JAFロードサービスカー図鑑

市街地から山間部でも救援可能! 機動性に優れたジムニーベースのサービスカー

File No.2 バン型ロードサービスカー

2024.05.09

構成=ダズ/レポート&動画=吉川賢一/写真=渡部竜征

2024.05.09

構成=ダズ/レポート&動画=吉川賢一/写真=渡部竜征

パンクや落輪、バッテリー上がりなど、クルマに関するトラブルからドライバーを救援するJAF(一般社団法人日本自動車連盟)には、さまざまなタイプのロードサービスカーが存在する。どのロードサービスカーもパンク修理やバッテリー上がり、キー閉じこみなどの基本的な救援作業は可能だが、救援内容や状況によって最適なロードサービスカーを使い分けている。今回は、スズキのジムニーをベースにした「バン型ロードサービスカー」を詳しく紹介しよう。

道幅が狭い場所へも救援に向かえる、小型のロードサービスカー

今回紹介するロードサービスカーは、JB64型ジムニーをベースとした「バン型ロードサービスカー」だ。本車両は標準のジムニーよりも約100mm車高が高められており、またフロント部分には電動ウインチを備えた改造車。ジムニーをベース車両に選んだ理由は、ジムニーの持つ悪路走破性の高さと、小型ゆえの機動性の良さだという。

このジムニーのロードサービスカーの導入を担当したのは多摩地区在籍のJAF隊員だそう。東京都多摩市は、渓谷や河川敷など自然環境に恵まれた場所が多く、行楽地として有名。また冬の季節には、雪が積もる地域もある。そのため、多摩地区へやって来たクルマがスタックしてしまい、JAFに救援を求めることがしばしばあるそう。ただ、現場によっては道幅が狭く、通常のレッカー車では救援に向かうことが困難となりかねない。コンパクトなボディーでありながら機動力が高く、悪路も走れるクルマと考えると、ジムニーが最適だったそうだ。

バン型ロードサービスカーのフロント外観写真

ジムニーがベースのバン型ロードサービスカー。車高が高められており、悪路であっても走破が可能。フロントには電動ウインチも装備している

バン型ロードサービスカーのリア外観写真

後方視界確保のためリアのスペアタイヤは取り外されている

バン型ロードサービスカーの真後外観写真

バン型ロードサービスカーの真横外観写真

バン型ロードサービスカーの正面外観写真

電動ウインチも装備してコンパクトなのにタフ!! 頼れる一台

フロントに付けた電動ウインチは、まさにスタックしたクルマを引っ張るための装置だ。約100mmも車高を上げているのは、河川敷や悪路での救援要請の際、車両の下が接触しないように地面とのクリアランスを確保するため。

リアには、けん引時に使用するフックが、リアドア上部と、リアバンパー下部の2か所にある。2か所にある理由は、ロードサービスカーと救援対象車をけん引ロープでつないだ際、誤って人や二輪車などが間を通過してけがをしないよう、視認性の高い目立つカラーのロープも張るためだ。特に暗い夜間は、ロープに引っかかって転倒する二次災害が起こりやすいため、安全性を最大限確保して作業している。

ベース車両にはJB64型ジムニーを採用。頑丈なラダーフレームの4WD車だ

ベース車両にはJB64型ジムニーを採用。頑丈なラダーフレームの4WD車だ

後方の視界確保のためスペアタイヤは外されている

後方の視界確保のためスペアタイヤは外されている

地面とのクリアランスを増やすため、車高を約100mmも上げている

地面とのクリアランスを増やすため、車高を約100mmも上げている

フロントバンパーに装備されている電動ウインチ

フロントバンパーに装備されている電動ウインチ

リアハッチゲート上部のフックには、視認性の高いロープを張る

リアハッチゲート上部のフックには、視認性の高いロープを張る

リアバンパー下に付いているけん引用のフック

リアバンパー下に付いているけん引用のフック

荷室にはさまざまな救援に対応する資機材が満載!

運転席と荷室との間には、急ブレーキをかけたときや追突された場合に、積載物が運転席まで飛んでこないよう、金属製のパーティションが張られている。荷室には、さまざまな依頼に応えられるよう、多様な救援用機材が積載されている。たとえば、バッテリー上がりを起こしたクルマの救援を行うための携帯バッテリーが2つ、パンクした車両のタイヤ交換時に使用する2tまで上げられる中型ガレージジャッキ、スタックした車両などを引っ張る際に使用するロープ、軽作業用の工具類、安全確保のためのパイロンや三角表示板などが常に積載されている。

運転席周りには液晶モニターがズラリと並ぶ

運転席周りはノーマルのジムニーとほぼ同じだが、ダッシュボード上に3基の液晶モニターが備わる。ひとつはコールセンターから受信した救援車の位置情報を即座に表示するJAF専用のナビシステムだ。もうひとつは車両後方確認のためのバックモニター。荷物を満載しているため、後方確認にはカメラを使っている。最後のひとつは、万が一の故障などに備えたバックアップのナビゲーションシステム。なお、現場で書類を書くことも多いため、室内天井には大型のマップランプが備わっており、通常のルームランプよりも明るく照らすことができる。

過去の出動経験を生かして、装備するアイテムや車両のスペックを決めてつくり上げたという、JAFのバン型ロードサービスカー。クルマはコンパクトだが、エンジンはパワフルで、悪路の先まで入っていって救援作業をこなせるという、なくてはならないロードサービスカーだ。

あらゆる依頼に応えられるよう、さまざまな救援用機材が積載されている荷室

あらゆる依頼に応えられるよう、さまざまな救援用機材が積載されている荷室

ダッシュボード上に、JAF専用のナビシステムを含む、3基の液晶モニターが並ぶ

ダッシュボード上に、JAF専用のナビシステムを含む、3基の液晶モニターが並ぶ

車内で書類を書く際に役立つ、室内天井の大型マップランプ

車内で書類を書く際に役立つ、室内天井の大型マップランプ

バン型ロードサービスカーの詳細はこちらの動画をチェック!

東京地区には1台しかない希少なロードサービスカー

バン型ロードサービスカーとJAF隊員

JAFロードサービスカーの中ではコンパクトな車両だが、他のロードサービスカーと比べて、機動力に優れているため、出動回数も多いという。東京地区にはこの1台しかないので(2024年5月9日現在)、見かけたら幸運と言えるかもしれない。

<次回予告>
次回は6月9日公開予定。
JAFロードサービスカーの中でもマルチな機能を持つ「多目的車」を紹介します!

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