文=高橋 剛 / 写真=柴田直行 / イラスト=田中 斉

朝風呂、古民家カフェに地元野菜たっぷりランチ!
素朴な魅力いっぱいの栃木県・小山市、下野市デイトリップ

見つけた! 栃木県・小山市、下野市に根付く名スポット

小山と書いて「おやま」。下野と書いて「しもつけ」。栃木県南部に位置するこの二つの市は、難読というほどではないものの、独特な読み方をする。だからこそ、他にない「いいもの」があるのではないか──。知られざる小山市と下野市の魅力を探るショートドライブは、グルメ、お風呂、人情と、いいものだらけの発見の旅だった。

目次

思川を眺めながらの露天風呂。最高の朝風呂に、最高の一日の予感

思川温泉露天風呂

●天然温泉 小山 思川温泉/小山市喜沢1475 ☎︎0285-21-2020(平日・大人日帰り入浴800円)
http://www.omoigawaonsen.jp/

朝風呂はいい。とてもいい。健康的にどうだとか、時期的にああだとか、いろんな意見があるようだが、個人的にはまったく気にしない。さっぱりと身を清めて新しい一日を迎えることに、何の問題もない。

露天の壺風呂に浸かる。ざばあっと湯があふれる。豊かなことだ。眼前には、思川(おもいがわ)がゆったりと流れている。思いを流す川とは、いい名前だ。広々とした河川敷には朝靄(あさもや)が立ちこめ、朝日で金色に輝いている。ゆるやかな風で靄が払われると、シラサギが姿を見せた。

淡くて静かで深い、水墨画のような風景に心打たれつつ、豊かなお湯でバッシャバッシャと顔を潤しながら、「ぷはあっ!」と大きく息を吐くおじさんなのである。天然温泉 小山 思川温泉の露天風呂で、僕は大いに反省していた。

北関東を侮っていたのである。反省するしかない。小山市と言えば「おやまゆうえんち~♪」のメロディしか思い浮かばなかった自分が恥ずかしい。残念ながら同園は2005年、45年間の歴史に幕を下ろした。しかし、遊園地の跡地にこんな素晴らしい温泉施設があったとは、知らなかった。

お食事処、お土産屋さん、さらには宿泊施設まで調っている。地域の方たちから観光客まで、老若男女客層は幅広い。気取ったところがどこにもなく、気軽にプラッとひとっ風呂浴びに来られる。

いい朝風呂だった。これはもう、いい旅になることが確定である。予想以上の発見をめざして、爽やかに車を走らせた。いいものを見つけよう。

露天風呂全景

大岩石を使った野趣あふれる露天風呂で、地下1,800mから湧出する天然温泉を堪能する。信楽焼の壺風呂は、季節や時間帯で表情を変える思川が間近

休憩所

ひとっ風呂浴び、畳の香りに満ちた休憩処でいちごソーダを飲みながら、マンガを読む。朝風呂だけに、二度寝の誘惑に打ち勝つのが大変だ……

古墳の見える道を走行

下野市には、今も200基を超える古墳が現存しているのだとか。今回のドライブでも、いくつもの古墳を望む道が楽しめた

居心地のよさ、満点! 伸びやかな公園と自由な古民家カフェ

10picnic tablesでくつろぎのひと時

●古民家カフェ 10 picnic tables/下野市国分寺821-1 ​天平の丘公園 ☎︎0285-38-8189
【JAF優待】

小山思川温泉から車で15分ほど北上すると、天平の丘公園に到着した。東京ドーム約6個分の広大な公園にあるのは、晩冬の静けさだ。聞こえてくるのは、小鳥のさえずりと、風で落ち葉が舞う乾いた音。あとは、ジョギングしている人のエネルギッシュな息づかい。

園内には、8世紀に聖武天皇が建立した下野国分寺・国分尼寺の跡地、甲塚古墳などの史跡が残されており、歴史と文化の香りが漂う。約500本の桜が咲き乱れる春には「天平の花まつり」が開催され、期間中には20万人以上が訪れるそうだ。

