高齢者の免許更新。実技試験があるの?
クルマにまつわるお悩みを解決!Q.高齢者の免許更新時に実技試験が導入されたのですか? 2023年に75歳になりますが、どんな試験なのか心配です。
A.すべての人が対象ではなく、75歳以上で過去3年間に一定の違反をした人に実技試験が課されることになりました。
高齢運転者の事故防止を目的として、2022年5月13日から高齢運転者を対象にした新しい免許更新制度がスタートしました。これは2020年の道路交通法改正で決まったもので、対象は75歳以上の高齢者。ただし、新しい制度が適用されるまでに6か月の猶予期間があり、免許証の有効期間の満了日が11月12日以前の場合はこれまでの更新制度、11月13日以降の場合は新しい更新制度が適用されます。
新しい更新制度の大きな変更点は、過去3年間に信号無視など一定の違反行為がある運転者には運転技能検査(実技試験)が義務化される点です。過去3年間とは、免許更新日以前の過去3年間ではなく、運転免許証の有効期間満了日の直前の誕生日の160日前を起点とした過去3年間になります。なお、これまでの高齢者講習でも実車指導はあったものの、指導員から助言を受けるだけでしたが、新しい制度では運転技能検査での採点結果によっては免許更新ができず、運転を続けられなくなる可能性もあります。
運転技能検査の対象は、「信号無視」など11の違反
運転技能検査の対象となる一定の違反は下記の11項目。これは警察庁が死亡・重傷事故を起こした人の数や違反行為を分析し、将来重大事故を起こす可能性が高い違反行為を特定したものです。
- 信号無視
- 通行区分違反
- 通行帯違反等
- 速度超過
- 横断等禁止違反
- 踏切不停止等・遮断踏切立入り
- 交差点右左折方法違反等
- 交差点安全進行義務違反等
- 横断歩行者等妨害等
- 安全運転義務違反
- 携帯電話使用等
運転技能検査は100点満点中、70点以上が合格
運転技能検査は自動車教習所などのコースで、助手席に乗った検査員が指示した速度で走行できるか、一時停止場所で停止線を越えずに停止できるかなど、5つの課題・検査項目をチェックされ、減点方式で採点されます。100点満点から減点され、第一種免許の場合、70点以上でないと合格できません。下図のような右・左折後の右側通行(逆走)や大幅な信号無視は、事故の危険度が極めて高いことから、一度で不合格になります。
一定の違反歴がない人もこれまでと同じように実車指導があり、ここで不合格になることはないものの、点数付けがされます。また今回の改正では、認知機能検査の一部でタブレットを導入して時間を短縮するとともに、検査結果も3分類から2分類(「認知症のおそれあり」と「認知症のおそれなし」)にするなど、高齢者講習の効率化も図られます。
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