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マークⅡやセド・グロにもバンがあった!
今見るとレトロで渋い、昭和・平成初期の国産商用車

配送だけじゃない、あの日を思い出す仕事グルマたちの魅力

2024.03.20

構成=ダズ / 文=岩田直人

2024.03.20

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1年点検を受けると、だれにでもチャンス

商用車、つまり仕事グルマとして主に荷物の運搬に使われる車。今ではワンボックスカーや軽バン、一部のワゴンタイプが主流で、車種ラインアップもそんなに多くはありません。しかし昭和・平成初期は、あらゆる車にバンの設定があり、商用車ならではの魅力が楽しめました。通の心を刺激する、懐かしの商用車を振り返ってみましょう。

あの頃の商用車は車種多彩
人気の乗用車にもバン設定があった

日産・スカイラインバン(1972年登場)

日産・スカイラインバン(1972年登場)

私たちの生活の中で、常に身近な存在である「商用車」。ドアに会社の名前を掲げて得意先回りをしているバン。工具や資材を車内にたっぷり積み込んで、工事現場へと向かうワンボックス。畑で収穫した農作物を荷台に載せた軽トラック。これらのほとんどが商用車である。

一般的な家庭が通勤や通学、お買い物や休日のドライブなどを目的に所有しているミニバンやコンパクトカーなどの「乗用車」とは、一体何が違うのだろうか? そもそも、商用車と乗用車ではメインとなる用途がまったく違うのである。乗用車は、ドライバーはもちろんのこと、助手席や後部座席の乗員を最優先した設計となっている。快適装備が充実しており、内外装の質感や静粛性も追求。乗り心地や燃費の良さも考慮するなど、日常生活における快適性を重視している。

一方商用車は、その名の通り仕事などで荷物を運ぶために作られた車である。ボディ形状は箱型のワンボックス(トヨタ・ハイエース、日産・キャラバンなど)、全高を抑えてステーションワゴン風に仕立てた2ボックス(トヨタ・プロボックス、日産・ADなど)、キャビンと荷台で構成されるトラック(いすゞ・エルフなど)が主流。小回りが利くなどの利点から軽自動車にも商用モデルが設定され、各社ワンボックス(スズキ・エブリイなど)とトラック(ダイハツ・ハイゼットトラックなど)が用意されている。

これらの車は荷室や荷台スペースを重視して開発されており、どれだけ多くの荷物を積めるかだけではなく、荷物の出し入れのしやすさにも配慮。足まわりも車によっては一般的なバネタイプではなく重量物に対応した板状のリーフスプリングを採用していたり、タイヤハウスの出っ張りを抑えて荷室スペースを広げるためにリアのタイヤを小径にするなど、商用車ならではの工夫も見られる。また人よりも荷室優先のためか、エアコンやパワーウインドーなどの快適装備類もひと昔前の商用車だと省略されていた。しかし現在はどの車も上級グレードを中心に快適装備が設定されており、ドライバーにも優しい仕様になっている。

乗用車と商用車の見分け方は車の作りだけではない。まずナンバープレートだが、地名の横に書いてある3ケタ(年式により1〜2ケタ)の数字に注目したい。これは「分類番号」と呼ばれる車の用途を示した数字で、頭の数字が「5」や「7」、「3」だと乗用車、「4」もしくは「1」は商用車という扱い。さらに最大積載量やボディサイズに応じて4は小型貨物自動車、1は普通貨物自動車と細かく分類される。また車検の有効期限も乗用車は初回3年、2回目以降は2年に対し、商用車は初回2年、2回目以降は1年となる(軽商用車は初回・2回目以降ともに2年)。商用車はハードな使われ方や走行距離数の増加などで消耗品が早く傷む傾向にあるため、車検のスパンが短いのだ。そして最大積載量を表示したステッカーも商用車の証。最大積載量をリアゲートなど車両の後方に明記していないと車検に通らないため、リアまわりを見ればすぐに判断できる。

