車庫入れ? 狭い道でのすれ違い? それとも○○?「苦手な運転状況」を大調査!
最近の交通事情から日常の気になることまで、さまざまなジャンルのアンケート結果を分析する「JAFMate総研」は、今月も世の中の潜在意識をちょっとだけ明らかにしていきます! 第3回では、JAF会員の「苦手な運転状況」について分析しました。
積雪・凍結路、右折に車庫入れ…
みんなの苦手な状況はこちら
豪雨や強風などの天候にはじまり、交差点での右折や車庫入れなど、運転していて「できれば避けたい」という苦手な状況がある、という方は多いのではないでしょうか。28の項目に分類した「苦手な運転状況」についての集計結果は以下の通りでした。
積雪・凍結路 55.5%
豪雨 48.2%
濃霧 46.6%
雨の日 38.9%
右折 38.9%
夜間 36.9%
強風 28.1%
狭い道でのすれ違い 22.9%
都市高速 20.6%
バック 20.4%
路肩への幅寄せ 17.2%
合流 13.8%
交差点 13.4%
自転車を追い抜く 13.0%
車庫入れ 12.2%
ジャンクション 12.1%
ラウンドアバウト(環状交差点) 11.6%
機械式パーキングへの入庫 11.2%
車線変更 9.0%
トンネル 8.5%
高速道路 7.9%
追い越し 6.4%
切り返し 4.4%
左折 2.9%
カーブ 2.8%
速い車に道を譲る 2.6%
下り坂 2.5%
上り坂 1.7%
(複数回答)
苦手と感じる状況として、やはり上位だったのが積雪・凍結路や豪雨、濃霧など天候によって道路状況や視界が悪化すること。中でも1位となった「積雪・凍結路」は、回答していただいたドライバーの半数を超える、55.5%の方が苦手と感じていることがわかりました。
- タイヤ交換をしても、雪道や雪解け道はいつでも不安です。最近そんな時は車に乗りません。(東京都・女性・60歳代)
- ずばり、雪道。冬に親の田舎へ帰ると必ず雪道。冬タイヤでも慎重に運転しなければならないので、地元の人のようには走れない。怖いです。(大阪府・男性・60歳代)
と、普段は雪と縁が深くない地域の方はもとより、
- 雪が固まってスケートリンクのようになった路面。ブレーキが利かず、ヒヤッとしました。(秋田県・女性・30歳代)
- 北陸の冬は、路面が凍り付いてつるつるになったとき本当に怖いです。(富山県・男性・60歳代)
といった、雪が多い地域の方からの意見も多数。ほぼ地域差もなく、全国のドライバーから「雪が苦手」という意見が寄せられました。
天候状況における視界や路面の変化が苦手という回答のなか、第4位(同率)にランクインしたのは、約39%の方が苦手と感じる「右折」。
- 片側一車線で右折レーンのない交差点で右に曲がろうとするとき、後続車がずっと並んでいるのを背後に感じてあせってしまいます。(山形県・女性・60歳代)
- 交差点で右折時、右後ろから自転車が横断歩道を走り抜けて、ヒヤッとしたことが何度もあります。(大阪府・女性・60歳代)
- 2車線の道路で、信号のない場所での右折。追突されるのではないかとハラハラしてしまう。ほとんどの場合遠回りして、右折をしないで済むようにしています。(沖縄県・女性・40歳代)
対向車が途切れたタイミングを見計らい、わずかな時間に曲がる緊張感はなんともいえないですよね……。
経験がものをいう?
