愛車を『車中泊カー』にできる!? 車内で快適に眠るための後付けアイテム6選
車中泊&キャンプを彩るアクセサリー旅先で仮眠するとき「もう少し快適に眠れる方法はないかな」と考えませんか? 車中泊やアウトドアに詳しいライター・大森弘恵さんが「横浜キャンピングカーショー2024」と「アウトドアデイジャパン神戸」に足を運び、愛車の車内で快適に眠るためのアイテムを探してきました。
手早く寝る準備が整う『膨らませるだけ』のベッド
クライミット「ティンバー・クリーク」シリーズ
プロトが扱うアメリカのアウトドアブランド「クライミット」には、「ティンバー・クリーク」というクルマを丸ごとテントに変えるシリーズがあります。
注目は「SUV エアマットレス」。SUVの後部シートにフィットするよう設計された分厚い(18cm)エアベッドで、多少の隙間やシートの凸凹はうまい具合に吸収してくれます。
幅は100/142cm、長さ185cmのタイヤハウスと干渉しないT型デザインも魅力です。
クライミット「SUVエアマットレス」。12V電動ポンプ付きで1〜2分で適度な硬さに膨らませられます。重量は4kg。広さが合えばクルマを替えても使えます
風を通しつつ、虫や雨の浸入を防ぐ「SUVウインドウキャノピー」。ドアにメッシュを被せるだけのバグネットとは違い、ひさしを設けているのがポイント。結露を防ぐ車中泊のマストアイテムです
キャンプ場泊ならバックドアに取り付ける「SUVアネックス」でスペースを拡張。車内の荷物保管場所、着替えスペースとして使えるので車内は広々。テントのフロアは200×115cmで高さは最大204cm。重量6.6kg
タイヤとタイヤの間にも壁があるので、冷たい風や野生動物が入りにくくなっています。開口部90cm以上、バックドアが90度以上開いて高さ2m程度になるクルマに取り付けられます
軽くておしゃれ! 燃費に影響を与えにくいベッドキット
ユーアイビークル「ヴァンツアラー」シリーズ
「ヴァンツアラー」は、「ソト遊びをもっと楽しく」をコンセプトにしたユーアイビークルのカスタムパーツブランド。
ハイエース200系(標準/ワイド)用プロダクトの中には、ソト遊びの道具をたっぷり積んだまま眠れるベッドキット「BOXベッド」がありました。
従来のベッドキットよりも約50%軽量で総重量25.9kg(標準車)。数字だけ見るとそれでも重く感じますが運転席側のボックスフレームは4.2kg、助手席側でも4.7kg。マットは8つにわかれていて一番大きなセンター部分でも1枚2.9kg(標準車)に抑えられているので脱着は簡単。軽くなった分、燃費のダメージも抑制できます。
ちなみにベッドマットはテクセル素材の上にアルミとフェルトを重ねています。テクセル素材はパンチング加工を施していて吸音効果が望めるとか。ロードノイズの低減にも効果を発揮します。
「BOXベッド」の高さは約45cmその下に道具を入れておけます。純正カーペットを汚れから守る「CFカーゴマット」を取り付けておけば、地面に置いたボックスを無造作に収納しても気になりません
センターコンソールに取り付ける「センターフラットパネル」。車中泊時に貴重品やペット用のキャリーを置けるのが便利
走行充電やサブバッテリーも備えた
デリカD:5のためのキャンパーキット
グランドモーター「Dキャンパーキット」
千葉のキャンピングカービルダー、グランドモーターはデリカD:5をキャンピングカーに変える「Dキャンパーキット」を用意しています。
ベッドだけでなく80Aのサブバッテリーとインバーター(350W)などを備えた本格キットで、ソーラーパネルやFFヒーター、リア専用クーラーなども選べるので本格的にキャンピングカーにしたい人向き。
ミニシンクが標準装備されていて、給水タンクと排水タンクはそれぞれ10L
跳ね上げ式サイドテーブルそばにボルトメーターやUSBポート、12Vのソケットが。オプションの立ち上げ棚があればランタンやスマホなど充電が必要な小物の整理に役立ちます
絶賛開発中のベッドキットと車内外で使えるワゴン
グッドサン「GSワゴン」「ベッドキット」
滋賀でカスタムカーを手がけるグッドサンでは、これまでにプロボックスのキャンピングカー仕様車「サンライズ」やプロボックス用キャンピングキット「サンライズイージー」を発表してきましたが、新たに汎用型キャンピングキットを開発しているそう。
バーナー置き場やシンクを備えた「GSワゴン」は、取り外してガレージでも使えるようになっています。どこでも設置できるので防災アイテムとしても役立つとか。
「GSワゴン」も「ベッドキット」も完成品がどうなるのか、楽しみに待ちたいところです。
「GSワゴン」はポータブル電源と電子レンジ用の棚があり、惣菜のあたためや冷凍食品の調理ならわざわざバックドアを開けてシンクとバーナーを引き出す必要はありません
引き出し式テーブルを備えたベッドキットはひとり就寝サイズ。展示車両はNV200でした
拡張性抜群なアルミ製。薄型ルーフトップテント
GIワークス「ルーフトップテント」
香港を拠点とするGIワークス「ルーフトップテント」は収納時の厚みがわずか16cm。
通常のファイバー製テントの約半分の厚みなのでルーフテントの上にラックやソーラーパネルを設置できるなど拡張性抜群です。ハニカム構造の高純度アルミニウム合金フレームにより軽くてタフ、そのうえテント内に直射日光による熱が伝わりにくくなっているのも特徴。
「ルーフトップテント」には手持ちのモバイルバッテリーで稼働させる換気扇や空気量で硬さを変えられるエアマット、ラダーを標準装備
「ルーフトップテント」のアルミ合金フレームはレールが付いていて、270度をカバーするサイドオーニングとサイドウォール、トイレ・シャワー用テントなどを取り付けられます。これだけ広いと、自転車やパックラフトを組み立てたまま置くことができそう
米軍車両にも使用される、タフな塗装を施したテントも
ジェームス・バロウド「マグマ」
国内外の車中泊ギアを扱うコイズミがイチオシするルーフトップテントは、ポルトガルのジェームス・バロウド製です。
ジェームス・バロウドのルーフトップテントは支柱ロック機構を採用していて、風などによるストレスを低減するとともに、走行中の意図しない展開を防ぐ安心構造が自慢。さらにメッシュ付きの大型窓とソーラー換気ファン、テント生地がはみ出しにくいギャザーなど快適に車上泊を楽しめる工夫が満載です。
今年は世界限定250台の「マグマ」が発表され、日本では10台が割り当てられています。
UVコーティングと米軍車両に用いられるタフな塗装(LINE-X)を備えた4mmのABSシェル。「マグマ」らしい質感です
アプリで操作できるLEDライトを装備していて、雰囲気のよい光りを演出。遮光性・防音性・断熱性の高いテント生地と360度を見渡せる大型メッシュ窓などジェームス・バロウドらしい作りも見どころ
DIYが苦手でも、ベッドキットやルーフトップテントを取り入れるだけで愛車を車中泊カーに変えられます。キャンピングカーやアウトドアのイベント会場では、いろいろなメーカーのサンプルに触れて比較できるし、取り付けや使い方の相談もOK。効率よく選べますよ。
「横浜キャンピングカーショー2024」の特集はこちら
大森弘恵
おおもり・ひろえ フリーランスのライター、編集者。主なテーマはアウトドアと旅で、ときどきキャンピングカーと料理の記事も。身軽なソロキャンプ歴は約40年、愛車はヤマハ・WR250R