現在新車で購入できる商用車は、いわば最初から商用前提に開発されたモデルが大半。外装の一部が未塗装であったり、ボディカラーが混じりっ気なしのホワイトであったりと、そこはかとなく漂う「商用車感」により見た目で判断しやすかったりする。しかし長い国産車史を振り返ると、今では高級車として浸透している車にも商用車の設定があったり、企業の看板車に最適であるユニークなボディ形状の商用車が発売されたりと、個性あふれるラインアップだった。そこで懐かしく、今でも新鮮に感じる当時の商用車を掘り下げてご紹介しよう。

ハイエースの弟分的ワンボックスカー

トヨタ・ミニエース(1968年登場)

トヨタ・ミニエース(1968年登場)

トヨタ・ミニエース(1968年登場)

トヨタの現行型商用バンといえばハイエース、そしてひと回りコンパクトなタウンエースバン。タウンエースバンは全長4065㎜と商用車の中でも小さく街乗り派にも人気だが、それよりさらに小さい全長3585㎜のバン「ミニエース」が1960年代後半に販売されていた。ベースはトヨタ初の大衆車パブリカで、67年にキャブオーバー(エンジンの上に運転席がある)タイプのトラックが、翌68年に7人乗りワゴン仕様のコーチとバンがデビュー。バンの最大積載量は乗車人数によって異なり、200~400㎏とされた。ライトの間に設けられたベンチレーター(風の取り入れ口)が新鮮。

ハッチバックを開いた様子

全長3585㎜と小さいが、エンジンが前席下にあるキャブオーバータイプなので、荷室はフラットで広々。同サイズで7人乗りの乗用車(コーチ)もあった

これがなぜ商用車?

ダイハツ・フェローバギィ(1970年登場)

ダイハツ・フェローバギィ(1970年登場)

ダイハツ・フェローバギィ(1970年登場)

見た目はいかにも四輪バギー。オフロードコースで遊ぶためのミニカーかと思いきや、この状態でナンバー付きの軽商用車として販売されたというから驚き。360ccの軽商用車であるフェローピックアップをベースに、1970年に100台限定で販売されたのがダイハツ・フェローバギィ。ボディは鉄板ではなく、FRPと呼ばれる強化プラスチックを採用。脱着可能な幌が付属しており、ドアもないからかなり開放的。2人乗りで後方に荷物を置くスペースを設け、最大積載量150㎏の軽トラック扱いとなる。だからこんな見た目でも、一応軽商用車なのである。

フェローピックアップ

シャシーのベースは、1967年に発売された同じくフェローシリーズのピックアップ。こちらも全長2995㎜とコンパクトなサイズ

前面タイヤがかわいすぎる

ホンダ・バモスホンダ(1970年登場)

ホンダ・バモスホンダ(1970年登場)

ホンダ・バモスホンダ(1970年登場)

バモスといえばホンダの軽ワンボックスを思い浮かべる人も多いと思われるが、名前のルーツは1970~1973年に販売された360ccのバモスホンダ。車の名前に企業名を入れるのは珍しいが、それよりもレアなのがボディ形状。幌が装備され、ドアの代わりに転落防止のパイプが付くといういでたちは、まるでゴルフ場のカートのよう。だが表情は前方のスペアタイヤを含めて愛きょうたっぷり。後部に荷台スペースを確保し、最大積載量は350㎏。2人乗りと4人乗りが設定されたが、あまりにも奇抜すぎるデザインゆえに生産台数は約2500台にとどまった。

正面の様子

大型一体プレスのフロントパネル中央にはスペアタイヤを装着するユニークな顔付き。設計時、万が一の際のショック吸収用とも考えられていた

4WDを売りにしたエステートバン

スバル・レオーネ4WDエステートバン(1972年登場)

スバル・レオーネ4WDエステートバン

4WD車といえばオフロードタイプが常識だった時代に、ワゴンタイプの4WDモデルとして登場したエステートバン。エンジンは77馬力の水平対向4気筒の1361㏄

伝統の水平対向エンジンや優れた四駆性能と、技術力の高さに定評のある車。レガシィ アウトバックやレヴォーグといった人気現行モデルのご先祖様となるのが、1971年にデビューしたレオーネだ。さまざまなボディ形状が用意されたが、特筆すべきは商用車扱いのエステートバン。1972年に4WD仕様が設定され、それまでの4WD=ジープやランドクルーザーなどの本格派オフロード車という常識を覆した。他の自動車メーカーもこれに追随し、乗用車をメインに4WD車の設定が普及。レオーネは悪路や雪道での走破性を多くのユーザーに広めたパイオニア的存在である。

