ドライバーのお悩み解決! 菰田潔の運転レッスン

無意識にやりがちな「ショートカット右折」。その危険性を知り、正しい右折をマスターしよう!

ショートカット右折の危険性とは? 動画で詳しく解説します。

菰田 潔(モータージャーナリスト)
2022.09.12

写真=柴田直行(一部編集部)/モデル=土屋怜果

2022.09.12

写真=柴田直行(一部編集部)/モデル=土屋怜果

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1年点検を受けると、だれにでもチャンス

「スムースドライビング」について、動画でお伝えする運転レッスン。今回のテーマは「安全な右折」です。「普通に曲がるだけでは?」と思った方! 実は、多くの方が無意識にやってしまいがちな、危険な右折があるんです。自分では気づきにくいですが、対向車から見ると……。講師はモータージャーナリストの菰田潔さん、生徒は土屋怜果さんです。

ベテランドライバーもやりがち?
見通しの悪い交差点では危険度MAX!

あなたは住宅街を走行しています。左右は塀や生け垣で囲われた家が並んでいるため、交差道路への見通しはよくありません。狭い交差点に差し掛かり、対向車は来なかったので勢いよく右折すると……危ない! 右折先の車にぶつかりそうに。一体、何がいけなかったのでしょうか?

右折先で衝突しそうな様子

「ショートカット右折」は、早いタイミングでハンドルを切り、交差点の中央を通らずに最短距離で行こうとする右折方法です。特に見通しの悪い交差点では、右折先の停止車両や自転車などに寸前まで気づかず、ぶつかりそうになることも。私の体感として、多くのベテランドライバーも気づかずにやっている印象です。

ショートカット右折がよくわかる! 動画はこちら。

マナー違反ではなく、道路交通法違反!
原因は「しっかり減速しない、たくさんハンドルを切らない」

「ショートカット右折」の認識で大切なのは、それがマナー違反ではなく、道路交通法に違反している、ということ。この行為は自分のみならず、人の命を危険にさらすおそれがあります。急いでいるドライバーだけでなく、「しっかり減速しない」「たくさんハンドルを切らない」など、惰性で運転している方がやりがちです。安全な「正しい右折」について、今一度学びましょう。

1. ウインカーを点け、センターラインに平行に車を寄せていきます。すぐに停止できる程度までしっかりとスピードを落としながら、交差点の中央付近まで進みましょう。

センターラインに寄せる様子

2. 交差点の中央付近にきたら、右折先と対向車線の安全を確認。「アリさんブレーキ」でゆっくりと進みながら、たくさんハンドルを切ることを惜しまず、小回りで右折。

交差点での車の動き

3. 進入先には誰かいる、という前提でしっかりと安全を確認。交差点の中央付近できちんと右折することで、右折先の死角をなくすことができます。

真っすぐに右折先へ侵入する様子

「ショートカット右折」は、出会い頭事故につながるおそれのある危険な右折。正しい右折方法はとてもシンプルで、しっかりとスピードを落とし、交差点の中央付近で曲がるようにハンドル操作を行うだけです。その際、周囲の安全を十分に確認するようにしましょう。

どのくらいのドライバーがショートカット右折している? 調査結果はこちら!

JAFでは、交通安全とエコドライブの普及・啓発のためにさまざまな講習会を行っています。また、ウェブを活用した交通安全トレーニングや調査・実験データなど情報を提供しています。ぜひご覧ください。

菰田 潔

こもだ・きよし モータージャーナリスト、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長、BOSCH認定CDRアナリスト、JAF交通安全・環境委員会委員など。ドライビングインストラクターとしても、理論的でわかりやすい教え方に定評がある。

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