ替える」「とにかく早くエアコンをつける」などのほか、

  • 窓を全開にし、エアコンを最大にかけた状態で走り出す。(栃木県・60歳代・男性)
  • USB接続で使用できる扇風機をエアコンと併用しています。(東京都・40歳代・男性)
  • 保冷剤を数個車内に持ち込む。(大阪府・50歳代・女性)
  • ドアを開けて、扇子で車内の熱気を追い出す。(兵庫県・60歳代・男性)
  • 凍らせたペットボトル飲料をクーラーボックスに入れておき、車から降りるときに出しておく。(岐阜県・70歳代・男性)

などの工夫が寄せられました。


JAFユーザーテストでは、夏の駐車時に車内温度を下げる方法についても過去に実験を実施。その結果、エアコンを使用しない場合は「乗り込む前に助手席の窓を開け、運転席のドアを5回開閉」。エアコンを使用する場合は「窓を全開にしてエアコンを外気導入にして走り出し、車内の熱気を出したら窓を閉め、内気循環にして冷やす」が、実験条件下では一番早く車内温度が下がる、という結果となりました(JAFユーザーテスト「夏の駐車時、車内温度を最も早く下げる方法は?」 )。

車内の温度が下がっても、チャイルドシートの座面やシートベルトの金具などは高温のまま……ということも。真夏の乗車時には十分に気を付けて、この夏も楽しいカーライフを送りましょう!

車内温度まんが後編

車内温度についての記事はこちら

あなたの知りたいテーマを大募集!

交通事情から日常の小さなことまで。JAF会員へのアンケートから、世の中の潜在意識をちょっとだけ明らかにして好評をいただいている「JAF Mate総研」では、あなたの知りたいテーマを大募集。「キープレフト、していますか?」「人気のSA・PAは?」「全国で一番食べられているラーメンは何味?」など、何でもOK。あなたが日本全国のJAF会員に聞いてみたいテーマを、JAFMate総研が調査します! 下の応募リンクより、「①あなたの知りたいテーマ ②テーマに沿った質問と回答選択肢」をお送りください。採用された方にはクオ・カード(5,000円分)をプレゼント! ぜひご応募ください(同じテーマ案が複数あった場合は抽選となります)。

応募期間は終了しました。

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