線状降水帯の半日前予測が2024年5月27日から各地方から原則都道府県単位に
避難対策の明確化に期待!気象庁は、2024年5月27日から線状降水帯の半日前予測を地方別から県単位にすると発表した。 従来の地方別よりも予想範囲が限定的になるため、ドライバーの迂回ルートや避難対策の明確化が可能になる。そのため、早い準備で豪雨災害から身を守る行動をとりやすくなると予想される。
地方から県単位になり迂回対策が取りやすくなる
2024年から開始する府県単位での呼びかけ(全般気象情報)
線状降水帯が発生すると豪雨をもたらし、大雨災害発生の危険度が急激に高まる。気象庁は線状降水帯による大雨の可能性が予測された場合、半日程度前から避難やとるべき行動の呼びかけを行っているが、2024年5月27日より対象地域をより絞り込んで発表されるようになった。
従来は上図のように全国を11単位に分けて発表していたが、気象庁のスーパーコンピューターの精度向上により2㎞ごとの局地的な天気予報が18時間先まで予測できるようになった。今後は日本全国を59ブロックに分けて線状降水帯の発生危険区域を発表する。基本的には県単位での発表だが、北海道は7つ、東京は3つ、鹿児島は2つ、沖縄は4つに細分化された。
線状降水帯は夜間に発生する場合が多く、予想が細分化されれば自分事にとらえやすくなるため、明るいうちからの避難につながりやすい。加えて、ドライバーは安全なルートを選択できる、早い段階から避難の準備をして豪雨の危険から身を守る行動がとれる、などメリットが期待される。
気象庁の分析精度が上がり線状降水帯の見逃しが減少
気象庁のスーパーコンピューターの精度が上がったため、気象庁の分析調査によれば、予測できずに、線状降水帯が発生する見逃しの確率が「3回に2回」から「2回に1回」に減少している。
大雨の予報が出たら、気象庁のホームページを確認して欲しい。
トラブルを未然に防ぐ対策が重要
顕著な大雨に関する気象情報(令和5年8月6日)
気象庁から線状降水帯の発生予想がされたら、身の安全を確保するため発生予想地域には出かけない、自宅にいる場合は高台など安全な場所や、時間がない場合は自宅の2階などへ避難をする必要がある。車の運転中は状況に応じた対応が必要になる。
すでに高い水位になっている場合は車を道路の端に停めて、脱出して避難すること。時間に余裕がある場合は高台、もしくはショッピングセンターの屋上駐車場に車で向かうなど、情報を確認しながらの対応が必要だ。
市町村から避難情報が発表されていない場合でも、急激に状況が悪化するおそれもある。気象庁が情報発信をしているキキクル(危険度分布)
や国土交通省が情報発信をしている川の防災情報
を確認してほしい。トラブルを未然に防ぐために、危険が予想されている場所に近寄らず安全な場所へ避難することを心がけよう。