ながらスマホ防止から軽量電動車いすまで、オートモーティブワールドで見つけた最新技術|自動車交通トピックス
文/写真=萩原文博

ながらスマホ防止から軽量電動車いすまで、「オートモーティブワールド」で見つけた安全&快適技術

クルマの最先端技術が一堂に介したイベントが東京ビッグサイトで開幕

クルマの先端技術を一堂に集めた専門展である「オートモーティブワールド」が2026年1月21日、東京ビッグサイト(有明)で開幕した。国内外から1,850社の最新技術が出展されるなか、エンドユーザーの安全性や快適性に関連する最新技術をピックアップして紹介しよう。

目次

ながらスマホ運転を防止する自動ロック機能

走行中と検知した場合のスマホのロック画面

法人向けのクラウド型車両管理システム「Mobility+(モビリティ)」に、運転中のスマホロック機能」を開発。現在は法人向けだが、一般ユーザー向けにも採用が広がりそうな安全技術だ

まずは、セイコーソリューションズ株式会社が法人向けのクラウド型車両管理システムとして開発した「Mobility+(モビリティ)」。アルコールチェックを行わないとエンジンが始動しない「アルコールインターロック」機能や、スマホのアプリでクルマの施錠・解錠が行える「デジタルキー」機能を提供している。今回は新機能として、“ながら運転”を防止する「運転中のスマホロック機能」を参考出展した。

この機能はスマートフォンのGPSを利用して運転中であることを検知すると、自動的にスマートフォンの画面をロックし、操作できないようにする機能。運転中のスマートフォン操作や通話制限だけでなく、ロックを解除した場合は管理者へ通知される仕組みとなっているのも特徴だ。

インホイールモーターを採用した軽量車いす

インホイールモーターを採用した電動車いす写真

コアレスモータとカルバオンが販売している電動車いすは、インホイールモーターをはじめフレームにカーボンを採用することで重量をわずか13.5kgに抑えている。また、コンパクトに折りたためるため、クルマへの搭載も楽になった

電動化技術のひとつとして、以前から注目されているのが「インホイールモーター」。なかなかクルマでは実用化されていないが、インホイールモーターを製造しているコアレスモータ株式会社は、軽量カーボンファイバー製電動車いすをカルバオン株式会社とともに開発し、49万8000円で販売した。

電動車いすにインホイールモーターを使用するメリットは大きく、モーターがホイール内に収まるため、全体をコンパクトに折りたためる。また軽量・高剛性のカーボンをフレームに採用することで、バッテリーを含んだ重量をわずか13.5kgに抑えている。充電時間は約5時間で走行距離は最大約15kmを実現している。移動の自由を提供する電動車いすが軽量、コンパクトになることで、クルマに積みやすくなるなど非常にメリットが大きいようで、すでに多くの受注を受けている。

自動運転を実現する高度なナビゲーション技術

ディスプレイオーディオに対応した「FusionSync」の写真

ゼンリンは地図データに加えて、コネクテッドサービスを強化するため、アメリカのAbalta社を買収。今回は「XD-MAP」のパネル展示に加えディスプレイオーディオに対応した「FusionSync」も出展

続いては今ではドライブの必需品となっているカーナビの新技術。カーナビゲーションの地図データを提供しているゼンリンは現在、「HD-MAP」と呼ばれる自動車専用道路の高精度地図を提供しているが、今回は「XD-MAP」と呼ばれる開発中の一般道の高精度地図を展示した。この自動車専用道路「HD-MAP」と一般道の「XD-MAP」をゼンリンデータコム製のコンバータにより変換すれば、各種シミュレーションや分析などにも活用可能で、完全自動運転の実現のスピードがさらに加速すると期待されている。

またゼンリンは、買収したアメリカのAbalta社とともに「webLink4.0」そして「FusionSync」という2つのコネクティッド技術を展示。「webLink4.0」はスマートフォンをミラーリンクすることで、多彩なエンターテインメントアプリを利用できる。また「FusionSync」は今流行しているディスプレイオーディオなどのヘッドユニットに組み込んだソフトウェアで、スマートフォンだけでなく、TCU(テレマティクス制御ユニット)にも対応。映像・音楽配信に加えて、アプリのオンライン購入も可能なサービスとなっている。

安全装備に欠かせないカメラのレンズも進化している

クルマに採用される赤外線カメラのレンズ写真

ゲルマニウムを使用しなくても高強度、耐候性を実現した赤外線カメラのレンズ。これが普及すれば運転支援システムのコストが下がる可能性は高くなる

最後に紹介するのは、運転支援システムに欠かせないカメラ。現在、クルマに装着されるカメラの遠赤外線レンズには、強度や耐UV、耐雨といった耐候性、そして気密性を高めるため、ゲルマニウムやカルコゲナイドガラスなどが使用されている。しかしその一方で、ゲルマニウムは毒物のため規制がある。

住友電気工業が開発したレンズは、高強度の硫化亜鉛(ZnS)材の適用で保護窓に必要な強度を確保。さらに最外層へのDLCコートを採用することで、高い耐候性を実現している。高価な保護窓レス化により、遠赤外線カメラの低コスト化も実現している。また硫化亜鉛は日本国内において毒物および劇物取締法の対象外となっているので、安心して使用可能だ。

一つ一つの技術は小さな進歩のように感じるが、こうした最先端技術を積み重ねることで、自動運転やコネクティッド、さらに電気自動車の性能向上が実現すと実感した。

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