自賠責保険のデジタル化イメージ

値上げ? それとも値下げ? 気になる2025年度の自賠責保険料

2023年度から変更なし、デジタル化による引き下げの可能性も

金融庁は2025年1月10日、2025年度の自賠責保険料について、昨年2024年度と同額に据え置くと発表した。

目次

保険料は2025年度も据え置き、自家用普通自動車で24か月17,650円に

2025年度における自賠責保険料の支払額と収入の収支予定(損害率)について検証した結果、2023年度改定時の予定損害率と乖離が少ないことをうけたもの。これにより自家用普通自動車の2年(24か月間)契約の場合の保険料は、2023年度から同額の17,650円となる。

2025年度(2025年4月1日から)の自賠責保険料の例(2024年度と同額)

  36か月 25か月 24か月 13か月 12か月
自家用普通自動車 23,690 18,160 17,650 12,010 11,500
軽自動車 23,520 18,040 17,540 11,950 11,440
バイク(250cc超) 10,490 8,910 8,760 7,150 7,010
バイク(125cc超~250cc以下) 10,710 ーー 8,920 ーー 7,100
一般原付(125cc以下) 10,170 ーー 8,560 ーー 6,910
特定小型原付(電動キックボード等) 9,400 ーー 8,040 ーー 6,650

自賠責保険手続きがデジタル化! 今後保険料の引き下げはある?

また2025年1月21日には、自賠責保険の申し込み手続きのオンライン化や、掛金の収受においてキャッシュレス決済が導入された。

この自賠責の引受・契約管理業務に係る業界の共同システム「One-JIBAI」により、スマートフォンやPCから「One-JIBAI」WEB サイトにアクセスし、オンラインで異動・解約等の手続きができる。自賠責保険料もクレジットカードで支払いできるようになり、自賠責証明書をPDFで保管することも可能となる。

自賠責保険料には事故発生時に支払われる保険金部分の「純保険料率」と、保険会社が必要な経費部分などを充当した「付加保険料率」が算出されている。このうち自賠責保険における付加保険料率については、適正な原価を償う範囲内でできる限り低いものにするという「ノーロス・ノープロフィットの原則」が定められている。

そのため、こうした自賠責保険手続きの各種デジタル化により、経費部分の削減が可能となった場合、次年度以降の自賠責保険料に反映される可能性がある。

コラム「自賠責保険とは」

自賠責保険とは自動車や原動機付自転車(一般原付)、電動キックボード(特定原付)などのすべての車での加入が義務つけられている。これに加入していなければ自動車や2輪車は車検が通らず 、公道を走行できない。自賠責保険に加入していない車を公道で運転した場合、1年以下の懲役、または50万円以下の罰金、違反点数6点(免許停止)という重い処分が科せられる。

また、自賠責保険の運用益は、自動車事故防止対策、救急医療体制の整備、自動車事故被害者救済等の事業に活用されている。2025年度には新規事業として、以下の研究・事業等の拡充が行われる予定。

・子どもを含む運転免許を保有しない歩行者対象の安全教育と効果の持続性に関する研究
・認知機能の低下に起因する自動車事故の抑止を目的としたマルチモーダル認知症セルフチェックシステムに関する研究
・交通弱者の横断歩道上における交通事故根絶を目的とする歩車分離式信号機の効果と歩行者の信号待機時間への影響に関する研究
・頸髄損傷者に対するセルフヘルプ事業
・MRIにおける頚椎加齢変化の縦断的研究
・外傷外科医と外傷外科手術チームの養成事業
・日本病院前救急診療医学会ドクターカー研修会事業

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