ごきげんロードトリップ

グルメも金、元気も金、笑顔も金! 三拍子そろった秋の三陸・黄金ドライブ

宮城県・涌谷(わくや)町、石巻(いしのまき)市、南三陸町、気仙沼市

2023.11.13

文=高橋 剛 / 撮影=阿部吉泰 / イラスト=田中 斉

2023.11.13

文=高橋 剛 / 撮影=阿部吉泰 / イラスト=田中 斉

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

11月のごきげんロードトリップは宮城県の涌谷町、石巻市、南三陸町、気仙沼市をドライブ。日本で最初に金が採掘された涌谷町を起点に「みちのくGOLD浪漫」の史跡を訪ねてゴールドラッシュに思いを馳せ、アナゴ、ホヤ、気仙沼ホルモン、フカヒレなどの三陸グルメをたっぷり堪能。「いま行くべき三陸」をレポートします。

かつてはゴールドラッシュに沸いた!? みちのくは産金の元祖

地域の歴史的魅力や特色を通じ、日本の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定する「日本遺産」。東北エリアでは現在9つのストーリーが認定されており、そのひとつが「みちのくGOLD浪漫 〜黄金の国ジパング、産金はじまりの地をたどる〜」だ。

日本で初めて金を産出したのは、奈良時代の陸奥国(むつのくに)。みちのくの地が生んだ金は、富の象徴であり、人々の心を照らす灯でもあった。穏やかなみちのくの人々も、ゴールドラッシュに沸いたに違いない。

今回は黄金の痕跡と輝けるグルメを追いながら、宮城県の涌谷(わくや)町、石巻(いしのまき)市、南三陸町、気仙沼市を巡った。

涌谷町黄金山産金遺跡金の鳥居前

最初に金が採れた場所、涌谷町にある金の鳥居 ●黄金山産金遺跡 金の鳥居/涌谷町涌谷猿手三71 ☎︎0229-43-3001(涌谷町生涯学習課文化財保護班)

1270年前、日本で最初に金が採れた涌谷

何においても、一番というのは実に気持ちがいい。宮城県遠田郡涌谷町は、日本で一番最初に金が産出された地である。それを聞いただけで、仙台の市街地から約1時間ドライブする価値が大いにある。

かつて日本では金は採れないとされ、主に朝鮮半島からの輸入に頼っていた。しかし今から1270年以上も前の749(天平21)年、涌谷で金が採れることが判明。約13kgもの砂金が、当時の聖武天皇に献上されたそうだ。なんとも豪勢な話である。

「日本でも金が採れる!」と、当時の人々は色めき立っただろう。涌谷の砂金を皮切りに日本各地で金が産出されるようになり、1200年代後半にはマルコ・ポーロが「黄金の国・ジパング」と紹介するに至るのだ。

ちなみに有名な佐渡金山の開山は1601年と言われているから、涌谷ではそれより850年以上も前から金を産出していたことになる。まさに「ニッポン一番金」の地。素晴らしいではないか。

天平ろまん館での砂金採り体験

大きな水槽の砂の中に砂金が混じっているかと思うと、体験とはいえ燃える。

涌谷と金の歴史について学べる天平ろまん館には、砂金採り体験プログラムが用意されている。これはもう、やるしかない。砂金の採り方をレクチャーしてくれる大崎敬明さんは、なぜか首から金メダルをぶら下げ、若干ドヤ顔だ。

「ああ、これですか? 私、砂金採りの元世界チャンピオンなんです」。スゴイことをあっさりと言い放つ大崎さん。実は砂金採りは、1974年から世界大会が行われている、れっきとしたスポーツなのだ。

主催しているWGA(World Goldpanning Association 世界砂金掘り協会)には日本を含めた世界21か国が参画。老若男女を問わず気軽に挑戦できるが、きちんと世界大会ルールが策定されており、勝つのは容易ではない。大崎さんは2002年大会のジュニア部門で見事に優勝。WGAの歴史にその名を刻む、文字どおりのゴールドメダリストだ。

砂金を発見

ひと粒だけ砂金を発見! 猛烈なヨロコビと充実感に満たされる。

砂金採り世界チャンピオンの大崎さん

元世界王者の大崎敬明さん。砂金探しの名手。金メダルはダテじゃない。

水槽の砂を、大きなお椀ですくい上げる。この中に砂金が混じっているかもしれないと思うと、涌谷だけにワクワクする。大きくお椀を回し、水流の渦を作れば、砂より比重の大きい砂金がお椀の底に残る……という仕組みだが、そう簡単に砂金は姿を見せてくれない。

「はい、ありました」。横でお手本を見せてくれていた大崎さんが、あっさりと言った。お椀の底でキラリと光る金の粒。とても美しいが、あまりにも小さい。昔の人たちがこれを13kgも集めたことを思うと、頭が下がる。下げた頭でよ〜く見ると、自分のお椀にも砂金があった……ことを、大崎さんが教えてくれた。

