夏の車内で発火リスク増大! モバイルバッテリーの事故対策|自動車交通トピックス
文=萩原文博

6~8月は要注意! 高温になる夏の車内はモバイルバッテリーの発火事故が起きやすい!?

「選ぶ」、「使う」、「捨てる」の3つのシーンに合わせてリチウムイオン電池の注意点を解説

2020年〜2024年までの5年間にNITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)に通知されたリチウムイオン電池搭載製品の事故は1860件。事故発生件数は春から夏にかけて気温の上昇とともに増加する傾向があり、6月〜8月にピークを迎える。夏本番を前にモバイルバッテリーなどリチウムイオン電池使用製品の事故発生を防ぐ術を紹介する。

目次

車内の温度が高くなる夏は事故が起きやすい季節!

【事故再現】モバイルバッテリー「高温下に放置して発火」

  • 映像提供:NITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)

最近も航空機や電車内でリチウムイオン電池を使用したポータブルバッテリーから発火・発煙し、運行に遅れが発生したというトラブルがあった。現在、生活に欠かせないスマートフォンをはじめとした電子機器やモバイルバッテリーなどに、リチウムイオン電池が使用されているのはご存じだろう。実はリチウムイオン電池にとって高温となる夏は最も事故が起きやすい条件が揃った季節なのだ。

リチウムイオン電池は、小さくても大きなエネルギーを持っている反面、衝撃に弱いという特性もあり、使い方を間違えると火災につながる危険性が高い。

このようなリチウムイオン電池の発火や発煙などの事故を防ぐための情報や、適切な廃棄方法に関する情報を、国土交通省などの関係省庁(消費者庁、総務省消防庁、経済産業省、環境省)が連携し、一元的に発信する「リチウムイオン電池総合対策ポータルサイト」 が2026年6月18日に公開された。

事故を防ぐために覚えておきたい「3つのC」とは?

モバイルバッテリーに記載されているPSEマーク

PSEマークは安全の基本。リサイクルマーク表示のある製品を選ぶことも重要だ

ポータルサイトでは、リチウムイオン電池による火災の現状を踏まえて、事故を防ぐための3つの具体的なアクション「リチウムイオン電池の【3つのC】」として紹介している。

最初のCは、「賢く選ぶ(Cool choice)」。製品購入前に製品情報、マーク表示、リコール情報を確認して安全基準を満たした製品を選ぶこと。なかでもモバイルバッテリーには安全基準に適合している証明となる「PSEマーク」を確認したい。(性能によって表示義務がない場合もある)。またリサイクルマークの有無も廃棄時の安全の目安となる。

機器本体メーカーと別の会社から販売されている「非純正品」の使用による出火事故が発生するケースが増えているため、本体メーカーのサイトで事故が起きていないかも確認してほしい。また、故障を防ぐためにバッテリーや充電器は必ず専用品や推奨品を使おう。さらに価格を重視するのではなく、製造・輸入事業者や国内問い合わせ先などが確かな製品を選んだほうがいいだろう。

落としたり強くぶつけた製品は使用しないように!

クルマのダッシュボードに置いてあるモバイルバッテリーとハンディ扇風機

モバイルバッテリーは衝撃や圧力が加わると発火などのトラブルが発生しやすくなるため、落としたりぶつけたことがある製品は使わないようにしよう

2つめのCは、「丁寧に使う(Careful use)」。正しい使い方を常に意識し、衝撃・高温を避けて異常を感じたらただちに使用中止することを促している。衝撃や圧力は、電池内部を損傷させる原因となるので、落下させたり、誤って踏んだりしないように注意したい。また変形した製品を無理に元に戻そうと力を加えるのも厳禁だ。

これから本番を迎える夏の車内や、カバンの中など高温になりやすい環境はリチウムイオン電池内の化学反応が加速し、性能低下や発火など事故のリスクが高まる。特にクルマの車内は短時間で高温に達することもあるので、ダッシュボード、座席、トランク内などに放置しないように注意しよう。

また、リチウムイオン電池は水濡れや湿気によっても内部損傷が生じることがある。夏になると、水遊びをする機会も増えるので、防水性能なども確認しておいたほうが良いだろう。

捨てる際にもルールがあるので事前に確認しておこう!

3つめのCは、「正しく捨てるそして資源循環(Correct disposal with better recycling)」。まずリチウムイオン電池使用の有無を確認し、正しい廃棄方法を確認してから捨てることを推奨している。

廃棄する場合は、安全な回収のためバッテリーの残量がゼロになるまで使い切ること。放電し残量をゼロにすることで、発火リスクを抑えられるからだ。廃棄ルールは居住している自治体によって異なる。自分の居住している自治体を入れて「リチウムイオン電池の捨て方」などで検索して廃棄方法を確認しておきたい。

また、メーカーや販売店での「自主回収」を積極的に活用しよう。モバイルバッテリーなどは、小型充電式電池のメーカーや使用機器メーカー等で構成される一般社団法人JBRCが設置している「小型充電式電池リサイクルBOX」での回収も可能となっている。

モバイルバッテリーなどにも多く使用されているリチウムイオンバッテリー。気温が高くなり水遊びなどが増える本格的な夏は、特に「3つのC」に注意して使用したい。

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