目のストレッチ体操をする女性
監修=日比野佐和子 / 文=釼持陽子 / イラスト=ノグチユミコ

運転で目が疲れる人必見! 夏の疲れが残す目の不調を解消する即効ケア5選

夏の蓄積疲労を今すぐ解消! 眼筋ほぐしと乾燥対策を眼科医が教えます
日比野佐和子

暑さが長引いた今年の夏は、強い紫外線やエアコンの使用で目にダメージが蓄積。それに加え、日々の運転でドライバーの目は眼精疲労やドライアイが起こりやすくなっています。眼科医でアンチエイジングに詳しい日比野佐和子先生に、簡単にできる目の体操やセルフケアのコツを教えてもらいました。

目次

夏の日差しやエアコンの使用で目がダメージを受けている

秋らしい陽気になり過ごしやすくなってきました。振り返ると今年の夏は、気象庁の統計開始以来、最も暑い夏となり、私たちは数か月にわたって強烈な日差しにさらされ続けました。

そんな強い紫外線を数か月にわたって浴び続けたことにより、ダメージを受けたのが目です。目の一番外側にある角膜上皮や、その奥でレンズの役割を果たす水晶体は、紫外線の影響を受けやすい部分です。

また、猛暑の夏の間ずっと、車内や室内では、エアコンを使い続けていたことでしょう。そのため、目の潤いが減りドライアイになっていた可能性もあります。

こうした夏特有の要因に加え、ドライバーは運転中、常に目を酷使しています。クルマを運転するときは、絶えず前方や周囲を見て集中しているため、リラックスしているときよりまばたきの回数が減り、乾きやすくなります。

さまざまな要因により、ドライバーの目は気づかないうちにドライアイや眼精疲労を起こしやすくなっています。目がしょぼしょぼする、目がジーンと痛い、目をつぶると涙が出てくるなどの症状があれば要注意。

視界がクリアに見えず、目に不具合があると、安全な運転はできません。次に紹介するセルフケアで目の調子を上げていきましょう。

目の体操で眼精疲労がスッキリ、ドライアイを防ぐ

目の周りは小さな筋肉が集まっています。目の周囲や内部にある筋肉をほぐし、血流を改善すると、眼精疲労が軽減して目の乾きやすさも改善していきます。紫外線ダメージを受け続けた目を、セルフ体操で癒やしていきましょう。
※目の体操は、運転中には行わないようにしてください。

目の血流を良くする「グーパーまばたき」

目が疲れたときにいつでもできるのが、目をつぶって開く「グーパーまばたき」。眼球の周囲にある眼輪筋をゆるめて血流を改善し、眼精疲労やドライアイを軽減します。

グーパーまばたきのプロセスイラスト

【やり方】目をギュッとつぶって2秒待ち、パッと開いて2秒キープ。目をつぶったときに寄り目にすることを意識し、開いたときは眉を上げて目を大きく見開くのがポイント。これを5回×3セット行います。

目の周りの筋肉をストレッチ「8点ぐるぐる体操」

眼球を上下左右にぐるっと動かして、目の周りの筋肉をストレッチ。運転中、ずっと前を凝視している時間の長いドライバーにおすすめの体操です。目の疲れを改善して、潤いを与えます。

目の周りの筋肉をストレッチ

【やり方】顔を正面に向けたまま、「上・右上・右・右下・下・左下・左・左上」の8点をそれぞれ1秒ずつ見て一周します。顔は動かさずに、眼球だけを動かすのがポイント。1周×3セット行います。

ホットアイマスク、目薬活用…運転で疲れた目をいたわる方法

SA・PAに立ち寄り休憩する女性

眼精疲労やドライアイを防ぐためにもっとも重視してほしいのは、目の休息です。運転中の集中でまばたきが少なくなることに加え、現代人はスマートフォンを使用する時間が長く、想像以上に目を酷使しています。人間は情報の約8割を「視覚」から得ているといわれており、五感の大部分を目に頼っているのです。その結果、目だけでなく脳の疲労も生じやすくなります。

日常生活の中では、目を閉じて情報を遮断したり、スマートフォンではなく自然の景色を眺めたりして、意識的にリラックスする時間をとり、目と脳に休息を与えましょう。運転中もSA・PAに立ち寄り、こまめに休憩を挟むことが大切です。

疲れ目にはホットタオルで温めるのも効果的です。濡らしたタオルを500~600Wの電子レンジで30~60秒加熱。やけどに注意しながら肌にのせても安全な温度まで冷ましてから、タオルを目の上にのせてじんわり温めます。まぶたにあるマイボーム腺が温まることでゆるみ、油分が分泌されてドライアイの予防になります。

また、UVカット機能付きのサングラスやサンシェードも目や肌を紫外線ダメージから守るのに役立ちます。目の疲れや乾きを感じるときには、涙とほぼ同じ成分でつくられた「人工涙液」タイプの目薬を使用するのがおすすめです。

目の健康は、運転中に周囲の情報を正確に把握するうえで欠かせません。夏から続く紫外線や日々の運転でダメージを受けた目を、しっかりケアして安全運転を心がけましょう。

日比野佐和子

ひびの・さわこ SAWAKO CLINIC x YS 統括院長。大阪大学大学院医学系研究科 未来医療学寄附講座 特任准教授。内科医・皮膚科医・眼科医。日本抗加齢医学会専門医。最新の抗加齢医療や再生医療に精通し、アンチエイジング医療の第一人者として、基礎研究から臨床まで国際的に活躍。テレビ・雑誌など各種メディアへの出演も多数。
SAWAKO CLINIC x YS

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