楽しくて、やめられなくなる。元世界王者に挑戦できるのだから、なおさらだ。もし大崎さんより先に砂金を見つけられれば、世界一に勝ったという誇りが、残りの人生を支えてくれるはずだ……が、瞬く間に30分の体験が終了。どうにか見つけられたひと粒の砂金が、三陸ドライブを輝かせてくれるだろう。

ろまん館に展示された宝物

歴史館には、産金に関わる貴重な文化財が数多く展示されている。

天平ろまん館の外観

国道346号沿い。栄華を誇った時代を象徴する真っ赤な柱が目印(歴史館入館料500円、砂金採り体験料800円)。●わくや万葉の里 天平ろまん館/涌谷町涌谷黄金山1-3 ☎︎0229-43-2100 https://tenpyou.jp/

隆盛を誇った大谷鉱山に思いを馳せる

大谷鉱山の跡地

しんと静まり返った山の麓に、大谷鉱山歴史資料館はある。明治38年に開山し、昭和51年まで金を産出し続けた大谷鉱山。最盛期の昭和10年代には従業員数1,500人以上、坑道総延長55km、年間産金量は1tあまりを記録したという。

案内してくれた芳賀勝英さんは、かつて大谷鉱山に勤めていた「生き証人」だ。当時はこの地に映画館や幼稚園、診療所などもあり、鉱山を中心に賑やかな町を形成していたそうだ。「鉱山勤めは憧れの仕事だったんですよ。若者たちがたくさんいて、娯楽もあって、夜通し鉱山の明かりが灯っていてね。『不夜城の大谷』なんて言われてました」と、芳賀さんは懐かしむ。

その面影は、今はない。金が採れなくなった山が、静かに佇んでいるだけだ。しかし地元の方たちは、日本の産業遺産である大谷鉱山の貴重な歴史を残し、語り継ごうとしている。その熱意そのものが、値千金(あたいせんきん)だと感じる。

金は、ただ美しく輝くから人の心をつかむわけではない。安定していて、長い時間その姿を変えずにいるからだ。それは、三陸の方たちの郷里への思いと同じ。変わらずにいることの大切さを、みちのくの金が教えてくれる。

大谷鉱山資料館内を解説する芳賀さん

解説をしてくれた芳賀勝英さん。

モンスターゴールド推定模型

鹿折金山資料館に展示されている巨大な金鉱石「モンスターゴールド」の推定模型。鹿折金山で1904(明治37)年に採掘され、米国のセントルイス万国博覧会に出展された。

大谷鉱山資料館外観

●大谷鉱山歴史資料館/気仙沼市本吉町高瀬ヶ森58-16 ☎︎0226-44-3180 https://kesennuma-kanko.jp/ooyakouzansiryokan/

あのキャラクターが勢揃い! 時を超えて少年時代が蘇る

石ノ森萬画館の仮面ライダー展示

©石森プロ・東映

変わらないことにかけては、僕も負けていない。自分の心の中にいる「小学生の自分」は、今日も元気いっぱいだ。しかし、実年齢はすっかりおじさんだ。わずかな段差につまずいたり、人の名前が出てこなかったりする。

だが、石巻の石ノ森萬画館は、僕のおじさん性を全面的に吹き飛ばしてくれた。出迎えてくれた仮面ライダーやサイボーグ009たちが、僕を完全に小学生……なんなら幼稚園児にまで引き戻してくれたのだ。

ここはスゴイ。石ノ森章太郎が創り出した世界をそっくりそのまま全身で体感し、貴重な資料なども目にすることができるのだが、それによってオトナがコドモ化するのである。優れた漫画家の鮮烈なパワーが、オトナの中のコドモを引きずり出してしまう。訪れている人は誰もが、コドモのキラキラした笑顔を浮かべている。

しかも、である。石ノ森章太郎が生み出したキャラクターには、仮面ライダーしかり、人造人間キカイダーしかり、独特の陰を持つ者が多い。そしてコドモ時代には理解できなかったダークサイドの深みが、オトナの今だからこそよくわかるのだ。

オトナの中のコドモはただ底抜けに楽しみ、オトナの自分はしみじみと味わう。2段構えで石ノ森章太郎ワールドを満喫できてしまうのだから、全日本国民はぜひ一度足を運んでいただきたいと切に願う。

60歳の若さでこの世を去った石ノ森章太郎。決して長くはなかった生涯を懸けて描いた漫画は、多くの人々の心にポジティブな力を与え続けている。旧北上川河口の中瀬地域に位置しながら東日本大震災をも乗り越え、1年8か月後には再オープンした石ノ森萬画館のたくましい姿が、その証しだ。

サイボーグ009の展示

©石森プロ 立体になったキャラクターたちが、石ノ森章太郎の世界に誘ってくれる。

サイクロン号のゲーム

サイクロン号のゲームに興じ、少年時代のパワーが復活! やめたくない。

石ノ森萬賀館外観

宇宙船をイメージして作られた建物は、石ノ森章太郎の提案によるデザイン(観覧料900円)。●石ノ森萬画館/石巻市中瀬2-7 ☎︎0225-96-5055
【JAF優待】

