キャッシュレス支払いのイメージ

自動車税の納付書が届いたら、スマホやカードでキャッシュレス納付! そのメリットと注意点とは?

【2025年度】FPが解説! 自動車ユーザーの義務である「自動車税」支払いで少しでも家計の負担を抑える方法
宇野源一

クルマを持っていると例年5月に必ず訪れるのが、自動車税の納付。1度に数万円以上支払う必要があるため、痛い出費となりがち。近年ではクレジットカードやスマホのモバイル決済(バーコード決済)といったキャッシュレスで自動車税を納付できるようになったが、現金納付とどのような違いがあるのだろうか。この記事ではファイナンシャル・プランナー(FP)の宇野源一氏が、自動車税のキャッシュレス納付について、そのメリットと注意点を解説する。

目次

自動車税の納付で利用できるキャッシュレス決済

2025年度は、自動車税の納付において、下記の種類のキャッシュレス決済が利用可能だ。

クレジットカード
スマートフォン(スマホ)決済: PayPay、PayB、auPAY、ファミペイ、d払い、楽天ペイ等
チャージ式の電子マネー: nanaco、WAON等
Pay-easy(ペイジー)

なお、これらの決済方法は自治体によって対応しているものとしていないものがある。納付前にお住まいの自治体のホームページや自動車税の納付書を確認しよう。

日常生活で無視できないキャッシュレス納付の4つのメリット

自動車税をキャッシュレス決済できるということは知っていても、現金納付と比較してどのような違いがあるのだろうか。

お得な還元制度が活用できる
キャッシュレス決済を使うことの大きなメリットは、決済を利用することで得られる特典だろう。事前にスマホアプリにチャージしておくことでチャージ金額に応じてポイント還元が受けられるもの、決済時にも支払った金額に応じてポイント還元されるクレジットカードもある。現金納付ではこれらの還元がなく、キャッシュレス決済の大きなメリットだ。また、クレジット決済やスマホ決済の場合、この時期限定でキャッシュバックやポイントが当たるキャンペーンが行われることがある。事前にチェックすることがおすすめだ。

わざわざ支払いに出向く必要がない
自動車税を現金で納付する場合は、最寄りの金融機関の窓口やコンビニエンスストア、あるいは都道府県税事務所、市区町村役場まで行く必要がある。
一方、キャッシュレス納付の場合はいつでも自宅にいながら自動車税の納付ができる。活用すべき時短術と言ってもいいだろう。

カードの引き落としで支払いを“先延ばし”して “平準化”できる
自動車税を納付する5月、自治体によっては6月にかけて、 固定資産税や住民税といった他の税金の納付と時期が被ってしまう人もいるだろう。また、複数台クルマを所有している人は10万円以上の出費となることもある。クレジットカード決済やクレジットカードを併用したスマホ決済を利用すると、納付日とカードの締日の差によって6月もしくは7月の引き落としとなるため、計画的に利用すれば高額な出費を平準化できる。

“クレカ修行”として有効活用できる
支払いとはちょっと離れてしまうが、保有しているクレジットカードによっては年間の利用額によって得られる特典の算定に利用可能だ。年間の累計額に応じてさらにポイント還元されたり、ランクアップしたカードが届いたりするクレジットカードもある。こうした特典を目的にカードを利用する、いわゆる「クレカ修行」をしている人にとって、自動車税をカード払いにすると効率的だろう。

落とし穴もある? クレジットでの納付のデメリット

メリットの一方で、自動車税のキャッシュレス納付した場合、デメリットと注意点もあるので紹介しよう。クレジットカードで自動車税を納付しようとすると、別途金額に応じた手数料を支払う必要がある。例えば東京都で自動車税をクレジットカードで納付しようとすると、最初の1万円までは37円(税抜)、以降1万円ごとに75円がシステム利用料という名目で加算される。排気量によっては納付時の金額が数百円高くなるため、得られるポイントと加算される利用料の差額を理解した上で納付することをおすすめする。

また、スマホ決済の場合はこうした手数料がかからないが、通常の支払い時に付与されるポイントが、自動車税などの請求書払いについては付与されない、という点にも注意が必要だ。

また、車検の時期が自動車税の納付時期と近いという方は、キャッシュレス納付の場合は納税証明書が発行されないことには注意しておきたい。車検を受けるには自動車税を納税していることが必要だが、キャッシュレス納付の場合は納税情報が運輸支局に登録されることで納税証明書が不要となる。ただし、登録には日数がかかるため、5月中に車検の期限を迎える、という場合は現金で納付して納税証明書を受け取ることも考えよう。

自動車税のキャッシュレス納付は使い方次第でお得に。自分に合った納付方法をチョイスしよう

キャッシュレス決済で自動車税を納付することは、支払いに要する手間がかからない点が大きなメリットで、その他は人によってメリットと感じるかどうかが異なってくる。クレジットカードの場合、還元率の高いカードなら支払った手数料よりも多くのポイント取得という形で手元に戻すこともできるだろう。まとまった出費を減らしたい人は手数料を支払ってでも先延ばしできるのはメリットになるはずだ。

キャッシュレス納付のメリットとデメリットをこの記事でご理解いただき、自分に合った納付方法を選択していただきたい。

クルマによっては今年の自動車税が急に高く(安く)なる!?

クルマを長い間保有していると自動車税が高くなるというのを聞いたことがあるだろう。ガソリン車の場合、クルマの初度登録から13年を超えるとグリーン化特例という制度によって自動車税が約15%上がる仕組みとなっている。実はグリーン化特例には自動車税が安くなる制度も設けられているのはご存知だろうか。

条件を満たしたクルマの場合、初度登録の翌年度分の自動車税が50〜75%軽減される。クルマを買い替えた翌年にきた納付書を見て「あれ、安くなってる」と感じたら、その特例が適用されているはずだ。ただし、この特例は3年目以降は適用されないので、「昨年よりも自動車税が高くなってる」と感じる人もいるだろう。

宇野源一

うの・げんいち 大学卒業後、大手メーカー系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。2018年よりライターとしても活動。FP視点でのカーライフを提案することが得意。

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