テーマトーク:夏の思い出【1】

私は小学校３年生まで高知県で過ごし、その後奈良県に引っ越しました。夏になると、高知県に住む祖父が、ホタルを虫かごに入れて送ってくれました。今と違い、便利な宅配便があるわけではない時代です。発送して私の手元に届くまで、早くても2日を要したのではないでしょうか? 祖父からの荷物を受け取ると、残念なことに死んでしまったホタルも何匹かいましたが、光を放つ元気なホタルに、私は無邪気に喜んだものです。虫かごには杉の葉が詰めてあり、ただでさえ命が短いホタルが1日でも、1時間でも長く生き、私に光を見せられるような工夫がなされていました。

その祖父が亡くなって30年になります。私の今の住まいの近くにある川には、梅雨の季節になるとヘイケボタルが現れます。あの虫かごに入っていたのは、同じヘイケボタルだったのでしょうか? 祖父は私のためにどうやってホタルを捕ってくれたのでしょうか? 今となっては確かめることはできないのですが、毎年夏になると、祖父への思いが募ります。

私の夏の思い出は、小学生のとき、ガールスカウトでキャンプをしたことです。テントの設営をしたり、たき火で飯ごう炊さんをしたり、慣れない作業に苦戦したことを、今でも覚えています。

そんななかで楽しかったのは、マシュマロを火であぶって、チョコと一緒にクラッカーで挟むおやつを食べたことです。とてもおいしかったので、今でも時々家で作って食べています。ガールスカウトのキャンプでの楽しい出来事が甦（よみがえ）るようです。