老舗が本気で「映(ば)え」を狙った! 本格的な味と見た目の絶妙バランス

穴子市松玉手箱

キッチリと定規で測った市松模様。味と見た目に徹底的にこだわった逸品の穴子市松玉手箱(2,310円)。

「とり文」という名前と、料亭然とした店構え。高級そうな和食の店は、僕などには分不相応ではないかとちょっと身構える。実際、とり文は明治45(1912)年創業で、店主の奥田正博さんも4代目というから、正真正銘の老舗である。

名物の「穴子市松玉手箱」を注文する。運ばれてきた料理はアナゴと玉子、桜でんぶなどがキレイな市松模様を形づくっており、箸をつける前に思わずスマホを取り出して撮影したくなるかわいらしさだ。

しかしここは老舗。きっと穴子市松玉手箱も由緒正しき料理に違いない。スマホで撮影などあるまじき行為……などと思っていると、奥田料理長、「え? 写真撮らないの? せっかく映えるのに〜。撮って撮って。インスタに上げて!」と、ニコニコしている。

実はこの「穴子市松玉手箱」、フードコーディネーターと相談しながらSNS映えを意識して創られた新しい料理だ。「石巻はアナゴの水揚げが日本一なんですよ。で、アナゴを生かした料理といえば、普通はアナゴ丼でしょ? でも、それじゃ面白くない。そこでフードコーディネーターさんと相談しながら、市松玉手箱を始めたんです」

奥田料理長自らSNSに写真をアップするなどして話題を呼び、すっかり人気メニューとなった。老舗とは思えないほど柔軟な発想は、しなやかな強さでもある。「ウチも震災を食らいましたからね。店を続けていくためには、新しいことをどんどんやらなきゃ」と、奥田料理長は元気いっぱいだ。

使われているアナゴは、身が厚く食べ応えのある中サイズのもの。素材本来の味を損なわないように煮方を工夫し、骨抜きで小骨をひとつひとつ取り除くなどの手間を惜しまない。映えだけを気にしているのではない。料理人として決して譲れない味へのこだわりは貫かれている。さすがは老舗だ。

「あ、でもね、やっぱり今の時代、見映えはすごく大事(笑)。きっちりした美しい市松にするために、定規を使ってるからね」と奥田料理長。その笑顔に、「そういえば金って、軟らかく延びる金属なんだよな……」と、ふと思う。

穴子玉手箱を食べる筆者

おじさんだって、映える料理は楽しい。「目で味わう」も真実なのだ。

とり文店主の奥田さん

SNSで積極的に情報発信する老舗の4代目、奥田正博さん。しなやかな人だ。●とり文/石巻市中央2-7-18 ☎︎0225-22-0521 http://www.toribun.net/

爽やかな郷愁とともに、味覚と湯の温もりを堪能できる宿

追分温泉

聞こえるのは、たぽたぽという湯の音だけ。時が止まり、体と心がゆるむ。

今や令和も5年である。まさに「昭和は遠くなりにけり」。「昭和だな……」という言葉は、古めかしさを揶揄するために使われる。しかし、本当だろうか? 昭和はただ古ぼけてしまっただけの過去だろうか?

北上川河口から県道64号を進む。ひっそりとした山間の細道だ。峠の中腹にポツンとある一軒宿が、追分温泉である。到着したのは夕暮れ時で、車から降りると清涼な空気にふわりと包まれた。レトロな木造の宿からは、柔らかい電灯の光がこぼれ落ちてくる。

追分温泉外観夕景

創業、昭和23(1948)年。足を踏み入れるとレトロ感が炸裂する。ダルマストーブ。ゲームセンター。ところどころでみしみし鳴る木の廊下。瓶ジュースの自動販売機。子供の手押し車。絵本やマンガが並ぶ本棚。名実ともに、全面的に昭和なのである。

出迎えてくれた館主の横山宗一さんは、「もうね、ある時期から新しいモノを追いかけるのはやめようと思って」と笑う。この宿で生まれ育ち、今も暮らしている。「収容人数は増えましたが、自分としては我が家にお客さまを迎え入れるような、民宿みたいな感覚のままなんですよ」と横山さん。

アットホームという言葉を地で行く。追分温泉の全館に漂うぬくもりは、作り物ではなく、パーフェクトな本物だ。ここで発する「昭和だな……」は、爽やかな郷愁を交えたほめ言葉でしかない。

供された夕食も、横山さん自らが板場に立ち包丁を振るった心づくしの味だ。名物のホヤなど三陸の海産物を中心に、豪華でありつつ素朴な料理が並ぶ。噛み締めるたびに、懐かしさが込み上げる。甘美なノスタルジーがたまらない。

横山さんは、「遠方からホヤを食べに来てくださるお客さまもいらっしゃるんですが、私たち地元の人間にとっては大衆の味なんですよ」と率直だ。しかし、そこがいい。飾り過ぎることなく、身の丈に合った宿と料理が、体にフィットする。昭和に生まれ育った世代ではなくても、日本人なら誰もが感じる「ちょうどよさ」が、追分温泉の魅力だ。

