満天の星に感動♪ 秋~冬の夜長に、星空探訪
秋から冬にかけて、夜が長くなり、空気が澄み渡る時期は星空観察の楽しみも増す季節。満天の星が輝く、とっておきの場所まで足を延ばすのもよし、天体望遠鏡を手に都会の空を見上げるのもよし。太古の時代から親しまれてきた一等星や星座、惑星や銀河の輝きを探しながら、果てしなく神秘的な星空の彼方に思いを馳せてみませんか?
秋冬の夜空を、星空のスペシャリストがご案内
無数の星がきらきらと瞬く夜空。ただ眺めるだけでもその美しさに心が動かされるものですが、太古の昔から星は方角や季節、時間を知るための大切な目印でもありました。悠久のときを経て、今も同じように光を放っている星を見つけに行ってみましょう。雄大な自然が広がる休暇村で、星空に精通する「星のソムリエ」として活躍している休暇村南淡路スタッフ・江後さんに、秋から冬にかけての星空の楽しみ方を案内していただきました!
秋の星空
秋の星空の目印は、4つの星が四角く並んでいる「秋の四辺形」です。この四辺形を作るのは、ペガスス座とアンドロメダ座。アンドロメダ座には有名な「アンドロメダ銀河(M31)」があり、空の条件が良ければ肉眼でも見つけることができます。また、南の空の低いところにポツンと輝く星がひとつ。これが「秋のひとつ星」ともいわれるみなみのうお座のフォーマルハウト。秋の夜空の唯一の一等星です。ほかに、北の空にはカシオペア座やケフェウス座、ペルセウス座など。秋の星空は明るい星は少ないですが、ギリシャ神話にも登場する有名な星座たちがたくさんあります。物語を思い出しながら星座を探してみるのも楽しいですよ。
休暇村裏磐梯の夜空に光る、冬の大三角とオリオン座
冬の星空
冬の星空の目印は、オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、3つの一等星を結んでできる「冬の大三角」です。冬の夜空を代表する星座オリオン座には2つの一等星が輝き、肉眼でも見つけることができる明るい「オリオン大星雲(M42)」も。そのほか、おうし座やふたご座、ぎょしゃ座など一等星をもつ星座があります。おうし座にある「プレアデス星団(M45)」は、日本では「すばる」と呼ばれる有名な星団で、肉眼でも6~7個程度の星の集まりを見ることができます。望遠鏡での観察では青白く輝く星がたくさん散らばる様子がご覧いただけます。冬は空気が澄んでいて一年のなかでもとくに星がキレイに見える季節です。しっかり防寒対策をして天体観測をお楽しみください。
- 2022年秋~冬の天文イベント
・8月下旬~11月中旬頃/土星が見える予定
・9月~2023年1月中旬頃/木星が見える予定
・11月上旬~2023年6月上旬頃/火星が見える予定
・9月10日/十五夜(中秋の名月)
・10月8日/十三夜(栗名月)
・12月14日夜~15日夜明け/ふたご座流星群
星空観察におすすめのアイテム
星座を探すときに便利なのが、星座アプリです。アナログな方法だと星座早見盤もおすすめです。星座早見盤を使うときには一緒にペンライトなどを用意しておくと便利です。また、長時間空を見上げていると、首が疲れてくるので星空を楽しむなら寝転がってみるのがいいですよ。ヨガマットやレジャーシートなどがあると便利です。
とっておきの星空体験ができる、休暇村3選
国立・国定公園の中という豊かな自然環境に立地する休暇村のなかでも、星空をより楽しめるアクティビティが用意された、おすすめの3か所をご紹介!
休暇村南淡路
淡路島の南端・福良湾を一望する高台に建つ休暇村南淡路。大浴場には塩化物泉でよく温まる南淡温泉を引き、絶景の鳴門海峡を眺めながら入浴できるのも魅力です。口径400mmの反射望遠鏡を備える天文館ポラリスを併設、晴天の夜には「星のソムリエ」によるスターウオッチングを実施しています。
屋上で、肉眼で見ることができる星や惑星を観察する〈天然プラネタリウム〉、天文台での天体観測〈スターウオッチング〉を体験!
休暇村日光湯元
日光のなかでも「奥日光」と呼ばれるエリア、標高約1,500mの湯ノ湖のほとりに建つホテルです。戦場ヶ原ハイキングや日光東照宮など世界遺産めぐりの拠点としても便利。日本で4番目に濃い硫黄泉といわれる「日光湯元温泉」から引いた源泉かけ流しの温泉も自慢です。
〈奥日光星空教室&観察会〉星座の見つけ方や神話のおはなしの後、標高1,500mの絶景ポイントでの星空観察会へ出発!(2022年11月30日まで)
満月や新月、流星群極大日など特別な夜は〈焚火でスターナイト〉を実施。焚火を囲み、ホットワインなどのドリンクを片手に月や星の観察を楽しみます(当日17時までの予約制)※日光湯元キャンプ場開設期間中のみ実施
休暇村裏磐梯
大小300余りの湖沼が点在する緑豊かな裏磐梯高原のほぼ中央に位置する休暇村裏磐梯。雄大な磐梯山を望むホテルのロビー、にごり湯の温泉露天風呂でゆったり寛げます。敷地内にはクロスカントリースキー場もあり、さまざまなアクティビティが楽しめます。
〈星空さんぽ〉毎週火・金・土曜日実施。星空ガイドが高原の星空観察ポイントへとご案内するプログラム(2022年11月末まで)
〈星空さんぽ〉では天文台から天体望遠鏡で天体観測も
(画像提供=自然にときめくリゾート 休暇村)
星空観察のための天体望遠鏡・双眼鏡選び
天体望遠鏡や双眼鏡で観察する、迫力ある月や惑星の姿は、肉眼で見る星空とはまた格別の感動体験! ビギナーにもおすすめの天体望遠鏡、双眼鏡の選び方を、天体望遠鏡国内シェアトップのビクセンにアドバイスしていただきました。
初めての天体望遠鏡を選ぶなら……
天体望遠鏡は、レンズや反射鏡が入っている「鏡筒」と、鏡筒を取付けて自由に安定して動かせるようにする「架台」、架台をしっかり支える「三脚」を組み合わせたものです。どのような天体を観測するのか? 移動をともなう天体観測なのか?……など、目的に応じて選びましょう。
どのような天体を観測するのか?