今はしっとりとした散策を楽しめる時期。落ち葉を踏みしめながら歩いていると、古民家が見えてきた。ゆるやかな風に乗って、コーヒーの香りがしてくる。古民家カフェ10 picnic tablesは、コーヒーやお弁当、スイーツなどを注文し、隣接する古民家「夜明け前」をイートインの席として自由に使えるという、ユニークなスタイルのお店だ。

地元・栃木でていねいに焙煎された悟理道(ごりどう)珈琲と、お団子&餡&生クリームの最強コラボ「花より団子」を手に、古民家「夜明け前」に向かう。移築された豪農の古民家では、黒光りした板の間や古い掛け時計、そしてコタツが待っている。

縁側で思いっ切り陽光を浴び、口の中ではコーヒーの深みと「花より団子」の甘みが混じり合う。伸びやかですがすがしい。古民家「夜明け前」の居心地がいいのは、室内外に「あれをするな」「これをするな」という禁止事項がほとんど掲げられていないからだ。使う人の良識に任せられている。

日によっては、子供たちの歓声で賑わう。若いお母さんを中心にいろいろな人たちが集い、地域のコミュニケーションの場にもなっているそうだ。ここで子供たちがワラワラと遊び回る景色を思い浮かべただけで、ほほ笑みと元気が沸き上がる。

10 picnic tablesでは、お弁当も販売している。手作りのあったかさが満載のお弁当は、安全と安心にこだわっているそうだ。「家で出せないようなものは、お店でも出さない」。お母ちゃん、もしくはおかんと言いたくなるほどの強い信念だ。いい場所で、いい話を聞けた。

ハンバーグ弁当

地元のお母さんたちが心をこめて作ってくれるハンバーグ弁当(イートイン990円/テイクアウト972円)。「家庭の味」と言いたくなる柔らかいおいしさで、大人もキッズも大満足だ

古民家「夜明け前」

1995(平成7)年に2年がかりで移築された、豪農の民家。いつ建てられたものかわからないが、「日本の夜明けである明治維新を見つめたはず」と、島崎藤村の小説の題名でもある「夜明け前」と名付けられた

10picnic tables外観

オリジナルブレンドコーヒーや各種ドリンク、スイーツやお弁当などを用意。広々とした公園でピクニック気分が味わえる。季節によってメニューが変わるので、何度も訪れたくなる

花まつりイメージ

今年の天平の花まつりは、3月20日~5月6日の開催。栃木県内でも有数の桜の名所だけあり、期間中は多くの人で賑わう。出店やステージなども。桜の開花状況は、下野市観光協会ウェブサイトで随時確認できる
●天平の丘公園/下野市国分寺993-1
http://www.shimotsuke-ta.com

「平成の丘」で手を打つ筆者

前方後円墳を模した平成の丘は、造成中に59種もの古銭が出土したそう。階段下の白線の上で拍手をすると、驚きの鳴き竜現象が。これはやってみる価値アリ!

運転のプロ御用達。安くてうまくてスタミナたっぷりのもつ煮定食

もつ煮定食

名物のもつ煮定食(750円)。一口食べれば、長年愛されている理由がわかる●下野の駅めし 一休/下野市薬師寺3720-1 道の駅しもつけ内

天平の丘公園から東へ15分ほど走った国道4号沿いに、道の駅しもつけがある。「新4号バイパス」とも呼ばれるこの道は、埼玉県越谷市から栃木県宇都宮市を結ぶ総延長80km以上もの大規模バイパス。高速道路と見間違えるほどの堂々たる国道である。

物流を支えるデカい道路だけあって、道の駅しもつけもデカい。駐車場はもちろんデカいし、出迎えてくれるダルマもデカければ、展望台を兼ねた滑り台もデカく、農産物直売所もかなりデカい。楽しい……。

道の駅しもつけのフードコートにある「下野の駅めし 一休」は、もともとバイパスではない国道4号沿いのドライブインだった。いわゆるトラック食堂で、運転手さんたちの心とおなかのよりどころとして、ガッツリ食えてスタミナたっぷりの定食を提供していたのだ。