朝、広々とした湯船に浸かった。かつてこの地にも金山があった。閉山後、鉱洞からの湧き水を沸かし、地域の人々の湯治場としたのが追分温泉の原点とのこと。たっぷりとした湯に朝日が反射し、金色に揺れた。

獲れたてのホヤ

朝、港で仕入れた獲れたてほやほやのホヤ。新鮮だからこその深みが味わえる。※ホヤの提供時期は4〜10月頃です。

ホヤ料理3品

ホヤづくし3品。右から茹で、刺身、そして天ぷら。それぞれに味や食感が異なり、舌を喜ばせてくれる。

追分温泉外観

外観からもレトロな雰囲気が漂う追分温泉(宿泊料2食付き平日7,700円〜)。●峠の湯 追分温泉/石巻市北上町女川字大峯1 ☎︎0225-67-3209
【JAF優待】

南三陸の食の魅力がまばゆいブランドグルメ「キラキラ丼」

南三陸キラキラ丼

南三陸キラキラ秋旨丼(1,980円) ●創菜旬魚 はしもと/南三陸町志津川五日町201-5 さんさん商店街内 ☎︎0226-29-6343

「正直言って、震災前のほうが先行き不安でした。南三陸町なんて、ほとんど知られていませんでしたから……」と苦笑いするのは、「創菜旬魚 はしもと」の店主、及川満さんだ。「道の駅さんさん南三陸」内の人気施設「南三陸さんさん商店街」の一角に店舗を構えている。

身がすくむきっかけではあるけれど、震災を機に知れ渡ることになった、「南三陸」という地名。今では震災から学ぶ拠点のひとつとして、休日ともなると多くの大型バスが立ち寄るほどになった。

震災以前から町おこしの一環として企画されていた「南三陸キラキラ丼」も、今や全国区。海の幸をふんだんに使った贅沢などんぶりをリーズナブルな価格で食べられるとあって、南三陸の代表的なブランドグルメとなっている。

現在、キラキラ丼に参画しているのは9店舗。「はしもと」はそのひとつだ。キラキラ丼は、各店で四季に応じて4種類の丼が提供されるのが特徴。取材で訪れた9〜10月は、「南三陸キラキラ秋旨丼」だ。

どんぶりからこぼれ落ちそうな、新鮮な魚介類。脂ののった戻りカツオは、気仙沼産。タコ、ホタテ、イカは志津川産だ。「地の海産物をできるだけふんだんに使うようにしています」と及川さん。

「震災があっても、獲れる魚は変わりません。南三陸には相変わらずおいしい食べ物がたくさんあり、魚介も豊富です。グルメの楽しさを目いっぱいアピールしていきたいですね」と、キラキラした笑顔を浮かべる。11〜2月は、宝石のようなイクラがどんぶりを覆う「南三陸キラキラいくら丼」を提供する予定だ。

未来につながる賑わいが頼もしい「道の駅さんさん南三陸」

さんさん南三陸商店街

●道の駅 さんさん南三陸/南三陸町志津川五日町200-1 ☎︎0226-46-1385
https://www.sansan-minamisanriku.com/

道の駅と聞くと、「大きな建物がひとつあり、中には産地直売所が設けられている」というイメージがある。その点、「道の駅さんさん南三陸」の構成は非常にユニークだ。

「南三陸さんさん商店街」をはじめとして、震災伝承施設「南三陸311メモリアル」、観光交流施設「南三陸ポータルセンター」、そして交通拠点施設「BRT志津川駅」が一体となった複合施設となっているのだ。

「南三陸さんさん商店街」には、お土産屋さんやグッズショップ、カフェ、レストランなどが並ぶ。それだけじゃない。コンビニに床屋さんに整体院、写真館や仏具店まで、まさにひとつの町を形づくっている。観光客と地元の方が入り交じる様子は、賑やかで楽しげだ。歩いているだけで、ウキウキしてくる。

「南三陸311メモリアル」や「南三陸さんさん商店街」、そして南三陸町震災復興祈念公園への架け橋になっている「中橋」は、建築家・隈研吾によりデザインされた。南三陸産杉が多用され、シャープさと柔らかさがほどよくバランスしている。人々で賑わう道の駅にもたらされた、モダンな美しさ。「この地に、新しい人の集まりを創ろう」という、地元の方たちの強い意思が表現されているようだ。

「南三陸311メモリアル」に集められていたのは、震災に遭った人々の声だった。完成したのは、震災から11年後の昨年10月。想像を絶する悲劇を語るには、十分な時間が必要だった。しかし時が流れ、しなやかな人の心が少しずつ落ち着きを取り戻すと、語るべき言葉があふれ出てきた。「南三陸311メモリアル」は、その受け皿として機能している。

僕たちは、その言葉に耳を傾けたい。震災は人の弱さと強さの両方を教えてくれた。起きてしまったことは戻せないが、いつでもまた、始めることができる。ここは、ただの道の駅じゃない。人の輝きを見せてくれる大きな舞台だ。

