練馬区の新道路「放射第7号線」イメージ

練馬区の新道路「放射第7号線」が暫定開通! 関越道と外環道、中央道へのアクセス向上へ

目白通りと伏見通りを接続する都道が2025年2月16日に暫定開通

東京都は2025年2月16日(日)15時に、東京都市計画道路の放射第7号線(練馬区大泉学園町二丁目~同区西大泉五丁目)のうち、西側区間を暫定開通すると発表した。

目次

1946年の計画道路が2025年に開通しても時代遅れではないその効果

2025年2月16日に暫定開通される放射第7号線

2025年2月16日に暫定開通される放射第7号線(開通前の様子)

この放射第7号線とは、東京都心(千代田区九段北)と関越自動車道・東京外環自動車道大泉IC付近を東西に結ぶ、都道8号・24号目白通りの延伸となる、延長2kmの道路。

放射第7号線の暫定開通区間地図

今回、放射第7号線の赤い線の部分が暫定開通となる(東京都建設局報道発表資料より)

ここが全面開通した場合、すでに開通済みの延伸区間である西東京3.3.14号を経由し、多摩地区を南北に縦貫する都道233号・234号伏見通りが、目白通りと接続される。

大泉ICから目白通り(下り方向)

大泉ICから目白通り(下り方向)に入る車

今回の暫定開通により伏見通りと接続する区間が延長される

今回の暫定開通により伏見通りと接続する区間が延長される

放射7号線と接続する伏見通り

放射7号線と接続する伏見通り

これにより東京区部および関越道・外環道と多摩地区とのアクセスが向上。伏見通りの延長上にある都道12号新武蔵境通り・武蔵境通りを経由して、中央自動車道調布ICとの接続も容易となる。今回はこの放射第7号線のうち、練馬区西大泉を東西に1km結ぶ区間が暫定開通する。

迂回路となってきた通学路・生活道路「したみち通り」の安全を確保

また、今回の暫定開通により、これまで迂回路として利用されてきた区道「したみち通り」へ流入する車両が、一部区間で減少する効果も期待される。

したみち通りに迂回する車(暫定開通前)

したみち通りに迂回する車(暫定開通前)

小学校付近のしたみち通り

小学校付近のしたみち通りの様子(暫定開通前)

今回の開通区間と並行するしたみち道路の一部区間は、沿道にある小学校の通学路にもなっている。片側一車線のカーブが続く狭い道路は、ところどころ見通しが悪く、歩道との区切りとなるガードパイプも片側にしかない。さらに反対側の路側帯には道をふさぐように電柱が立ち並んでいる。

したみち通りから目白通りに入る車で渋滞気味の様子

したみち通りから目白通りに入る車で慢性的に渋滞気味となっている

付近には住宅やスーパーも立ち並んでおり、車の通行量が多い時間帯などは歩行者や自転車が通りにくい。

それに対して、今回開通する道路は、幅員25mのうち車道幅が11mなのに対して、歩道幅が上下に各7m確保され、歩道には街路樹で分離された自転車道も整備されている。道のりも見通しのいい直線形状だ。

今回の暫定開通区間と同様の道路(西東京3.3.14号)

今回の暫定開通区間と接続する同様の道路(西東京3.3.14号)

生活道路でもあるしたみち通りへの車両流入が減少すれば、クルマと歩行者、自転車、あるいは自転車と歩行者との交通事故のリスクが軽減されるだろう。

戦後から高度経済成長期、そして現在における道路の役割

この放射第7号線だが、戦後間もない1946年3月に計画が決定されたもの。そのうち目白通りの一部は、1964年の東京オリンピック開催に向けて、まだ幹線道路やアスファルト舗装もほとんどない時代に急速に整備された。一方、今回開通する区間は、そこから40年以上後の2006年に事業を開始した。

目白通りの様子

目白通りの様子

開通前の放射第7号線

暫定開通前の放射第7号線の様子

このタイムラグこそが、かえって現代の道路に求められるニーズをくみ取る時間となったのではないか。高度経済成長期における幹線道路の整備とは異なり、やみくもに車道を広げて多車線を確保するのではなく、歩行者と自転車、クルマが安全に共存する道路のあり方によって、住みよい街づくりにつながるという意識も感じられた。

この記事はいかがでしたか?
この記事のキーワード
あなたのSNSでこの記事をシェア!