年齢別の苦手な状況
苦手な運転状況について調査を進めると、運転経験や年齢によって、少しずつ違いがあることがわかりました。24歳以下のドライバーと、60歳以上のベテランドライバーの苦手な状況、上位10項目について比較したのが以下のグラフです。
視界が遮られる「豪雨」や「濃霧」、車両感覚が必要な「狭い道でのすれ違い」「バック」、タイミングが問われる「右折」などは、運転経験の少ない24歳以下のドライバーが特に苦手と感じている割合が高いことが明らかに。
- 毎回交差点での右折に緊張しています。すべての交差点が矢印信号だったらいいのになぁ……。(茨城県・女性・24歳以下)
- 狭い道を通るとき、どのくらい幅寄せしていいのかがわからなくていつもちょっと不安です。(富山県・女性・24歳以下)
- 雨がザーザー降りのときは前がよく見えなくて、いつも緊張します。(栃木県・男性・24歳以下)
といった、若年層ドライバーの声が多く寄せられました。車両感覚のつかみ方については、JAF Mate Onlineのドライバーのお悩み解決! 菰田潔の運転レッスン「どこまでが自分の車? 車両感覚をつかむ練習法」をぜひご覧ください。
逆に、年齢が高いドライバーが顕著に苦手と感じているという結果が出たのが「夜間」の運転でした。24歳以下の31.9%に対し、60歳以上のドライバーは38.7%。これは、年齢が上がるにつれて夜間視力が低下することに加え、白内障や緑内障などの罹患(りかん)率が上がり、視界に不安をもたらすことも原因と考えられます。
- かつては夜のドライブが大好きだったんですが、高齢になるとともに夜の運転はきつくなりました。(広島県・男性・70歳代)
- 加齢に伴う視力低下により、夕暮れ時から夜間にかけての見えづらさは困ります。眼球の動きも若いときと比べると劣ってきましたので、スピードにはより気を付けています。(福岡県・男性・60歳代)
さらに、分岐の標識や合流が多い都市高速が苦手と感じている方も、若年層よりも高齢層が多い傾向に。
- 一般道から高速道路へ合流するタイミングを計るときは、いつも大変緊張します。都内の高速道路を初めて走ったときは、一般道に降りる場所や分かれ道が多く、看板がたくさんあって、とても疲れました。(山梨県・女性・60歳代)
- 何本もの車線がある高速道路では、目的地に向かう車線にうまく乗れないときがある。カーナビや標識など、何を見るべきかわからなくなってしまう。(岩手県・男性・60歳代)
などの意見、共感できる方も多いのではないでしょうか。
まだまだありました!
ピンポイントな「○○が苦手」
自由記述でも「苦手な運転状況」にはさまざまな意見が寄せられました。地域性のあるピンポイントな「苦手」には、同じ道を走行した経験のある方は「わかる!」と声が出てしまうのではないでしょうか?
- 北海道・十勝岳の山道。道路全体が斜めなので、大型二輪でツーリングをすると「止まれ」の標識で立ちゴケしそうになります。(北海道・男性・60歳代)
- 峠越えや秘湯めぐりのときの山道。片側が崖になっていたり、沢沿いだったり、しかも車が1台しか通れない幅の道やガードレールがない道は、肩に力が入り冷や汗をかいてしまいます。(宮城県・男性・年齢非公開)
- 路面電車が走っている道路。電車と並走するのも苦手だし、線路を横切って右折するときはタイミングを計りづらいし、線路の上を通る感覚も怖い。(愛媛県・女性・40歳代)
- 降灰時。運転していても前が見えにくいし、歩行者も帽子を深くかぶっていたり、傘で前を覆うようにしているので、より注意が必要。(鹿児島県・女性・50歳代)
- バイクで混雑するベトナム・ホーチミンを走行したとき。(福井県・男性・70歳代)
ほかにも、悩みは人それぞれ多岐にわたりました。ピンポイントな「○○×○○の状況」としては、
- 高速道路でのカーブで、隣の車線に大型車がいるとき。吸い込まれそうな感覚になります。(広島県・男性・60歳代)
- 雨天時に、マンホール等の上を通過する瞬間。緊張します。(長野県・男性・50歳代)
- 道の端が溝になっている狭い道でのすれ違い。緊張感が段違いです。(広島県・男性・50歳代)
- ヘアピンカーブでの左回り。右は大丈夫なんですが、先が見えづらい分、左カーブだけ苦手な気がします。(兵庫県・男性・60歳代)
という具体的な意見も。
さらには、
- 発進するとき、人に見送られるのが苦手です。ディーラーからの帰り、店員の方がいつまでも立って見送ってくれたり、「オーライ、オーライ」と車を誘導されると緊張してしまいます。(栃木県・女性・60歳代)
- よく話しかけてくる上司がいるときの運転。気を使いつつ、緊張しつつ……本当に苦手です。(埼玉県・男性・40歳代)
- 夫が助手席に乗っているとき。私の運転が信用できないらしく、ブレーキのタイミングや車間距離をいちいち指図してくるので、かえって運転しづらい!!(秋田県・女性・50歳代)
など、「運転×人が苦手」という意見も散見されました。
苦手な運転状況は人それぞれ。運転には十分に気を付けつつ、周囲のドライバーにも優しい運転を心がけたいものですね。