南三陸311メモリアルの展示

南三陸町を襲った高さ15.5mの大津波の位置を示した展示。目前で見上げると圧倒的な恐怖が伝わる。

南三陸311メモリアル外観

隈研吾氏が設計した南三陸311メモリアルの外観 ●南三陸311メモリアル/南三陸町志津川五日町200-1 ☎︎0226-28-9215 有料エリア入場料200円

南三陸町震災復興祈念公園

●南三陸町震災復興祈念公園/南三陸町志津川塩入 ☎︎0226-46-1377(南三陸町建設課)

「道の駅大谷海岸」で一堂に会する、海の幸と山の幸

道の駅 大谷海岸の看板

目の前に広がる海は、穏やかで優しい。道の駅大谷(おおや)海岸には24時間利用できる展望デッキが設けられていて、美しい弧を描く砂浜を眺めたり、グルメをぱくついたりと、人々が思い思いに過ごしている。

2021年にオープンしたばかりのピカピカの真新しい施設は、もちろん、震災を思い起こさせる。ここも大きな被害に遭ったことが、容易に想像できる。でも今は、濃厚なソフトクリームを全力で味わいたい。いけすを生き生きと泳ぐ魚たちを眺めていたい。楽しいお土産物を見て回りたい……。

気仙沼の海の幸と山の幸が、一堂に会している。生産者の顔が見え、自然な感情として応援したくなる。でも、元気をもらっているのは僕たち旅人の側だ。何があっても立ち上がろうとする東北の人たちの粘り強さこそ、いつも僕たちに必要なものだ。

フカヒレソフト

はちみつ漬けのフカヒレがのったゴージャスなふかひれソフト(400円)。

道の駅 大谷海岸外観

シンボルでもあるマンボウの看板が目印の道の駅大谷海岸 ●道の駅 大谷海岸/気仙沼市本吉町三島9 ☎︎0226-44-3180 https://mitinoekiooya.jp/
【JAF優待】

目と心にしっかりと焼き付けるべき、震災の遺構

気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館

校舎4階のベランダには津波で流されてきた冷凍工場が激突した跡がそのまま残っている。●気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館(旧気仙沼向洋高校旧校舎)/気仙沼市波路上瀬向9-1 ☎︎0226-28-9671 入館料600円 https://www.kesennuma-memorial.jp/
【JAF優待】

言葉が出てこなくなった。青春の舞台である高校が、こんな姿になっていいはずがない。気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館は、高さ13m以上の大津波の被害に遭った旧気仙沼向洋高校の旧校舎が、ほぼ当時のままの状態で残されている。

幸いなことに、当時この高校にいた生徒、教師、工事関係者約250人に犠牲者は出なかった。……という事実がにわかには信じられないぐらい、若者が集う学び舎は破壊し尽くされていた。犠牲者ゼロは奇跡でも何でもなく、迅速な避難の賜物だ。

ここでも、起きてしまった大災害を事実としてしっかり見据え、教訓とし、未来へとつなごうとしている。「津波死ゼロのまちづくり」を標榜している気仙沼市。海抜0〜1mの地に建ちながら犠牲者を出さなかった向洋高校は、その象徴にふさわしい。

息が詰まるような時間を過ごし、ふと校舎の窓から外を見ると、高校グラウンド跡地がパークゴルフ場になっていた。きれいに整備された芝生。クラブとボールが触れ合うカッという乾いた音。パークゴルフに興じる人たちの笑い声。海から穏やかな風が吹いている。

さあ行こう、気仙沼ホルモンを食べに(笑)。あまり考え込んでいても仕方がない。おなかさえ満たされていれば、あとのことはだいたい何とかなる。

ホルモンとキャベツの組み合わせが楽しい気仙沼のB級グルメ

気仙沼ホルモン一休

一休の気仙沼ホルモン、キャベツ付き(450円)

気仙沼は、国内屈指の遠洋漁業基地だ。船の上で長い時間を過ごした漁師たちは、港に戻ると肉料理を求めた。安くておいしいホルモン焼きは人気の的だ。さらに船上での野菜不足を補うために千切りキャベツが添えられ、ここに気仙沼ホルモンが誕生した。

「一休」は10年前、畠山信子さんが68歳のときに始めた店だ。今は息子さんの氣仙直樹さんが手伝い、ご主人の畠山冨士夫さんもちょくちょく顔を出す。ガツガツと遠慮なく言い合う家族の会話が、ホルモンを焼くジューッという音と重なって、とても気持ちがいい。

ウスターソースをかけた千切りキャベツの上に、味噌ベースのホルモン焼きをのせ、まとめて頬張る。香ばしくもねっとりとしたホルモンの肉っぽさに、シャキシャキしたキャベツのフレッシュさが加わる。初めて食べるのに、何度も食べたことがあるような、不思議な感覚だ。

「お店を始めたのは、震災の2年後なんです。最初の3年は厳しくてねぇ。『やらなきゃよかったかしら』なんて後悔しましたよ」と、信子さん。「今はねえ、お店が開くのをお客さんが待っててくれるの。遠くからも来てくれるしね。そういうお客さんたちが『おいしいねえ』と言ってくれると、『ああ、やっててよかったなぁ』って」