サーフィンラインが渋いケンメリバン

日産・スカイラインバン(1972年登場)

日産・スカイラインバン(72年登場)

日産・スカイラインバン(1972年登場)

多くのモデルが名車として語り継がれるスカイラインだが、「ケンメリ」の愛称を持つ4代目もまた然り。4ドアセダンと2ドアハードトップのイメージが強いが、実はバンの設定もあった。丸目4灯のヘッドライトやサイドを走るサーフィンラインにスポーティーなケンメリらしさを感じるが、エンジンは実用的な4気筒の1600㏄もしくは1800ccを搭載していた。なおバンは「ハコスカ」時代の3代目にも設定されたほか、81年に登場した6代目までラインアップ。6代目は乗用モデルがフルモデルチェンジしても、バンは同じデザインのまま1990年まで生産を続けた。

日産・スカイラインバン(1972年登場)

ハードトップ、セダンと同じようにサーフィンラインを取り入れたバン。積載性、実用性を一段と充実させた新しい時代の高級コマーシャルカーとして、売り出していた

今でも愛されるユニークな顔つき

ホンダ・ライフステップバン(1972年登場)

ホンダ・ライフステップバン(1972年登場)

ホンダ・ライフステップバン(1972年登場)

360ccのライフをベースに、トールボディの商用車として開発されたのがライフステップバン。乗用車ベースのためフロアが低く、荷物の出し入れがしやすいことをアピールポイントとしていた。また、ワンボックスではなくボンネット付きのトールボディが当時としては斬新で、個性あふれる表情と相まって現在でも愛好家が多い。後にライフステップバンをベースに後部を荷台に作り変えた、ライフピックアップも登場。しかし一般的なキャブオーバータイプの軽トラックと比べると荷台スペースが狭く、ライフステップバンとともにわずか1年強で生産を終了した。

後部からの様子

バン登場の1年後、1973年に登場したライフピックアップ。全長2995㎜の2人乗りで、エンジンは356㏄。積載量は350㎏

乗用としても人気だったロングセラー

日産・グロリアバン(1983年登場)

日産・グロリアバン(1983年登場)

日産・グロリアバン(1983年登場)

かつては日産の高級セダンとして一世を風靡したセドリック&グロリア。7代目、型式で言うとY30系までバンの設定があり、ここで紹介するY30系はバンと共通するボディ形状のまま乗車人数を増やしたワゴンも用意された。先代から受け継がれたスクエアなフォルムは商用車とはいえども重厚感があり、アメリカンカスタムのベース車としても人気を博した。しかもセドリック&グロリアは1987年にフルモデルチェンジを行ったが、バンとワゴンはそのまま継続生産され、外観のデザインはほぼそのままに1999年まで販売されたロングセラー車となった。

日産・グロリアバン(1983年登場)

セドリック&グロリアの次モデルY31型、次々モデルY32型、さらにその後のY33型が販売終了となる1999年まで継続販売されたY30系グロリアバン

カスタムベースとして若者にも人気だった

トヨタ・マークⅡバン(1984年登場)

トヨタ・マークⅡバン(1984年登場)

トヨタ・マークⅡバン(1984年登場)

ミドルクラスのセダンとして知られるトヨタ・マークⅡ。販売チャネル違いの姉妹車となるクレスタ、チェイサーと合わせて「マークⅡ3兄弟」として親しまれた。しかしワゴン及びバンを設定していたのはマークⅡだけで、特に1984年に登場した5代目は売れ筋モデルであるセダンの雰囲気を感じさせるスタイリングがヒット。先述のグロリアバンとともにカスタムのベース車としても大人気となり、若者の間では「マーバン」という愛称で親しまれた。またワゴンおよびバンはモデルサイクルが長く、1997年まで販売された。