その味とボリュームと安さとスタミナをそのまま携えて、道の駅しもつけにやってきたのである。「いただく」というより「カッ食らう」。「A定食」「B定食」は間違いなく「エーテー」「ビーテー」と呼ばれ、どのメニューもうまいに決まっているのだ。

安くてうまくてスタミナたっぷりのもつ煮定食は、一休の人気定番鉄板メニューである。トロットロに煮込まれたもつと味噌のハーモニーは、豪快にして繊細。まさに男メシだ。「味は昔からずーっと変わってないんです」と、女将さんの須藤裕子さん。すっかりオシャレな道の駅しもつけにあって、男メシの何たるかを守り抜く気概に、いいモノを食ったと心から思えた。

名物タンメン

野菜たっぷりのタンメン(800円)は、野菜を炒めてから載せるのではなく、さっぱりとしたスープと一緒に煮込んでいる。だからうまみが染み込んでいて、いくら食べても飽きがこない

道の駅しもつけ内観

とかくスケールがデカい道の駅しもつけは、物産品コーナーや農作物直売コーナーもデカい。特に下野が生産量日本一のかんぴょうは、さすがに種類も量も豊富だ●道の駅しもつけ/下野市薬師寺3720-1☎︎0285-38-6631

道の駅しもつけオブジェ

巨大だるまは交通安全を祈願。目玉が二つとも描かれているということは、すでに交通安全が成就した……はず。だるまの思いに背かないよう、くれぐれも安全運転で……

自然な魅力にあふれた洋菓子で、甘〜いひと時を

商品を手渡す店員

道の駅しもつけを出て、東北本線沿いの県道339号を何となく南下していると、多くの車が吸い込まれていくお店に気づいた。シルバーでシュッとした建物だが、どこか柔らかさとかわいらしさがある。他の車に釣られるように寄ってみると、そこは大好物の洋菓子屋さんだった。

看板には「グリンデルベルグ」とある。実はこの洋菓子屋さん、とんでもない歴史を有していた。創業者の門林秀昭さんのお祖父さん、弥太郎さんは、日本洋菓子界の草分け的存在で、シュークリームやエクレア、スイートポテトなどを日本に広めた人物なのだとか。

お父さんの泰夫さんも、日本における洋菓子の開発や普及に貢献。特に工芸菓子はヨーロッパでも高く評価され、多くの賞を受けて世界にその名を轟かせた。そんなお祖父さん、そしてお父さんの血を受け継いだ秀昭さんが、大自然あふれるカナダで修業を重ね、自然のエッセンスを盛り込んだ欧風菓子店「グリンデルベルグ」を茨城県で創業したのだそうだ。

と、いう歴史を知ると、グリンデルベルグのお菓子がますますおいしそうに見えてくる。さらにこのお店、スタッフの皆さんがナチュラルでとびきりの笑顔を見せてくれるのだ。お仕着せのサービスではない、心からの笑顔。

この空気を持ち帰りたくて、お土産を買った。メイプルストーリーは、カナダ産メイプルシュガーをたっぷり使った「メイプルミトン」「ベルグの月夜」「メイプルラスク」、そして「かえでのリーフパイ」の4種類の詰め合わせだ。

お土産と称しつつ、自分でも食べてしまった。メイプルシュガーの優しい甘さに、カナダの雄大な自然を感じながら、グリンデルベルグのスタッフの皆さんの笑顔を思い出す。決して気取っているわけではない、素の魅力。

地域の人たちが、このお店に吸い込まれていく理由がよくわかった。メイプルストーリーを食べている間、それはそれはスイートな、いいひと時を過ごせた。

お菓子紹介

左上から時計回りに「メイプルミトン」「ベルグの月夜」「メイプルラスク」「かえでのリーフパイ」。各3つずつ計12個の詰め合わせで1,850円。最高のお土産になる

ブリンデルベルグ外観

季節感を採り入れながら、自由で楽しく、おいしい洋菓子を提供しているグリンデルベルグ。トラディショナルでありながら、ここでしか食べられないスイーツばかり。だから、リピートしたくなる
●欧風菓子グリンデルベルグ 自治医大店/下野市緑3-13-12 ☎︎0285-44-8560
【JAF優待】

