サポカー「2.0」で何が変わる? ベーシックI・II・IIIの違いとクルマ選びのポイント
ドライバーモニタリングシステムや、ドライバー異常時対応システムを追加。対象車種や開始時期は未発表国土交通省は2026年7月24日、安全運転サポート車の対象装置を拡大した「サポカー2.0」のコンセプトを発表した。サポカー2.0は「ベーシックI」「ベーシックII」「ベーシックIII」の3区分。上位区分には、運転者のわき見や居眠りを検知する装置や、運転者の異常時に車両を自動停止させる装置が加わる。ただし、対象車種や運用開始日、ロゴなどの詳細はまだ発表されていない。3区分の違いや、クルマを購入する際に確認したいポイントを紹介する。
サポカー2.0とは? 運転者の状態まで見守る安全装置を追加
サポカー2.0では、従来の衝突被害軽減ブレーキなどに加え、運転者の状態を見守る装置や事故後の自動通報機能などが追加される。ベーシックI・II・IIIでは搭載される装置が異なる(画像=国土交通省 )
サポカーは、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術を搭載した「安全運転サポート車」の愛称だ。国土交通省は、高齢運転者による事故を減らすため、2017年から普及を進めてきた。
サポカー2.0では、衝突被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い時加速抑制装置が高性能化されるとともに、次の4装置を対象に加える。
・道路標識注意喚起装置
・先進事故自動緊急通報装置
・ドライバーモニタリングシステム
・ドライバー異常時対応システム
従来は車両や歩行者との衝突、ペダルの踏み間違いなど、車外の危険に対応する装置が中心だった。サポカー2.0では、標識の見落としや事故後の自動通報にも支援範囲が広がる。上位区分では、わき見や居眠り、運転中の急病など、運転者自身の状態にも対応する。
サポカー2.0「ベーシックI・II・III」の違いは? 搭載装置を比較
サポカー2.0はベーシックI・II・IIIの3区分。上位区分になるほど、運転者を見守る機能や異常時対応機能が追加される(画像=国土交通省 )
サポカー2.0のベーシックI・II・IIIに搭載される装置は、次の通りだ。
| 対象装置 | ベーシックI | ベーシックII | ベーシックIII |
| 衝突被害軽減ブレーキ | ○ | ○ | ○ |
| ペダル踏み間違い時加速抑制装置 | ○ | ○ | ○ |
| 車線逸脱警報装置 | ○ | ○ | ○ |
| 先進ライト | ○ | ○ | ○ |
| 道路標識注意喚起装置 | ○ | ○ | ○ |
| 先進事故自動緊急通報装置 | ○ | ○ | ○ |
| ドライバーモニタリングシステム | ― | ○ | ○ |
| ドライバー異常時対応システム | ― | ― | ○ |
※衝突被害軽減ブレーキは対夜間歩行者、ペダル踏み間違い時加速抑制装置は対歩行者が条件。サポカー1.0より高性能な装置が対象となる
ベーシックIが基本区分となり、ベーシックIIでは運転者の状態を監視する機能が加わる。最上位のベーシックIIIには、運転者の異常時に車両を自動停止させる機能も搭載される。
【ベーシックI】道路標識の見落としや事故後の通報に対応
ベーシックIは、6つの装置を備えた区分だ。衝突被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い時加速抑制装置は従来よりも高性能な装置が対象となる。道路標識注意喚起装置は、道路標識を検知して運転者に知らせるもの。速度制限や進入禁止などの標識の見落としを防ぐ効果が期待される。
先進事故自動緊急通報装置は、事故の発生場所や乗員の傷害予測などを自動で通報するものだ。事故後に運転者が自分で救助を要請できない場合でも、早期の救命活動につなげられる可能性がある。
【ベーシックII】わき見や居眠りを検知して注意喚起
ベーシックIIには、ベーシックIの装置にドライバーモニタリングシステムが加わる。ドライバーモニタリングシステムは、運転者のわき見や居眠りなどを検知し、注意を促す装置だ。車線逸脱警報装置が車両の動きを検知するのに対し、ドライバーモニタリングシステムは運転者の状態を確認する。
ここがベーシックIとの大きな違いとなる。長時間運転や夜間走行が多い人、運転中の注意力低下が気になる人は、ベーシックII以上が選択肢になる。ただし、ベーシックIIに含まれるのは運転者への注意喚起まで。運転者が操作できない場合に車両を自動停止させる装置は、ベーシックIIIに含まれる。
【ベーシックIII】運転者の異常時に車両を自動停止
最上位のベーシックIIIには、ベーシックIIまでの7装置にドライバー異常時対応システムが加わる。ドライバー異常時対応システムは、運転者の異常を検知し、車両を自動的に停止させる装置だ。運転中の体調急変により、ハンドルやブレーキを操作できなくなった場合への備えとなる。
ベーシックIIとの違いは、注意を促すだけで終わらず、車両の停止まで支援する点だ。ただし、車両の停止方法はシステムによって異なる。車線内で減速・停止するもののほか、車線変更して路肩に停止するものもある。ベーシックIIIであっても、必ず路肩まで自動で移動するとは限らない。対象車種が発表されたあとは、どのような条件で作動するのか、どのように減速・停止するのかまで確認したい。
サポカー2.0の車選びで確認したい安全装置
高齢の親が運転するクルマや、注意力の低下が気になり始めた人は、ドライバーモニタリングシステムの有無を確認したい。わき見や居眠りを検知する機能を備えるのは、ベーシックII以上だ。運転中の急病や意識喪失にも備えたい場合は、ドライバー異常時対応システムを備えたベーシックIIIが候補となる。
ただし、サポカー2.0の区分は搭載装置を確認するための目安だ。同じ種類の装置でも、検知できる状況や作動する速度域、警報方法などは車種によって異なる可能性がある。また、装置によってはメーカーオプションとなる場合もあるため、購入時には希望するグレードに必要な機能が備わっているか確認したい。
対象車種・開始時期・補助金はまだ発表されていない
サポカー2.0のロゴは「COMING SOON」とされ、まだ公表されていない(画像=国土交通省 )
サポカー2.0は、現時点ではコンセプトが示された段階だ。対象車種や認定・表示方法、具体的な運用開始日は発表されていない。国土交通省は新たなロゴを作成し、詳細が決まり次第、ウェブサイトで公表するとしている。サポカー2.0を対象とした新たな補助制度も発表されていない。従来のサポカー補助金は、2021年11月に申請受付を終了している。
また、サポカー限定免許で運転できるのは、警察庁が公表する対象車両に限られる。サポカー2.0の対象車種が、そのまま限定免許の対象になるとは限らない。対象車種の公表後は、購入候補がベーシックI・II・IIIのどの区分に該当するかに加え、各装置の作動条件や標準装備・オプションの違いも確認したい。
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