月や惑星の観察にはエントリーモデルでも十分。さらにはっきりと鮮明に見たい場合や、銀河や星雲など淡い天体を観察したい場合は、口径の大きい鏡筒を選びましょう。ただし、口径の大きい鏡筒を使用する場合には、架台や三脚などが頑丈なものを選ぶ必要があります。
移動をともなう天体観測なのか?
口径の大きな鏡筒や、赤道儀(架台の一種)は、かなり重いため、キャンプや旅行など、荷物が制限される際にはコンパクトなモデルがおすすめです。鏡筒・架台・三脚すべてがひとつのバッグに収納できるモデルもあります。
倍率は、見たい天体に合わせて選ぶ!
望遠鏡の倍率を決めるのは鏡筒の焦点距離と接眼レンズ。鏡筒(対物レンズまたは主鏡)の焦点距離÷接眼レンズの焦点距離=倍率となります。接眼レンズを交換すると倍率を自由に変えられます。
星雲や星団の観測では20~50倍の低~中倍率、二重星や月面の観測なら50~100倍、惑星の表面の模様などをはっきり見たいなら150倍以上がおすすめです。
初めての天体望遠鏡におすすめの入門モデル
ポルタ
Ⅱ A80Mf
:エントリーモデル
月や土星・木星など惑星の観察に適しています。鏡筒を水平・垂直方向に自由に動かすことができるため、鏡筒を見たい方向へ簡単に向けることができます。初めての天体望遠鏡にぴったりの機種です。
StarSense Explorer LT 80AZ
StarSense Explorerシリーズは、専用アプリが自動的にスマートフォンのカメラで星空を撮影し、天体データと照合する「星空認証機能」を搭載、見たい星を簡単に探すことができます。木星、土星、金星などの惑星はもちろん、初心者には難易度の高い天体や星雲・星団までスマートフォンが天体観測をナビゲート、ゲーム感覚で天体探しを楽しめます。
天体観測用に双眼鏡を選ぶなら……
双眼鏡は、天体望遠鏡と比べて「難しい操作が必要ない」「気軽に持ち運びができる」「両目で観察するため立体感が得られる」などメリットが。星空観察以外にも、スポーツ観戦、コンサートなど使用用途が多く、比較的安価であることもポイントです。一方で「低倍率のため惑星などの観察には不向き」、「基本的に倍率は一定」といったデメリットも。
どのような双眼鏡でも月や星の観察はできますが、より明るく、多くの星を見たい場合には、レンズ口径が大きい(30mm以上)ものがおすすめです。
- ※機種名の「●×■」は、●が倍率、■がレンズ口径(mm)を表しています。
アスコット
ZR7×50WP
アウトドアにおける使い勝手を最優先に設計された双眼鏡。明るく使いやすいスタンダード双眼鏡です。レンズ口径がとても大きく、暗い天体の観測に最適です。ただ、少し重いため(1,015g)、長時間観察する場合は、三脚に取り付けることをおすすめします。
アトレックライト
Ⅱ BR6×30WP【ビギナー・お子さま向け】
「子供も大人も、ソト遊びが楽しくなる双眼鏡」をコンセプトとした、オーソドックスデザインが冒険心をくすぐる本格派アウトドア双眼鏡です。コンパクトかつ軽量(500g)、目幅の狭いお子さまも覗きやすい設計で、初めての双眼鏡に最適です。
SG2.1×42H【星座観察用双眼鏡】
星空観察のために開発された、倍率2.1倍、口径42mmの双眼鏡です。超低倍率かつ、大口径のため、明るく、広範囲の観察が可能。視野が非常に広いため、大きな星座を一目で観察するのに適しています。肉眼で見るよりも星が明るく見え、都会でも星空を楽しむことができます。
天体観測に役立つおすすめグッズ
SG-L02(天体観測用ライト)
天体観測中は暗い中で作業をするため、ライトが不可欠です。一般的なライトは目への刺激が強く、星が見えにくくなってしまうため、このライトでは、目の暗順応への影響を極力抑える、“赤色光”を採用しています。
(左)首から下げたり、ストラップをはずしてクリップ式でも使用できる (上)赤色光の点灯イメージ。また、赤色より視認性がよく、目の暗順応へも影響を与えにくい“電球色”LEDへの切り替えも可能
Planet Book
惑星がいつどの方角に見えるかをわかりやすく表示する無料アプリです。惑星表示モード以外にも、端末をかざした方向にある星空の様子をリアルタイムに星図(星空の地図)を表示する機能もあります(ビクセンのウェブサイト
からダウンロードできます)。
(画像提供=ビクセン)