音楽が車の運転に与える影響とは?安全運転に効果的な音楽と逆効果の音楽
ハーマンインターナショナル株式会社は、全国の10〜60代の男女計2,000名に「音楽のチカラ」に関する意識調査を実施した。調査の結果、全世代の約8割が音楽による精神的な癒やし効果を実感していることが分かった。 また、新型コロナウィルスの影響により、車通勤に切り替えたり車で出掛けたりする機会も増えたことから、音楽が車の運転に与える影響についてもアンケート調査をしている。全体の約7割が運転中の音楽の必要性を実感しているほか、気持ちにプラスの影響を与えていると感じると回答した。
車の運転によるストレス解消には音楽が重要
車の運転は刻一刻と変わる道路状況に対する判断や、雨や雪などによる視界不良にも対応しなければならず、ストレスや疲れを感じる原因となっている。そのため、運転中にラジオや音楽を聴いて気分転換をしている方も多いのではないだろうか。
車の運転と音楽に関するアンケート調査をした結果でも、全体の約7割が車の運転によるストレスや緊張を緩和するため、音楽を聴くのが重要だと答えている。また、約8割が音楽による癒し効果を実感しているようだ。
音楽は、脳内のドーパミンの分泌を促し快感や興奮をもたらすほか、心拍数やストレスホルモンの分泌レベルを下げるという研究結果が報告されている。また、音楽を聴くと副交感神経が優位となり、気持ちの落ち込みや不安を軽減する効果があると科学的にも証明されている。そのため、車を運転する際は自然と音楽を流す人が多いのだろう。
哀愁漂う音楽が運転にポジティブな影響を与えている!
運転中にはアップテンポな音楽が合っている気がするものだが、フォード社がスポティファイとニューヨーク大学と共同で委託した研究では、哀愁漂う音楽やスローテンポで穏やかな音楽も、車の運転にポジティブな影響を与えていると判明した。哀愁漂う音楽は、気持ちを落ち着かせ、集中力が上がるため、運転の調子を整えられると考えられている。
一方で、アップテンポの音楽は気分を高揚させ覚醒させる効果があるものの、運転中の速度超過が多くなったことが分かっている。また、気分が高揚しすぎると注意力が散漫になり標識を見落とすなど、安全運転には逆効果になる可能性が高くなる。
さらに、アップテンポな音楽は大音量で聴く傾向が高まり、状況によっては交通違反になる可能性があるため注意が必要だ。踏切の音や緊急車両のサイレン音が聞こえない、歩行者の接近に気づかないなど、安全運転が確保できないほどの音量で音楽を楽しむのは控えなければならない。運転中に音楽にノリノリになることは、避けた方がよさそうだ。
車の運転に良い影響を与える音楽を選曲しよう
音楽が運転に与える影響は、個人の趣味嗜好やシチュエーション、ジャンルなどによって効果が異なるため一律には言えない。長時間運転を強いられる場合は、眠気を覚まし気分を高揚させるアップテンポの音楽が効果的だろう。一方で、渋滞や信号の多い市街地の走行など、ストレスがかかる場合は哀愁漂う音楽やスローテンポの音楽が効果的だ。
車の運転中、気分の高揚や心地よさを感じる音楽は集中力を上げる効果がある。しかし、自分の好みではない音楽は判断力や冷静さに影響を与える。安全運転のためには、リラックスして集中力が上がる音楽を選ぼう。