原発事故避難者への高速道路無料措置が2027年3月31日まで延長
「ふるさと帰還通行カード」の利用方法東日本大震災・原発事故による警戒区域等からの避難者を対象に、高速道路の通行料金を無料にする特例措置がある。2026年3月、国土交通省はこの措置の実施期間を2027年3月31日まで延長することを発表した。利用には市町村窓口で取得する「ふるさと帰還通行カード(緑色)」が必要で、対象車種は軽自動車・普通車・中型車(貨物用途のトラックタイプは除外)。ETCレーンおよびスマートICは利用できない。
原発事故避難者への高速道路無料措置を2027年3月31日まで延長が決定
高速道路無料措置の対象ICは、東北道・磐越道・常磐道など福島県周辺の区間が中心(画像=NEXCO東日本)
NEXCO東日本は2026年3月6日、この無料措置を2027年3月31日まで延長すると発表した。これまでの期限は2026年3月31日であったが、今回の決定により1年間の延長となる。現在使用中の「ふるさと帰還通行カード(緑色)」は、2026年4月1日以降も引き続き利用できる。
また、利用開始から約14年が経過し、避難指示が解除された地域があることを踏まえ、今後は終期の設定を含めた制度のあり方について検討を進めるとしている。
そもそも、原発事故避難者への高速道路無料措置とは?
「原発事故による警戒区域等から避難されている方に対する高速道路の無料措置」は、2011年の東日本大震災・東京電力福島第一原発事故を受けて創設された特例制度だ。原発事故によって自宅に戻れなくなった人が避難先と故郷を往来しやすくなるよう、高速道路の通行料金を無料にするものである。
現在も、帰還困難区域を抱える自治体があり、避難生活を続ける人の生活再建を支える制度として運用が続いている。
誰が使える? 対象となる人と対象地域
この制度を利用できるのは、以下のいずれかに該当する人だ。
・東日本大震災発生時(2011年3月11日時点)に、原発事故の警戒区域等に居住していた人
・居住地が特定避難勧奨地点の設定を受けた人
対象地域は福島県内の市町村が中心で、浪江町・双葉町・大熊町・富岡町・楢葉町・広野町・葛尾村・川内村・飯舘村のほか、南相馬市・田村市・川俣町の一部区域が含まれる。
対象車種は軽自動車・普通車・中型車。ただし中型車のうち「貨物用途」のトラックタイプの車両(一部例外あり)は、2025年9月より対象外となっている。
延長後も利用条件の確認を。制度見直しの議論も視野に
今回の延長により、避難生活を続ける人にとっては、引き続き移動負担の軽減が図られる。一方で、制度開始から10年以上が経過し、対象地域や利用実態にも変化も見られることから、今後は見直しの議論も進んでいく見通しだ。
対象者は、自身の利用条件や対象区間をあらためて確認したうえで、制度を適切に活用したい。