滝室坂道路の航空写真2枚。左は波野IC側で国道57号から山中のトンネル坑口へ延びる道路、右は一の宮IC側で田畑の間からトンネル坑口へ延びる道路が写っている
左は波野IC側、右は一の宮IC側の整備状況。両ICを結ぶ滝室坂道路6.3kmのうち、約4.8kmが滝室坂トンネルとなる(2026年8月撮影)(画像=国土交通省九州地方整備局熊本河川国道事務所)

【熊本】阿蘇の難所・国道57号「滝室坂」をトンネルで回避! 滝室坂道路が11月28日開通

急カーブと急勾配が続く峠道を回避。通行止め時は阿蘇市~竹田市間で約45分短縮、通行無料

熊本県阿蘇市の国道57号・滝室坂(たきむろざか)と並行する滝室坂道路の波野(なみの)IC~一の宮(いちのみや)IC間6.3kmが、2026年11月28日午後4時30分に開通する。無料で通行できる自動車専用道路で、区間の大部分を延長4.8kmの滝室坂トンネルが占める。

開通により、急カーブと急勾配が続く峠道をトンネルで回避でき、冬季の走行性や安全性の向上が期待される。また、滝室坂が通行止めになった場合、阿蘇市から竹田市までの所要時間は、迂回ルートの約86分から約41分に短縮される見込みだ。ただし、125cc以下の二輪車は通行できない。

目次

滝室坂道路は通行無料。125cc以下の二輪車は通行不可。一の宮ICへのアクセスは?

国道57号の一の宮IC入口交差点、県道内牧坂梨線、一の宮ICの位置関係を示した案内地図。交差点から北へ約700mの場所に一の宮ICがある

一の宮ICは国道57号に直接接続していない。阿蘇市街側からは「一の宮IC入口交差点」を曲がり、県道内牧坂梨線を北へ約700m進む(画像=国土交通省九州地方整備局熊本河川国道事務所 )

11月28日午後4時30分に開通するのは、阿蘇市波野の波野IC~阿蘇市一の宮町坂梨の一の宮IC間6.3km。熊本市と大分市を結ぶ中九州横断道路の一部で、国道57号の滝室坂の北側に並行する新しいルートとなる。開通区間は無料の自動車専用道路で、125cc以下の二輪車や自転車、歩行者は通行できない。

一の宮ICは、国道57号に直接接続していない。阿蘇市街側から利用する場合は、国道57号の一の宮IC入口交差点から県道内牧坂梨線に入り、北へ約700m進むと一の宮ICに至る。初めて利用する際は、入口の位置を事前に確認しておきたい。

国道57号「滝室坂」は最大8%の急勾配。雪による通行規制の割合は県内直轄国道の約4倍

雪が積もった国道57号・滝室坂で車両が立ち往生している様子。道路や周囲には雪が積もっている

2025年3月18日、積雪した国道57号・滝室坂で車両が立ち往生。急勾配とカーブが続く区間では、冬季にスリップやスタックが発生することもある(画像=国土交通省九州地方整備局熊本河川国道事務所 )

国道57号の滝室坂は、急カーブと最大8.0%の急勾配が続く難所だ。正面衝突や車両単独事故の割合が熊本県内の国が管理する国道と比べて高く、トラックの積み荷などが落下する事故も発生している。

また、標高が高いため、冬は積雪や路面凍結の影響を受けやすい。雪による通行規制の割合は、県内の国が管理する国道全体の約4倍で、死傷事故の約5割が冬季(11月~3月)に発生している。

滝室坂道路の開通により、こうした急カーブや急勾配、路面凍結が発生しやすい区間をトンネルで回避できるようになり、冬季の走行性や交通安全性の向上が期待される。

滝室坂道路の開通で約45分短縮! 国道57号・滝室坂の通行止め時に効果

阿蘇市役所から竹田市役所までの3つの走行ルートを示した地図。国道57号を通る通常ルート、国道212号・442号を経由する迂回ルート、滝室坂道路を通る整備後ルートが色分けされている

阿蘇市~竹田市間の所要時間は、平常時の約46分に対し、滝室坂の通行止め時は迂回により約86分。滝室坂道路の開通後は約41分となる見込み(画像=国土交通省九州地方整備局熊本河川国道事務所 )

滝室坂は、大雨による通行止めが繰り返されてきた区間でもある。2012年7月の九州北部豪雨では斜面が大きく崩れ、仮復旧までの40日間、全面通行止めとなった。その後も大雨による事前通行規制が実施され、2022年は約17時間、2024年には約19時間の通行止めが発生している。

滝室坂が通行止めになった場合、国道212号や国道442号などを経由する迂回が必要となり、阿蘇市から竹田市までの所要時間は約86分となる。滝室坂道路の開通後は約41分となり、約45分の短縮が見込まれる。平常時も約46分から約41分へ、約5分短縮される見込みだ。

新しいルートは、豪雨や地震などの災害時に代替路としての役割も担う。また、熊本県で消費されるガソリンなどの石油製品は、大分市からの陸送が中心で、その多くが国道57号を経由している。滝室坂道路の開通は、物流の安定にもつながるとみられる。

中九州横断道路の整備状況は? 大分方面は波野ICから国道57号を利用

中九州横断道路は、熊本市と大分市を結ぶ延長約120kmの高規格道路だ。今回開通する滝室坂道路はその一部で、熊本~大分間の全線開通ではない。

滝室坂道路の東側、波野ICから竹田市方面の竹田阿蘇道路22.5kmは現在も事業中のため、大分方面へ向かう場合、波野ICから先はこれまでどおり国道57号を利用することになる。

大分県側では、竹田IC~犬飼IC間が開通しており、熊本県側の大津町~熊本市でも事業が進められている。今後、未開通区間の整備が進むことで、熊本~大分間の移動がさらに便利になると期待されている。

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