ホルモンは毎日仕入れて、お客さんが来店してから味噌ダレと混ぜ込む。あまり早いうちから混ぜてしまうと、ホルモンの味が落ちてしまうそうだ。庶民的でありながら、こだわるところはこだわる。にもかかわらず、あまりにも良心的な価格。お客さんからは「値上げしなよ〜」と言われるそうだ。「一休」が人気店になったのも頷ける。

ご主人の冨士夫さんは、リサイクルショップなどの事業を展開しているが、「一休」には口を出さない。「夫婦だとさ、ほら、いろいろめんどくせぇから」と苦笑いしながらも、「あんたがた、いろんな所に行ってるんでしょ? お店をもっとはやらせるために、なんかいいアイデアないかい?」と真顔で尋ねてくる。

冨士夫さん、ぞんざいなようでいて、「一休」と信子さんへの愛があふれ出てしまっているのだ。そんな二人を見るでもなく、会話に交じるでもなく、息子の直樹さんは黙々と調理している。気仙沼ホルモンの隠し味は、家族の妙味。なんともフクザツなおいしさで、飽きることがない。

一休の親子

「一休」店主の畠山信子さんと店を手伝う息子の直樹さん。

一休外観

●ホルモン一休/気仙沼市松川37 ☎︎0226-22-5888

穏やかで美しい気仙沼湾を一望できる展望台

安波山展望台

仕事や旅行で、この地域は何度か訪れたことがある。そのつど東北の人たちの飾らない温もりに触れ、「いい土地だなあ」と思っていた。しかし、震災以降はなんとなく気後れして、足が遠のいていた。震災の影はあまりにも濃く、生半可な気持ちで行ってはいけないのではないか、と思っていたのだ。

しかし、それはまったくの杞憂(きゆう)だった。むしろ、誤解だったと言ってもいい。一人の旅行者としてドライブをしながら、僕はすっかり三陸の人たちに勇気づけられていた。みんな明るく、元気で、前向きだった。

人々のしなやかな強さは、もともとの気質なのか、大震災というとてつもない壁を乗り越えたことで身に付けたものなのか、一介の旅行者である僕にはわからない。安波山(あんばさん)展望台から、気仙沼湾を一望する。そこかしこに空き地が見え、海は防潮堤に囲まれているが、とても美しい景色だ。

12年前にここで起きたことは、明日、自分の住む町に起きてもおかしくない。その時は、三陸の人たちのように力強く立ち上がりたい。あり得ないほどの苦難を乗り越えた「偉大な先輩方」を手本に……。

さあ、行こう。フカヒレ三昧の料理を食べに(笑)。シリアスはガラじゃない。車を運転して、食べて、「今」を実感しよう。おなかさえ満たされていれば、あとのことはだいたい何とかなる、はずだ。

安波山展望台ひのでてらすから

気仙沼の内湾の風景が一望できる展望台。夜景も美しいという。●安波山展望台ひのでのてらす/気仙沼市町裏 ☎︎0226-22-6600

繊細で優しい味付けがうれしくなる、郷土愛たっぷりのふかひれ

ふかひれ料理

寿し処 大政で食べたふかひれづくしの料理。

金に始まった三陸ドライブは、フカヒレで締めくくることに決めていた。なぜって? フカヒレは食べる黄金だからだ。どこからどう見ても、黄金色。海の豊作と言いたくなる豪華な色合いではないか。

訪れた「寿し処 大政」は、今や気仙沼を代表する名物となったふかひれ姿寿司の元祖である。もともと気仙沼はサメの産地として知られていたが、大きなフカヒレから買い手がつき、小さなものは需要が少なかった。

「『何かいい方法はないかなあ』と相談された先代が、時間をかけてレシピを開発し、ふかひれ姿寿司を完成させたんです」と説明してくれたのは、「大政」を切り盛りする若女将、清水直子さんだ。

それが25年ほど前のことだ。先代の清水直喜さんは、器の大きな人だった。手間暇をかけて開発したレシピを独占しようとはせず、惜しげもなく地域の寿司組合に公開したのだ。「気仙沼全体でバーンと打ち上げたほうが、インパクトがあって盛り上がるだろう」という考えだった。

もちろん、「ウチが絶対に一番うまいふかひれ姿寿司を作る」という絶対的な自信があってのことだ。先代の思惑通りふかひれ姿寿司は気仙沼の名物になり、地域の盛り上げにひと役買った。そして「大政」も、ふかひれ姿寿司の元祖としてその名を広く知らしめたのだ。

「結局、みんな得するやり方だったんですよね」と微笑む若女将の直子さんは、寿司を握り始めて4年ほど。亡くなった先代に「どうしても大政を続けてほしい」と乞われ、「私がやらなきゃ誰がやる」と一念発起したそうだ。「まだまだ寿司の握りが甘かったりするんですが、いいお客さんばかりで、皆さん応援してくださるんです」。先代から引き継いだのは、きっと味だけではない。

