JAFロードサービスカー図鑑

バッテリー上がりやパンク修理などの救援作業のほか、二輪車の搬送も可能なサービスカー

File No.3 多目的車

2024.06.09

構成=ダズ/レポート&動画=吉川賢一/写真=渡部竜征

2024.06.09

構成=ダズ/レポート&動画=吉川賢一/写真=渡部竜征

パンクや落輪、バッテリー上がりなど、クルマに関するトラブルからドライバーを救援するJAF(一般社団法人日本自動車連盟)には、さまざまなタイプのロードサービスカーが存在する。どのロードサービスカーも基本的な救援作業は可能だが、救援内容や状況によって最適なロードサービスカーを使い分けている。今回は、二輪車(バイク)を荷台に乗せて搬送することができる、「多目的車」を詳しく紹介しよう。

二輪車(バイク)を搬送するときに活躍するロードサービスカー

「多目的車」は、主に二輪車の搬送で使われるロードサービスカーだ。二輪車のライダーからJAFコールセンターへ救援要請が届き、修理や移動が必要となった場合に出動するが、二輪車の搬送以外にも、通常のバッテリー上がりやスペアタイヤ交換、鍵開け作業などにも出動する。

ボディーサイズはレッカー車とほぼ同じで、車積載車よりもコンパクト。二輪車は狭い道へも進入していくことが多いため、小回りが利いて駆けつけやすいよう、レッカー車とほぼ同サイズとしている。荷台に二輪車を積むため格納ボックスは限られたスペースとなるが、左右どちらからでも資機材を取り出すことができるように、左右に貫通させるなど工夫されている。

ほかにも、たとえば路上で作業する際に、周囲を走るクルマに注意喚起をするために出す標識装置なども装備されている。ちなみに矢印の向きは車内から操作が可能だ。また、二輪車を固定するために使うベルトや固定紐(ひも)といった器具や、汚れを洗い落とすための水も積載している。

多目的車のフロント外観写真

多目的車は、レッカー車とほぼ同じボディーサイズ。荷台には二輪車を積載するための固定金具が備え付けられている

多目的車のリア外観写真

背面の大きなテールゲートリフター(電動アオリ)は電動式で、リモコン操作によって昇降が可能

多目的車の真後外観写真

多目的車の真横外観写真

多目的車の正面外観写真

多目的車に搭載されている資機材

固定ロープを引っかけるためのフックが複数設置されている荷台のフレーム

固定ロープを引っかけるためのフックが複数設置されている荷台のフレーム

左右非対称な格納ボックス。左右どちらからでも資機材を取り出せるよう、左右は貫通している

左右非対称な格納ボックス。左右どちらからでも資機材を取り出せるよう、左右は貫通している

パンク修理に使うエアータンクやバッテリー上がりを救援する携帯バッテリーなどを搭載

パンク修理に使うエアータンクやバッテリー上がりを救援する携帯バッテリーなどを搭載

路上で作業する際に、周囲を走るクルマに注意喚起をするため標識装置を装備

路上で作業する際に、周囲を走るクルマに注意喚起をするため標識装置を装備

標識装置の昇降や矢印の向きの変更は、車内から操作が可能

標識装置の昇降や矢印の向きの変更は、車内から操作が可能

車両下側のボックスには、二輪車を固定するためのロープ類が格納されている

車両下側のボックスには、二輪車を固定するためのロープ類が格納されている

二輪車の積載はリモコンを使用して一人で行う

二輪車を搬送する際は、車両後方にあるテールゲートリフター(電動アオリ)を使用して、荷台の高さまで持ち上げ、その後は転倒防止などのため固定ロープなどで荷台へ固定。テールゲートリフターの昇降はリモコンで操作するため、作業は隊員一人で行うことができる。荷台には、二輪車を固定する際にフロントタイヤを押し当てるためのL字形金属板が装備されており、二輪車の車体を荷台の対角線上に配置。お客様の大切な二輪車を傷つけないため、ロードサービスカーが揺れても二輪車が倒れないよう、確実に固定作業を進めている。

大切な二輪車を破損したり汚さないよう、細心の注意を払う

二輪車を積載する作業をする際、まず行うのは周囲の安全確保。標識装置(昇降板)を点灯させ、パイロンと停止表示板を置いて、クルマや人が立ち入らないようにする。二輪車とはいえサイズの違いや重量条件などがさまざまなので、テールゲートリフターへ二輪車を積み込むときには、細心の注意が必要。

テールゲートリフター昇降時にバイクが動かないよう、前輪のブレーキレバーを固定器具(ブレーキストッパー)でロックし輪止めを使用。また、ゴム製の固定紐でバイクが転倒しないように固定していく。固定できたら、リモコン操作でテールゲートリフターを荷台の高さまで上昇させる。なお、二輪車に触れるときには作業でついた汚れが付かないよう、作業用手袋から車両取り回し用手袋へと着け替えるなど、大切な車両を汚さないよう徹底している。

二輪車の積載作業の流れ

周囲の安全を確保した上で、細心の注意を払い二輪車を移動

周囲の安全を確保した上で、細心の注意を払い二輪車を移動

右側のブレーキレバーを固定する器具で、前輪のブレーキをロック

右側のブレーキレバーを固定する器具で、前輪のブレーキをロック

バイクが動いたり転倒しないよう輪止めやバンドで固定してテールゲートリフターを上昇させる

バイクが動いたり転倒しないよう輪止めやバンドで固定してテールゲートリフターを上昇させる

二輪車の車体を荷台の対角線に積むように移動した後、フロントタイヤがL字形金属板に当たるように配置

二輪車の車体を荷台の対角線に積むように移動した後、フロントタイヤがL字形金属板に当たるように配置

二輪車の前側と後ろ側を、それぞれ右側面と左側面のバランスを取りながらテンションをかけて固定

二輪車の前側と後ろ側を、それぞれ右側面と左側面のバランスを取りながらテンションをかけて固定

テールゲートリフターを閉じパイロンや停止表示板を回収して、二輪車の積載が完了

テールゲートリフターを閉じパイロンや停止表示板を回収して、二輪車の積載が完了

二輪車の積み込み作業の詳細は、こちらの動画をチェック!

お客様の要望に合わせバイクも安全かつ丁寧に搬送します!

JAF本部ロードサービス部技術課の中野司さん

JAF本部ロードサービス部技術課の中野司さん

二輪車といっても、小型から大型までサイズはさまざまあるが、この多目的車であれば、日本で販売されている二輪車はほぼ全車種が積載可能(ただしサイドカー付きの二輪車の場合は、四輪車を積載する車両となる)。中野隊員によると、「二輪車のトラブルで、走行ができない状態の場合でも安全かつ丁寧に、お客様が希望される整備工場まで搬送しますので、JAFまで救援要請をお願いいたします」とのこと。

<次回予告>
次回は7月9日公開予定。
JAFロードサービスカーの中で最も大型の車両となる「車積載車」を紹介します!

この記事のキーワード
この記事をシェア

この記事はいかがでしたか?

関連する記事Related Articles