「防災道の駅」が安全・安心拠点として注目! 道の駅が災害時に利用できる避難所に

「道の駅」の防災機能強化は、2019年に国土交通省により提言された、新「道の駅」のあり方検討会に始まる。「道の駅」に広域的な防災拠点と地域の防災拠点の機能を持たせる取り組みだ。この提言を受け、2021年には、広域的な防災拠点機能を担う「防災道の駅」が全国39か所選定されている。

能登半島地震では、道の駅「うきは」(福岡県)の防災用コンテナ型トイレを道の駅「あなみず」(石川県)に運び穴水町の断水に対応した。このコンテナ型トイレは運搬可能な「全自己処理型」で、太陽光発電やバッテリーなどで稼働する。自動浄化システムを搭載しており、汚水の処理・再利用ができる。道の駅「うきは」は、39か所の「防災道の駅」の一つで、能登半島地震ではその成果が表れた形だ。

新「道の駅」のあり方の見直しにより、「道の駅」に安全の確保を目的とした防災施設(感染症対策を含む)としての役割が追加された。

全国39か所の「防災道の駅」には、その役割を果たすため、国による重点的な支援が行われている。施設の耐震化や貯水施設、通信設備、防災トイレなど基本的な防災機能が整う。また、過去の災害を踏まえた実践的な防災訓練が行われ、災害時には避難誘導や負傷者の救急・救命など迅速に対応できる対策がとられている。

「防災道の駅」以外の全国の「道の駅」は、地域の防災拠点として一時避難所などの役割を果たす。災害時の優先業務の特定や対応手順や必要な資源の確保など準備が着実に進む。災害時には、避難スペースや災害用備蓄品やトイレの利用のほか、食料品・生活必需品の購入も可能となる。

全国39か所の「防災道の駅」は、下記の通り。国土交通省のウェブサイト からも確認できる。

北海道
・道の駅 てしお(天塩町)
・道の駅 ニセコビュープラザ(ニセコ町)
・道の駅 さるふつ公園(猿払村)
・道の駅 厚岸グルメパーク(厚岸町)

東北地方
・道の駅 しちのへ(青森町七戸町)
・道の駅 遠野風の丘(岩手県遠野市)
・道の駅 協和(秋田県大仙市)
・道の駅 いいで(山形県飯豊町)
・道の駅 猪苗代(福島県猪苗代町)

関東地方
・道の駅 奥久慈だいご(茨城県大子町)
・道の駅 みぶ(栃木県壬生町)
・道の駅 川場田園プラザ(群馬県川場村)
・道の駅 やちよ(千葉県八千代市)

北陸地方
・道の駅 あらい(新潟県妙高市)
・道の駅 のと里山空港(石川県輪島市)
・道の駅 越前おおの荒島の郷(福井県大野市)

中部地方
・道の駅 小坂田公園(長野県塩尻市)
・道の駅 富士川 (山梨県富士川町)
・道の駅 パレットピアおおの(岐阜県大野市)
・道の駅 朝霧高原(静岡県富士宮市)
・道の駅 とよはし(愛知県豊橋市)
・道の駅 伊勢志摩(三重県志摩市)

近畿地方
・道の駅 せせらぎの里こうら(滋賀県甲良町)
・道の駅 但馬のまほろば(兵庫県朝来市)
・道の駅 クロスウェイなかまち(奈良県奈良市)
・道の駅 すさみ(和歌山すさみ町)

中国地方
・道の駅 みやま公園(岡山県玉野市)
・道の駅 西条のん太の酒蔵(広島県東広島市)
・道の駅 ソレーネ周南(山口県周南市)

四国地方
・道の駅 いたの(徳島県板野町)
・道の駅 滝宮(香川県綾川町)
・道の駅 天空の郷さんさん(愛媛県久万高原町)
・道の駅 あぐり窪川(高知県四万十町)

九州地方
・道の駅 うきは(福岡県うきは市)
・道の駅 させぼっくす99(長崎県佐世保市)
・道の駅 たのうら(熊本県芦北町)
・道の駅 ゆふいん(大分県由布市)
・道の駅 都城(宮崎県都城市)
・道の駅 たるみずはまびら(鹿児島県垂水市)

2024年8月現在、防災道の駅は全国で上記の39か所のみだが、国土交通省は今後、追加選定を順次進めていくという。

9月1日の｢防災の日｣を前に、自宅や移動先近隣の「道の駅」や防災対策状況を確認するなど、災害時に利用できるよう準備を進めたい。