テーマトーク：憧れの○○【1】

昨年地元に「生搾りモンブラン専門店」がオープンし、いつか行ってみたいとずっと気になっていました。しかし、いつも行列ができている人気店のため、なかなか入ることができませんでした。

先日行ってみた際、運良く席が空いていて、すんなり入店することができました。そして、人気メニューの「モンブランジェラート」を注文。SNSやテレビで見るオシャレなモンブランを心待ちに、食べる前からワクワクの気分でした。

席に着き、ようやく憧れの「モンブランジェラート」をいただきました。スポンジケーキと抹茶アイスの上に生搾りモンブランがのっており、ボリューム満点！ 生搾りならではのふわっとした食感で、魅力的ななめらかな口当たり。食べた人がみんな、虜（とりこ）になる理由がわかった気がしました。

学生時代、私は人並み以上にフォークソングが好きでした。特に井上陽水、吉田拓郎、かぐや姫に憧れて、ギターを買うため必死にバイトをし、念願のアコースティックギターを購入。見よう見まねでフォークソングをコピーしていました。その後、フォークソング好きの友人たちとバンドを組み、フォークソングやニューミュージック漬けの毎日でした。

しかし、私の就職が決まって働き出すと、次第にバンドのメンバーたちとは疎遠に。ギターも倉庫にしまい込んだままでした。

月日は流れ、定年退職し、時間の余裕ができて家の倉庫を片付けていると、ギターを発見しました。懐かしいギターを見て、久しぶりにまた弾いてみたいと思い、早速楽器店に修理を依頼。今では、憧れの井上陽水や吉田拓郎になりきってギターを弾き、日々人生を謳歌（おうか）しています。

私の娘は、早いもので3歳半になりました。2歳を過ぎる頃から、「スカートがいい！」「青はイヤだ、ピンクがいい」と服の好みを主張するようになりました。夜寝るときでさえ、よそ行きの服を着たがるなど困るときもありますが、娘なりに、ファッションを楽しんでいる様子です。

ここ半年ほどは、どこへ行くときでもお姫様の格好がいいと長いスカートをはいていた娘でしたが、スタジオジブリの『魔女の宅急便』を見てからは、主人公のキキに夢中です。私は、すぐ飽きてしまうのでは？ と思っていましたが、いまだにキキ熱は続いています。キキになりたくて、最近新調したデッキブラシと赤のリボン、それに黒い服を着て、娘は家の中を飛びまわる気分で、キキになりきっています。近所の子育てセンターへ出かける際もデッキブラシを持っていき、「まぁ、空を飛んで来たの？」と先生方に言われるたびに、娘は喜んでいます。

今は娘に、黒猫のジジが欲しいとお願いされ、その熱が冷めないうちに準備しておこうかと思っています。これから娘がどんな成長を遂げ、大人になるのか楽しみな毎日です。

私が免許を取得したのは、まだカーナビが今ほど普及していなかった頃です。子供のときから方向音痴だった私は、自分の運転で出かけるときは何日も前から地図でどのルートを通るか下調べをしていました。それでも当日は地図を片手に四苦八苦。なかなか目的地にたどり着けないことがよくありました。

こんな私ですので、あまり地図を見ないで目的地まで難なくたどり着いてしまう友人の車に乗ると、いつもその人に憧れと尊敬の思いを抱いてしまいます。

そんな私も、最近ではすっかりカーナビが頼りで、地図を見る機会が随分と少なくなりました。でも、たまには地図を見て学んで、遅まきながら少しでも方向音痴が改善できたらいいなと考えています。

私は大相撲が好きで、よくテレビ中継を見ています。中継を見ながら、各力士の取り組みはもちろん素晴らしいと思いますが、「呼び出し」の所作にも感心することが多いです。

呼び出しの仕事は、土俵を整えたり、力士への気遣いであったり。千秋楽では表彰式でのトロフィーの準備やマイクのセッティングなども行っており、きびきびとした動きで円滑な進行を支えてくれます。

大相撲の裏方の妙とでもいえるそれには、呼び出しの矜持（きょうじ）とでもいった心構えが感じられ、伝統ある大相撲を支えている存在だと憧れの目で見ています。