どんな自転車も「電アシ化」できる? ホンダが新サービスを発表

新サービス「SmaChari(スマチャリ)」とは

自転車には多くの種類や形があるが、すべてのタイプに電動アシスト自転車が用意されているわけではない。そこで注目したいのが、さまざまな自転車を電動アシスト化して、かつスマートフォンアプリによってコネクテッド化できる「SmaChari(スマチャリ)」。ホンダが発表したこの新サービスは、どんな内容なのだろうか?

目次

普通の自転車を電動アシスト化するサービスとは

スマチャリのビジネスモデル

SmaChari(スマチャリ)のサービスイメージ(画像提供=ホンダ)

まず、SmaChariはスマホのアプリと電動アシストユニットの2つから構成される。このユニット単体での個人購入は、残念ながらできない。企業が電動アシストユニットを搭載した自転車を製造・販売するかたちで、ホンダはこれら企業に、SmaChariを運用・管理するコネクテッドプラットフォームを有償で提供するのだ。アシスト機能を持たない普通の自転車を製造・販売している企業にとっては、このサービスを利用することで、容易に電動アシスト自転車製造・販売に取り組めるメリットがある。ユニットには、国内法規に適合した出力制御技術が盛り込まれており、型式認定取得にも対応しているためだ。
では、個人ユーザーのメリットはなんだろうか。

「つながる」自転車で楽しみ方無限大

スマホアプリイメージ

スマホアプリで車両状態や走行確認など多様な情報を管理できる。(画像提供=ホンダ)

ホンダは、個人ユーザーにスマートフォンアプリを提供する。このアプリは、電動アシストシステムの起動や個人に合わせたアシスト出力の最適化、速度など走行状態やバッテリー残量の表示、故障の検知、走行データ管理、位置情報の共有、所有者情報の管理など多様な操作や情報取得が可能だ。
具体的には、SmaChari搭載自転車のユニットのロック解除はスマホ(NFC対応。非対応スマホの場合アプリ操作)で行う。スマホが自転車システムのカギのようになるので、盗難対策の一助にもなるというわけだ。アプリ操作によってスマホ上でキーの貸し借りも可能だ。アプリ内では、走行距離や消費カロリーなどのデータも記録される。これらのデータ管理ができるだけでなく、自転車のアシスト力を自分好みの特性に変更することもできるのだ。

ホンダが電動アシスト自転車に取り組んだワケ

スマチャリ走行風景

(画像提供=ホンダ)

このサービスを考案した開発者は、自身が学生のときに通学で使っていた自転車が電動化できたらどんなに便利だろうかと想像していたのだという。そこで、開発者となった今、全国の高校生2,708人に聞き取り調査を行ったところ、48%にあたる1,278人が自転車通学に体力的負担を感じており「電動アシスト自転車が欲しい」と回答したのだ。一方で「電動アシスト自転車の機種が限られる」、「電動アシスト自転車は欲しいが盗難が怖い」などの意見も多く見受けらたことから、こうした通学課題を解決すべくシステムを考案したというわけだ。

後付けユニット搭載の自転車登場

スマチャリ車体

SmaChari搭載第一号となる「RAIL ACTIVE-e」(画像提供=ホンダ)

このSmaChariを搭載した第一号車が、ワイ・インターナショナルより2023年9月に発売予定だ(写真上)。価格は220,000円(消費税込み)。同程度の電動アシスト付きスポーツ自転車に比べて割安な設定となっているのは、後付けユニットならではのメリットだろう。また、車体重量は15kgと電動アシスト車としては軽量だ。バッテリー+システムは飲料ボトルを入れる部分を流用して装着、モーターはクランク下に搭載される(写真下)。

(画像提供=ホンダ)

ホンダは、今後幅広い自転車へのSmaChari搭載を目指すとともに、システムを継続的に進化させていくとしている。ハードウエアの個人販売を期待したくなる、そんなサービスが始まった。

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