早春の栃木を走る

「おいしいものに出会えますように」料理の神社で神頼み

髙椅神社

●髙椅神社/小山市高椅702

朝風呂のご利益か、すでに十分おいしいものに巡り会えた。しかし、さらに多くを望むとバチが当たるだろうか。いや、当たるまい。旅先でおいしいものを貪欲に求めたくなるのは、人情というもの。神様だって許してくれるはずだ。

グリンデルベルグから南東に車を走らせること約15分。またしても近場に、なんと料理の神社がある。高椅(たかはし)神社は、栃木県でも最古の神社のひとつ。日本料理の始祖神として磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)が祀られており、料理に携わる人々がこぞってお参りに訪れるのだそうだ。

宮司の角田英之さんのお話によると、磐鹿六雁命は、第十二代にして日本武尊の父とされる景行天皇の料理番だったとか。景行天皇が東方を巡視した際にお供し、この地に留まったそうだ。

そして磐鹿六雁命は、高橋氏の先祖とのこと。私事ながら、僕の姓は高橋。遠からぬ縁を感じる……。僕自身は料理をする側ではなく、もっぱら料理をいただく側だが、料理の神様にお願いすればきっといいことがあるに違いない。赤い灯籠がずらりと並ぶ様子は、圧巻だ。その先に構える、県指定文化財の立派な楼門に圧倒されつつ、お参りをする。

「さらにおいしいものに巡り会えますように」と、煩悩全開のお願い事をしてみる。春というにはまだ冷たい風がどうっと吹き、木々がカチカチカチッとぶつかり合う。近くの保育所から子供たちの無邪気な歓声が聞こえる。それらすべてを「神様からの『YES』だ」と、勝手に受け取り、再び車に乗り込んだ。いいように受け取れば、いいようになるだろう。

高椅神社装飾

楼門に鯉の彫り物が。約1,000年前、境内に井戸を掘った際に地中から大きな鯉が飛び出してきた。その鯉を当時の後一条天皇に献上すると大変に喜ばれ、「日本一社禁鯉の宮」との勅額(直筆の額)を受けた。以来、高椅神社の氏子は鯉を食べず、鯉のぼりも立てないそう

狛犬と社

鳥居、楼門をくぐると、拝殿の前には狛犬も。毎年10月第1土曜に秋の例大祭が開かれ、2年に1回は公家装束姿の庖丁人が古式にのっとり、直接手で触れず鯛をさばく「庖丁式」が行われる。今年(2024年)は開催年だ

鯉

高椅神社の南側約200m、道路を1本挟んだところにある千年の池には、地中から出た霊魚の鯉が放たれたとの言い伝えが。今はのどかな景色の中を、ゆったりと鯉が泳ぐ。周辺では「お鯉さま」と呼ばれるそうだ

野菜らしい野菜、人間らしい人に出会える「じねんじょの里」

ランチプレート

30種類以上の滋味深い野菜を心ゆくまで楽しめる、数量限定の本日の野菜セット(1,980円)

それは、すぐ近くにあった。高椅神社から北西にわずか3分、約1.5kmほど車を走らせるだけだった。まずは木々に囲まれたノスタルジックな建物に惹かれる。ワイルドなようでいてほどよく手入れされており、親しみやすい雰囲気だ。「じねんじょの里」という柔らかい手書き文字の看板も、年季が入っている。

駐車場に車を止めて建物に向か……おうとしたのだが、庭にはなんと、ヤギとヒツジとアヒルがいるではないか。しかも自由に触れ合える。か……、かわいい……。このフリーダムさ、そして伸びやかさ。これはもう、間違いない。扉を開ける前から、「じねんじょの里」はいいお店だ、と決めつけていた。