車内の様子

上位グレード「GL」はファブリック製のシート&ドアトリムを採用し、ワゴンに劣らない質感。リアの足元スペースも前型に比べ35㎜アップし、快適性も高かった

お洒落で都会的な商用車の先駆け的存在

トヨタ・デリボーイ(1989年登場)

トヨタ・デリボーイ(1989年登場)

トヨタ・デリボーイ(1989年登場)

当初から商用向けモデルとして設計され、一代限りで生産を終了したものの中古車市場ではいまだに人気が高いトヨタ・デリボーイ。特徴はハイトタイプのウォークスルーバン形状。歩道側から乗り降りしやすい助手席のスライドドア、荷物の積み込みに便利な観音開き仕様のリアハッチを採用。乗車人数は2人乗りまたは5人乗りを設定。大型側面パネルは、“走る看板”としての機能を備えていたのもポイント。当時のカタログには「お店のイメージをボデーに描いてみよう」というコピーとともに、塗り絵のような外観イラストが使われていた。ボディはかなり大きく見えるが、実際は4ナンバー扱いなので取り回しも良好。1995年まで生産された。

バックドアを開けた様子

車内の床は完全フラットで、前席から荷室への行き来も可能。バックドアは向かって右側を大きくとった非対称の観音開き扉で、最大開度は左右ともに235度もある

大人気パイクカーシリーズ唯一の商用車

日産・エスカルゴ(1989年登場)

日産・エスカルゴ(1989年登場)

日産・エスカルゴ(1989年登場)

マーチのプラットフォームを活用して内外装をレトロに仕立てた限定販売車のBe-1から始まった、日産の「パイクカー(特徴的なスタイルの車)」シリーズ。パイクカーはクラシカルに振った車もあれば未来を見据えた先進的な車も存在するが、後者に分類されるのが日産・エスカルゴ。その名の通りカタツムリを連想させる丸みを帯びたスタイリングは、角張ったボディの車が主流だった当時としては斬新だった。また日産のパイクカーとしては唯一商用車扱いで、街中ではひと際目を引いて企業の宣伝効果も期待できた。キャンバストップなど遊び心のある装備も用意された。

車内の様子

フラットなダッシュボードにはテーブルタイプのインパネを採用。シフトレバーをセンターコンソール上部に配置するなどユニークなデザイン。ベンチシート風のセパレートシートで左右席の移動もしやすかった

窓がデカい! 開放的なトールワゴン

スズキ・アルトハッスル(1991年登場)

スズキ・アルトハッスル(1991年登場)。写真はバンではなく、乗用タイプ

スズキ・アルトハッスル(1991年登場)。写真はバンではなく、乗用タイプ

軽自動車規格が大きく変更されつつある最中に登場した3代目アルトは、クラス初の両側スライドドアを採用したグレードを設けるなど、新たな挑戦に意欲的な一台だった。排気量の拡大(550cc→660cc)など、先述の規格変更を経た後に追加されたアルトハッスルも画期的。後席以降の全高を高く取ってスクエアに仕立てた個性的な佇まいは、ルノーエクスプレスなどフランスで主流の「フルゴネット」と呼ばれるバン形状ボディから着想を得たもの。商用だけでなく5ナンバーの乗用モデルも設定されたが、この時代にフルゴネットスタイルが浸透することはなかった。

欧州車のようなフルゴネットスタイル

日産・AD MAX(1992年登場)

日産・AD MAX(1992年登場)

日産・AD MAX(1992年登場)

アルトハッスルのデビューから1年後、フルゴネット仕様のボディ形状を引っさげて華々しく登場したのが日産のAD MAX。ベースは1990年にモデルチェンジを行い、バンとワゴンの2タイプが設定されたAD。このAD MAXはフロントまわりこそADの特徴を残しているが、後部は箱型となっているため荷室高1220㎜・荷室幅1570㎜という広大なラゲッジスペースを実現。着座位置が高いワンボックスとは異なり、乗用車感覚で扱えることもウリとしていた。リアドアはなく、観音開きのバックドアから荷物を出し入れする。側面のウインドデザインがオシャレ。

