後席では約6割がシートベルト非着用(一般道路)! 警察庁とJAFが着用率を公表
前席の着用率は9割を超えているが、後席の着用率は依然上がらずJAF(日本自動車連盟)は2022年10月11日~12月3日までの間、警察庁と合同で「シートベルト着用状況全国調査」を実施し、その結果を2023年2月17日に公表。下記リンクの報告書には、後席シートベルトの着用が義務化される前年の2007年からの着用率の推移、都道府県別の着用率も掲載されている。
前席の着用率は9割以上。後席は依然として着用意識が低く…
下図は全国885箇所で調査した結果の一部で、運転席でのシートベルト着用率は一般道路で99.1%、高速道路等で99.6%、助手席でもそれぞれ95%を超える結果となったものの、後席での着用率は一般道路で42.9%、高速道路で78.0%だった。
高速道路の後席においては、2002年の合同調査開始以来過去最高となったものの、2008年の後席シートベルト着用義務化から10年以上経っているにもかかわらず、依然として後席の着用率は他の座席に比べて低い状態で推移している。
とくに一般道路での装着率は42.9%と、いまだ6割近い人がシートベルトを装着していないことがわかり、改めて後席でのシートベルト着用の重要性が十分に浸透されていないことを示す結果となった。
後席での非着用は前席の同乗者にも危険を及ぼす!
交通事故の際、後席でシートベルトをしていないと以下の危険性があるという。
- 1.車内の構造物(ピラーやシートなど)に激突し、自らが傷害を負う危険性
- 2.運転者や助手席同乗者へぶつかり、危害を加える危険性
- 3.窓などから車外に放出される危険性
上記1と3の危険性については、警察庁が2012年から2021年の10年間に後席シートベルト非着用によって死亡した人を調査した結果、車内のシートやピラー、フロントガラス等に衝突して死亡した人が587人(66.3%)、車外放出による死亡者が223人(25.2%)に上っていることから明らかだ。
また、警察庁は2017年から2021年の5年間の後席シートベルト非着用時の致死率(死傷者数に占める死者数の割合)も調査しており、高速道路では着用時の約19.4倍、一般道路では着用時の約3.5倍、致死率が高いという。
上記2の後席でシートベルトをしていないと前席の同乗者にも危害を加える危険性については、JAFユーザーテストで行った衝突実験で、シートベルト非着用の後席ダミーは前方に投げ出され、運転席ダミーをシートごと押しつぶし、頭部に重大な損傷を負わせることが確認されている(下記動画参照)。
以上のように、前席と同じように後席でもシートベルトの重要性は明らかで、道路交通法でも全ての座席でシートベルト着用が義務付けられている(高速道路での違反は行政処分の基礎点数1点が付される)。
なお、JAFでは下記特設サイト「後席シートベルトの安心力」などで、正しい着用方法や非着用時の危険性などについて動画や画像でわかりやすく解説しているので、ドライバーの人は参考にして、助手席や後席に同乗する人へシートベルトの着用を促すようにしたい。