どんぶりの上にドーンと威勢よく盛られた特大のふかひれ。箸でガッと切り、酢飯と一緒にガバッと口の中に放り込む。豪快な見た目とは裏腹に、和風だしの味付けはとても繊細で優しい。ぷりぷりとした食感と酢飯の爽やかさが、絶妙なハーモニーを奏でる。

ふかひれづくし4貫

ふかひれづくし4貫(1,430円)

もうかのほし

モウカザメの心臓の刺身、もうかのほし(時価)。ほとんど気仙沼でしか水揚げされない希少部位で珍味とされる。

ふかひれパイスープ

ふかひれパイスープ(880円)

気仙沼のふかひれ丼

ふかひれ丼(6,600円)

これだけおいしいふかひれ姿寿司が気仙沼のあちこちでいただけるのも、先代の心意気があってこそ。黄金のふかひれが、さらにまぶしく見えた……などとカッコいいことを言う間も惜しみ、わしわしと食べ進む。ボリュームはあるが、箸が止まらない。三陸のエネルギーに後押しされながら、ふかひれ料理のフルコースを平らげてしまった。「おいしい」を超えて、食べることの喜びを噛み締めていた。

ふかひれ寿司を食べる男性

黙々と食べ進む。和風のふかひれ料理は素材本来の繊細な味が際立ちとてもおいしかった。

大政外観

ふかひれ姿寿司元祖の店 ●寿し処 大政/気仙沼市東八幡前142-3 ☎︎0226-23-1331

輝ける金は、ふるさとと人の心の中にある

ひと粒の砂金から始まった三陸ドライブは、いろいろな意味での「黄金」を巡りながら、最終的にはふかひれ姿寿司にたどり着いた。

美しい輝きを放つ金は、長い長い時を経ても変わることがなく、でも、軟らかい。ふるさとへの変わらぬ思いを抱き続け、ふるさとの地に根ざし、新しいものをしなやかに取り入れながらふるさとを守る三陸の人たちこそが黄金なのだと、改めて思う。

遠慮なく、また来よう。この地には、訪れるべき理由がまだ無数に埋蔵されている。その「黄金」は、来た数だけ掘り起こせるだろう。

気仙沼港にて

今回のごきげんロードマップ

イラストマップ

A.黄金山産金遺跡 金の鳥居/B.わくや万葉の里 天平ろまん館/C.とり文/D.石ノ森萬画館/E.峠の湯 追分温泉/F.道の駅 さんさん南三陸/G.創菜旬魚 はしもと/H.大谷鉱山歴史資料館/I.道の駅 大谷海岸/J.気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館/K.ホルモン一休/L.安波山展望台ひのでのてらす/M.寿し処 大政

「ごきげんロードトリップ」掲載自治体のご紹介

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※記載のデータは2023年10月現在のもので、料金は大人1名分(税込)です。変わる場合もありますので、お出かけ前にご確認ください。
取材協力=涌谷町、石巻市、南三陸町、気仙沼市

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プレゼント応募用キーワード

みちのく

宮城県・涌谷町、石巻市、南三陸町、気仙沼市ドライブガイド

1.わくや天平の湯

第一源泉はゆっくりと肌の角質を溶かし、美肌へと導く低張性アルカリ性。第二源泉は保湿力が高いナトリウム塩化物硫酸塩泉・低張性中性泉。第一源泉、第二源泉の順で入浴すれば、より効果がアップする「美人の湯」。
涌谷町涌谷中江南222 ☎0229-43-6330 わくや天平の湯

2.村上菓子舗

名物の「奥州涌谷かりんとう」(330円)※は、ゴマと三温糖を練り込んだ上質な小麦粉をサラダ油でカラッと揚げた逸品。サクサクの歯応えと、噛むほどに広がる素朴な甘味で、子供も大人も一度食べたら止まらなくなる。
涌谷町本町48 ☎0229-43-2986 ※天平ろまん館売店等で販売

3.涌谷とうふ店

にがりで固まり始めた豆乳を寄せて作った「おぼろ豆腐」が看板商品。高品質で知られる涌谷産の「ミヤギシロメ大豆」を100%使用し、大正13(1924)年から伝承し続ける職人の技で、濃厚な味わいとなめらかな食感が楽しめる。
涌谷町桑木荒156-3 ☎0229-29-9127 涌谷とうふ店

4.道の駅 上品(じょうぼん)の郷 ふたごの湯

宮城県内唯一の含鉄塩化物泉。豊富な鉄分と塩分が体を芯から温め、ぽかぽかが持続。皮膚病や婦人病などに効能がある。無料休憩室や有料個室、食堂、ソフト整体など施設が充実。売店のスムージーが人気。
石巻市小船越二子北下1-1 ☎0225-62-4126 道の駅 上品の郷 ふたごの湯

5.蔵八ラーメン 石巻日赤病院前店

仙台味噌がベースの熟成赤味噌を使う赤みそラーメンと、まろやかな信州味噌を100%使用する白みそラーメンを定番に、醤油、塩、野菜ラーメンや季節限定メニューも人気。どんぶりの底に大吉が出ると無料サービスも。
石巻市わかば3-12-7 ☎0225-92-0231 蔵八ラーメン 石巻日赤病院前店