日産・AD MAX(1992年登場)

乗用車感覚のフロントノーズと、ハイルーフ化されたラゲッジルームを組み合わせたファッショナブルなデザイン。写真は上部に三角飾り窓を採用したタイプだが、ウインドウレスのパネル仕様もあった

60年代の軽3輪をリバイバル

ダイハツ・ミゼットⅡ(1996年登場)

ダイハツ・ミゼットⅡ(1996年登場)

ダイハツ・ミゼットⅡ(1996年登場)

時代が昭和から平成に移り変わっても、ユニークな商用車が世に送り出されては周囲の話題をさらった。軽商用車で言えば、ダイハツが高度成長期の1957年に発売したオート三輪・ミゼットの名を受け継ぎ、96年にデビューしたミゼットⅡ。さすがにタイヤは4つだが、斜めに立ち上がるキャビン形状はかつてのミゼットを彷彿とさせる。当時の軽自動車枠よりもコンパクトな設計としており、乗車定員は割り切って1人のみ(後に2人乗り仕様も追加)。また一部改良でバン形状のミゼットⅡカーゴも導入され、他との違いを求めるユーザーに選ばれた。

ダイハツ・ミゼットⅡ内部

デビュー当時は1人乗りのみの設定で、左右両側から乗降できた。1997年、箱型の荷室を設けたカーゴタイプが登場した際に2人乗りも登場した

RRにこだわり続けた農道のポルシェ

スバル・サンバー(1999年登場)

スバル・サンバー(1999年登場)

スバル・サンバー(1999年登場)

今でこそダイハツ・ハイゼットのOEM車だが、1999年から2012年まで生産された6代目のサンバーまでは自社開発車両だった。6代目サンバーは今でも愛好者が多いが、その理由は他の軽トラにはない設計。エンジンを後方に置いて後輪を駆動するRR駆動となり、荷物を多く積んだ状態でもしっかりトラクションがかかり、登坂性能も高いことから農業従事者を中心に支持された。同じ駆動方式から「農道のポルシェ」という名称で親しまれている。他にもスーパーチャージャーの設定や4気筒エンジン、ライバル車とは一線を画す四輪独立懸架のサスペンションなど多くの独自性があった。

スバル・サンバー バンWR BLUE LIMITED(2011年登場)

スバル・サンバー バンWR BLUE LIMITED(2011年登場)。2011年に、サンバーシリーズの発売50周年を記念して登場した特別仕様車。ボディカラーにはWRブルーマイカを採用し、トラック、バン合計で限定1000台のみ販売された

ほんとに市販されてたんです!

三菱・ミニキャブトラック特装車「4クローラー」(1997年登場)

三菱・ミニキャブトラック4クローラー(1997年登場)

三菱・ミニキャブトラック4クローラー(1997年登場)。タイヤからクローラーへの交換作業は、タイヤを外して、ハブボルトにクローラーをはめ込む

ニッチな職業に向けた商用車も存在するが、その中でも変わりダネといえばタイヤの代わりにブルドーザーなどの建設機械に用いられるクローラーを4輪に装備した、ミニキャブトラック4クローラー。ぬかるみが多い場所や雪が多く積もるスキー場など、普通のタイヤでは困難な場所を走行する目的で開発された。この4クローラーの利点はクローラーからタイヤに戻せること。ただクローラー1個につき重量が約70㎏もあるからDIYでは難しいだろう。また開発にあたり認可を受け、クローラーを装着した状態でも市街地走行が可能なのもトピック。

過去の商用車を振り返ると、販売台数の多さよりも遊び心や話題性を追求した車も少なくなかった。しかし現行モデルが魅力に欠けるわけではなく、今はハイブリッドやEVの設定など、高い技術力を武器に未来に向けての対応を進めている。今後の商用車の進化に期待したい。

岩田直人

いわた・なおと 自動車雑誌専門の編集プロダクションと出版社勤務を経て、2009年にクルマ系フリーライターとして独立。カスタマイズカーはジャンルを問わず大好物で、自身もいちユーザーとして愛車のドレスアップに励み、アワードも多数獲得。

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