都道府県別データも発表!「信号機のない横断歩道」いまだ半数以上が停車していない結果に
JAFが行った2023年の実態調査で明らかにJAFは、2023年8月9日~9月20日に「信号機のない横断歩道」における歩行者優先についての実態調査を全国で実施し、その結果を公開した。停止した車の割合は過去最高となったが、いまだに約半分の車が止まらないことがわかった。
過去最高であるものの、停止率は45.1%
調査は各都道府県で2か所ずつ、全国で合計94か所の信号機が設置されていない横断歩道で実施。歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は7,087台中3,193台(45.1%)と過去最高になった。前年の調査時と比べて5.3ポイント増加したものの、いまだに半数以上の車が止まっていないということも明らかになっている。
信号機のない横断歩道における車の一時停止率(全国)
下の表は一時停止する車の割合を都道府県別で示したもの。35都道府県で停止率が上昇する傾向がみられたものの、20%台にとどまる県も存在することがわかった。
北海道 | 青森 | 岩手 | 宮城 | 福島 | 秋田 |
29.0% | 47.4% | 56.2% | 51.9% | 60.8% | 52.1% |
山形 | 新潟 | 長野 | 茨城 | 栃木 | 群馬 |
53.6% | 23.2% | 84.4% | 27.6% | 74.8% | 41.1% |
埼玉 | 千葉 | 東京 | 神奈川 | 山梨 | 富山 |
38.9% | 31.9% | 39.6% | 29.1% | 61.0% | 50.0% |
石川 | 福井 | 岐阜 | 静岡 | 愛知 | 三重 |
76.4% | 26.7% | 65.4% | 63.9% | 61.2% | 51.3% |
滋賀 | 京都 | 大阪 | 兵庫 | 奈良 | 和歌山 |
46.3% | 34.6% | 26.7% | 52.0% | 48.1% | 30.1% |
鳥取 | 島根 | 岡山 | 広島 | 山口 | 徳島 |
50.0% | 53.0% | 47.8% | 48.5% | 48.5% | 36.7% |
香川 | 愛媛 | 高知 | 福岡 | 佐賀 | 長崎 |
39.1% | 58.5% | 35.3% | 58.1% | 26.2% | 42.5% |
熊本 | 大分 | 宮崎 | 鹿児島 | 沖縄 | 全国平均 |
66.1% | 31.1% | 63.6% | 42.8% | 31.1% | 45.1% |
横断歩道では歩行者優先。歩行者も交通安全に努めよう
道路交通法では、「横断歩道における歩行者優先 」を定めている。本来、車両が横断歩道を通過するとき、横断しようとする歩行者がいる場合には横断歩道の直前で一時停止し、通行の妨げをしないようにしなければならない。また、横断しようとする歩行者がいないことが明らかな場合を除き、横断歩道の手前で停止できるようあらかじめ速度を落とすこともドライバーの責務である。一方で、歩行者側も信号機のない横断歩道を渡る時はドライバーにその意思を伝えたり、無理な横断をしないよう心掛けたりと、互いの安全を意識することが大切だ。
車両は、横断歩道の手前30m以内で追い越し・追い抜きは禁止
前方を走行する車両が横断歩道で一時停止している場合、歩行者の横断を優先している可能性がある。その車を追い越すことは、横断する歩行者と衝突する恐れがあって非常に危険なため、追い越しや追い抜きは禁止だ。なお、道路交通法でも、横断歩道の手前30m以内では前方の車両を追い越し・追い抜きしてはならないと定められている。