店内は、入ってすぐの場所には自然な光が優しく差し込む席が、奥の方にはジャズが似合いそうなほの暗い席がある。明暗のコントラストがオシャレだ。懐かしさとモダンさが入り交じり、居心地のよさを醸し出している。

じねんじょの里では、野菜を中心とした料理がいただける。使われている野菜は、肥沃な大地で有機栽培され、丹精込めて育て上げられた旬のものばかり。店主の生沼 均さんは、「おいしいってどういうことか、突き詰めたかったんです」と朗らかに笑う。

供される野菜は、どれもが深く、濃い。塩ゆでをはじめとした最小限の味付けなのに、これほどまでにふくよかで複雑な味わいが広がるのか、と、野菜本来のおいしさに驚かされる。今まで自分が食べてきた野菜の味とは、ほぼドレッシングの味だったのではないか、と気づく。刺激的なばかりで、本当の野菜の味ではなかった。

生沼さんの「おいしいってどういうことか」という根源的な問いの答えが、すべての野菜にギュッと詰まっている。土の豊かさが、そのまま野菜の豊かさに結びついているのだ。地元産の多種多彩な野菜は、それぞれにしっかりと個性を主張しながら、見事なほどに調和している。

お店をテキパキと切り盛りしている工藤かやさんは、生沼さんの娘さんだ。「アレッてこうだったよなあ?」とのんびりしている父に、「違う違うッ、ああでしょ!?」と、チャキチャキ切り返す娘。二人の会話は漫才のようで、思わず笑ってしまいながらも心が満たされる。

「父が『じねんじょの里』を始めたのは20年前。当時はまだ野菜中心の料理が受け入れてもらえず、苦労してましたね。私は『何かやってんなぁ』と遠巻きに見てましたが(笑)、10年前からですね、他にやる人がいないので仕方なく手伝うようになったのは」と、チャキチャキ娘は言う。

「ようやく時代が追いつきましてね」と笑う生沼さん。ここ数年はオーガニック料理がすっかり普及し、有機野菜への理解が深まった。じねんじょの里は、今やなかなか予約が取れない人気店だ。

忙しい中でも、生沼さんはお客さんとじっくり向き合い、楽しそうに野菜の説明をする。チャキチャキのかやさんは「話が長すぎるのよ……」と半ばあきれているが、生沼さんは「これでも短くなったんだよ」と、頭をかく。温もりいっぱいのもてなしが、ごく自然に心と体に染みわたる。

野菜らしい野菜。人間らしい人。じねんじょの里には、生きて行くうえで忘れてはならない根っこがある。

じねんじょの里外観

市街地からほんの少し離れただけなのに、山小屋のような風情。土地の豊かさを感じる。味への期待感を高めてくれる建物は、親しみにあふれていて入りやすい
●じねんじょの里/小山市高椅1955 ☎︎0285-49-3545
http://www.daichi.jpn.com/

筆者とヤギ

庭にはヤギ、ヒツジ、そしてコールダックも。人なつこくて、かわいい。「触るな」とも「触れ」とも書かれていない伸びやかさ

もりだくさんのランチプレート

数量限定「もりだくさんのランチプレート」は人気メニューの一つ。かんぴょうの豆乳グラタン付きで1,700円。野菜でおなかを満たせるヘルシーなランチだ

おやま豚のとろろ丼

女性客が9割という自然薯の里だが、逆に言えば1割は男性客。スタミナを求める人には地元・小山産で安全、安心、ジューシーなブランド豚「おとん」を使った「おやま豚のとろろ丼」(1,500円)も

じねんじょの里内観

ノスタルジックさとモダンさが絶妙にバランスし、居心地のいい空間を織りなしている店内。ここでしか得られないひと時を楽しめる。営業日は木~日の週に4日、予約優先なので来訪の際にはお電話を