6.炭火焼肉 牛仁(ぎゅうじん) 石巻蛇田店

生産者が見える安心安全なお肉を、より安く提供したい。おいしいお肉で、心も体も元気になってほしい。そう願い、厳選した仙台牛1頭分を骨付きのまままるごと買い付けて熟成。豊富なメニューをリーズナブルに提供する。
石巻市恵み野5-10-29 ☎0225-94-1129 炭火焼肉 牛仁 石巻蛇田店

7.寿司・割烹 竹乃浦

金華山沖で獲れた新鮮な魚介類を惜しみなく盛り合わせた「金華丼」が人気。握り寿司も地元の厳選素材を集めており、味と鮮度に徹底的にこだわっている。リーズナブルなセットや定食メニューも充実し、足を運びやすい。
石巻市山下町1-19-6 ☎0225-95-2424 寿司・割烹 竹乃浦

8.石巻市震災遺構 門脇小学校

東日本大震災による津波と津波火災の状況を残す全国唯一の震災遺構。巨大津波の生々しい爪痕とともに、津波に襲われる前に素早く避難し、学校にいた児童は全員無事だったという学校の取り組みも紹介。自然に育まれた命の尊さを伝えている。
石巻市門脇町4-3-15 ☎0225-98-8630 石巻市震災遺構 門脇小学校

9.田代島

石巻港から船(網地島ライン)で約40分。中央がくびれた小島で、「ひょっこりひょうたん島」のモデルとも。豊漁の神様として猫を大事にし、島中にはのんびり過ごす猫の姿が。漫画家がデザインした猫型ロッジは宿泊可能。
石巻市田代浜 ☎0225-93-6448(石巻観光協会)

10.おしか御番所公園

牡鹿半島最先端で、太平洋を見下ろす絶景が楽しめる。展望棟からは牡鹿半島の全景や金華山などを見渡せる。「御番所」という名前の由来は、江戸時代に見張り所が設置されていたから。眺めのよさは仙台藩のお墨付きだ。
石巻市鮎川浜黒崎1-643 ☎0225-45-2114(牡鹿総合支所地域振興課)

11.石巻市震災遺構 大川小学校

川と海を遡上(そじょう)した津波に見舞われた大川小学校。石巻市はこの学び舎を震災遺構とし、当時の様子を残す校舎、遺族の方たちの思い、裁判の記録も展示。犠牲者を慰霊・追悼する場として、学びの場として、未来へとつなぐ。
石巻市釜谷韮島94 ☎0225-24-6315 石巻市震災遺構 大川小学校

12.南三陸ホテル観洋

地元産の海鮮を中心とした新鮮な食材を使った料理と海にせり出す地下2,000mの深層天然温泉の露天風呂。志津川湾観光船や「震災を風化させないための語り部バス」などのアクティビティも体験できる南三陸の特色が詰まったホテル。
南三陸町志津川黒崎99-17 ☎0226-46-2442 南三陸ホテル観洋

13.南三陸YES工房

地元の素材を使いモノづくりを楽しめる工房。縁起物キャラクターの「オクトパス君」への色塗りや木工クラフト、まゆ細工などの体験プログラムが用意されている。置くと試験にパスできる!? オクトパス君グッズ販売も。
南三陸町入谷中の町227 ☎0226-46-5153 南三陸YES工房

14.リアス・アーク美術館

東北・北海道をひとつのエリアと捉え、美術をはじめとする芸術・文化を継続的に調査・研究。地域の歴史や風土に根ざした美術品や歴史・民俗資料などの展示物が、東北や北海道に暮らす人々の営みをより深く理解させてくれる。
気仙沼市赤岩牧沢138-5 ☎0226-24-1611 リアス・アーク美術館

15.気仙沼シャークミュージアム

知られざるサメの生態を中心に、海と人の関わりや、気仙沼について学べるミュージアム。「シャーク」ゾーン、「海と生きる」ゾーン、「絆」ゾーン、「震災の記憶」ゾーンに分かれており、充実の体感型展示が待っている。
気仙沼市魚市場前7-13 ☎0226-24-5755 気仙沼シャークミュージアム

16.紅梅 魚町本店

昭和27(1952)年創業。伝統的な製法を守りながら、四季折々の和菓子を提供する。「亀の子もなか」をはじめ、きめ細かい心遣いと自然な甘味が楽しめる銘品揃い。主原料の小豆と大手亡豆は北海道産にこだわり、自家製餡している。
気仙沼市魚町2-1-13 ☎0226-22-0469 紅梅 魚町本店

17.鹿折(ししおり)金山資料館

鹿折金山で明治37(1904)年に採掘された重さ約2.25kg、金含有率約83%のモンスターゴールド。大部分が行方不明になってしまったが、昨年、推定模型を作製、同館の目玉となった。当時の金鉱石、工具、文献なども展示。
気仙沼市上東側根14 ☎0226-29‐5008

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