電気自動車のバッテリーを長持ちさせるポイントは?適切な使用と管理で電欠の心配を軽減
電気自動車(EV)の普及が加速する中、バッテリーの寿命を延ばす方法に関心が高まっていることから、国土交通省は、電気自動車(EV)のバッテリーを長持ちさせる方法をウェブサイト上で公開した。適切な充電方法やバッテリー切れを防ぐコツを解説する。
バッテリーを長持ちさせるには、「常時満充電」「頻繁な急速充電」「長期間の放置」を避ける
同省のウェブサイト上では、EVのバッテリーを長持ちさせるポイントとして次の3つを発表している。
1.常時満充電にしない
2.頻繁に急速充電を行わない
3.長期間充電せずに放置しない
EVに搭載されている駆動用のバッテリーには寿命がある。使用頻度が高いと充電容量は減少するため、劣化を予防する工夫が必要だ。ガソリン自動車の場合、スタンドで満タンに給油することも多いだろう。しかし、電気自動車の場合は「満充電」にすると電池劣化の原因になるため注意が必要だ。リチウムイオン電池は、満充電の状態で長時間放置すると劣化の原因につながるため、充電する際は8~9割程度に留めるようにしよう。ただし、ロングドライブをする際にはフル充電で出かけた方が安心だ。
また、電気自動車の充電には「普通充電」「急速充電」の2パターンがある。
・普通充電:交流電源(200V)から3~6kWの出力でゆっくり充電する
・急速充電:直流電源(500V)から20~50kWの出力で充電する
頻繁に急速充電をすると発熱によるバッテリーへの負担が大きいため、停車するタイミングで普通充電をしよう。併せて、長期間充電をせず放置するのは避けたい。充電せず放置をするとバッテリー内の電力が徐々に減少する。電気自動車のリチウムイオン電池は、充電が0になっても放電が止まらず劣化が進む。そのため、長期間充電をせず放置するのは避けよう。
リチウムイオン電池は満充電すると劣化の原因になる。充電する際は8~9割程度に留めるのがバッテリーを長持ちさせるコツ
スタンドの把握や早めの充電で電欠防止へ
電欠は、バッテリーの充電がなくなり車を動かせなくなってしまう状態で、ガソリン車でいう「ガス欠」にあたる。
電気自動車の電欠を防ぐポイントは……
・充電スタンドの位置を把握しておく
・余裕をもって充電をする
・駐車している間に充電をする
事前にスタンドの位置を調べて、充電できるタイミングを逃さないようにすることが大切だ。1回の充電で走行できる距離を考えて次の充電場所を決めておくと、余裕を持って運転できるだろう。
長距離走行する際には、スタンドの位置を事前に調べておくこともトラブル回避のポイント。また、充電のタイミングも考えておこう
電欠サインが出たらまず安全確保を
一般的に電気自動車には、電欠になったときのサインがある。メーターに警告灯が点灯し、出力制限による速度低下が現れる。
道路を走行中に電欠になった場合は、事故の原因となる恐れがあるため、安全な場所に車を停車させよう。身の回りの安全を確保してから、JAFやロードサービスに救援を要請する方法がおすすめだ。普段から電欠にならないよう充電の量に注意して、事前に充電スポットを調べておくことが大切だ。