じねんじょの里の店主ご家族

父の生沼 均さんと娘の工藤かやさんの掛け合いが、まるで漫才のように楽しい。この二人が、お店に柔らかく温かい空気をもたらしている

旅とは、遠くに行くことばかりではない。身近にありながら、気づかなかったものを発見することも、立派な旅だ。栃木県小山市と下野市を巡る気軽なショートドライブは、実際のところ、意外な発見ばかりだった。

味覚、お風呂、そして人。どれもが、いい。何だか、とても、すごく、いい。知らなかった北関東の魅力にたっぷり触れて、満足いっぱいで家に帰れるのなら、これはもう、立派な旅だ。

いい旅になったのは、朝風呂のおかげでもあり、磐鹿六雁命のご利益でもあるだろう。でも一番は、出会った人々が全員、地元への愛を屈託なく語ってくれたことだ。

さりげなく、でも他にはない。じんわりとした温もりに満たされた、小山市と下野市なのだった。

夕日の中の筆者

今回のごきげんロードマップ

イラストマップ

A.天然温泉 小山 思川温泉 B.古民家カフェ10 picnic tabels  C.天平の丘公園 D.道の駅しもつけ E.下野の駅めし 一休 F.欧風菓子グリンデルベルグ 自治医大店 G.高椅神社 H.じねんじょの里

「ごきげんロードトリップ」掲載自治体のご紹介

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じねんじょ

名産品プレゼントビジュアル

栃木県・小山市、下野市の逸品をプレゼント!

栃木県・小山市、下野市ドライブガイド

1.渡良瀬遊水地コウノトリ交流館

国の特別天然記念物であるコウノトリをはじめ貴重な動植物が数多く生息する渡良瀬遊水地の情報発信をになう拠点施設。展示スペースでは大型タッチスクリーンでコウノトリの生態が学べるほか、コウノトリのはく製も展示。 小山市下生井865-1 ☎︎0280-51-4593 渡良瀬遊水地コウノトリ交流館

2.浅野屋茂兵衛

栃木県産「イワイノダイチ」100%使用、なめらか&モチモチ食感の「開運小山うどん」は、トマト汁でいただくのがおすすめ。布海苔をつなぎに使った珍しい「へぎそば」も北関東ではここでしか味わえない自慢の逸品。 小山市間々田1175-1 ☎︎0285-45-1719 浅野屋茂兵衛

3.みそ家米ぞう

県道191号沿いの人気の和食処。ランチは名物「米ぞう煮込みハンバーグ御膳」や産地直送の旬の魚を使用した定食をはじめ、どのメニューもおいしさ・ボリュームともに満点と地元のファン多数。お弁当のテイクアウトもあり。 小山市東城南1-28-11 ☎︎0285-31-3711

4.アイス工房 カウベル (道の駅 思川内)

栃木の新鮮な牛乳を使用し小山産の果実や季節の野菜など多彩な食材をアレンジしたオリジナルジェラートが種類豊富に並ぶ、まさにアイスの工房。看板メニュー「はとむぎ」味をはじめ他では味わえないフレーバーがいっぱい。 小山市下国府塚25-1 ☎︎0285-38-3366 アイス工房 カウベル

5.いちごの里ファーム ベリーベリーマルシェ

いちごをメインとしてブルーベリーやさくらんぼなど、季節の摘みたてフルーツをふんだんに使用したフレッシュなスイーツが勢ぞろい。冬季限定の「いちごの里タルト」、自家製バウムクーヘンのほか、ジャムやゼリーも人気。 小山市大川島408 ☎︎0285-33-1120 いちごの里ファーム ベリーベリーマルシェ

6.小山評定跡

徳川家康に関ヶ原の戦いの勝利をもたらし、天下泰平の世を決定づけた軍議「小山評定」は現在の市役所付近で開かれたとして石碑が建てられ、市指定史跡となっている。「開運のまち おやま」といわれるゆえんとなった歴史的な場所。 小山市中央町1-1-1(小山市役所)

7.小山市まちの駅 思季彩館

昔ながらの商店の趣が漂う“まちの駅”には、小山ブランドや地場産品の旬な情報とおいしいモノが大集結! イートインのランチ営業も人気。まちなかボランティアによる「歴史のまちあるき」の始点でもある。 小山市中央町3-5-3 ☎︎0285-25-5611 小山市まちの駅 思季彩館

8.旬処 果蔵

見た目にもかわいいフルーツサンドが種類豊富にショーケースに並ぶ、テイクアウト専門店。人気ナンバー1はイチゴやバナナなど数種のフルーツのミックスサンド。新鮮なフルーツをアレンジしたジュース、飴、アイスなども。 小山市駅東通り2-11-18 ☎︎0285-32-6400

9.御菓子司 松屋

1935(昭和10)年の創業以来、地元で愛され続ける老舗和菓子店。銘菓「あぶみ瓦」は、白あんの中に栃木特産のかんぴょうを練り込んで焼き上げた、人気のおみやげ品で、下野ブランド第一号商品に認証。店内でイートインもOK。 下野市小金井3009-208 ☎︎0285-44-8181 御菓子司 松屋

10.オアシスポッポ館

JR小金井駅西口からすぐの下野市観光案内所。下野市名産のかんぴょうなども販売。観光客向けの情報提供はもちろん、レンタサイクルもあり、市内の名所めぐりのスタートに訪れたいスポット。 下野市小金井3009-12 ☎︎0285-39-6900 オアシスポッポ館

11.BACARO CAVATAPPI

静かな住宅街にあってリーズナブルでおいしい料理の数々、居酒屋のようなアットホームな雰囲気が人気の気軽なイタリアンバー。前菜盛り合わせ、スープ、パン、パスタ、コーヒーがセットになるランチはコスパ抜群で予約必須。 下野市緑5-20-12 ☎︎0285-37-7412 BACARO CAVATAPPI

12.吉田村VILLAGE

築80年の歴史ある石蔵をリノベーションし、旅人と地域をつなぐ拠点として宿泊施設、野菜直売所、レストランやベーカリーなどを展開する複合施設。農業体験アクティビティをはじめ、ここならではの豊かな時間を体感できる。 下野市本吉田784 ☎︎0285-35-1020 吉田村VILLAGE

13.三王山ふれあい公園

約10haの園内に3つの古墳を擁し、広い芝生の展望広場、キャンプサイト、ドッグラン、遊具や健康器具などさまざまな設備を完備。家族でのアウトドアレジャーやワンちゃんとのリフレッシュの場におすすめ! 下野市三王山700-1 ☎︎0285-38-7150 三王山ふれあい公園

14.下野薬師寺歴史館

国指定史跡下野薬師寺跡の歴史を紹介するガイダンス施設。下野薬師寺は7世紀頃、下毛野朝臣古麻呂によって創建された日本三戒壇のひとつ。瓦をはじめ出土遺物、復元模型や映像など展示。屋上からは隣接する遺跡を見渡せる。 下野市薬師寺1636 ☎︎0285-47-3121 下野薬師寺歴史館

15.ゆうがおパーク

国道352号沿い、姿川のほとりにあるアミューズメントパーク。地元新鮮野菜の直売所、レストラン、お手軽BBQ、ドッグラン、遊具のある芝生広場、ゴーカート、セグウェイ、カラオケなど、家族皆で楽しめる。 下野市中大領687 ☎︎0285-38-6390 ゆうがおパーク

16.姿川アメニティパーク

豊かな自然を生かし姿川沿いに整備された公園は、高さ10mの欧風の風車がシンボル。風車の風見台からは姿川や日光連山の風景を一望。園内と周辺一帯は季節の花々に彩られ、春は桜並木と菜の花の見事な絶景が楽しめる。 下野市石橋1119-1 ☎︎0285-32-8909 姿川アメニティパーク

17.グリムの森

林に囲まれ、グリム童話をモチーフにした遊具、噴水や小道が点在する公園は、まるでおとぎ話の世界。その中心に佇む「グリムの館」には売店やカフェ、図書コーナーがあり、親子で楽しめるイベントやワークショップも開催。 下野市下古山747 ☎︎0285-52-1180 グリムの森

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